やま建築研究所

私が感じたこと、気になった建築などを書き留めたノートです。

フランクゲーリーの映画みました!! オレ建は「一葉記念館」

2007年06月18日 02時26分09秒 | 建築の歩き方
昨日土曜日の話ですが、仕事終わりに映画「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」を見に行きました。

渋谷文化村にある「ル・シネマ」で上映中

アメリカの建築家フランク・ゲーリーの日常の仕事を追ったドキュメンタリーです。
代表作はスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館、米国のゲーリー自邸、そして日本には神戸にフィッシュダンスと題された魚のオブジェがあります。

いずれも実物を見たことはありませんが・・・

雑誌などでよく目にする事がありますが、曲面や平面を複雑に組み合わせて、奇抜な形状に仕上げた建物です。
設計するのも大変だけど実際に作るのもさぞかし大変そうです。

ゲーリーの友人でもある映画監督がデジカム片手に仕事場や車の中でインタビューしたり仕事現場を撮ったり、かなりの信頼関係がなければ不可能な密着した取材で本音を引き出しています。

紙を模型にテープで貼りながら形を決めていったり、チームワークを重視して進めていく方法など巨匠の仕事振りを垣間見ることができました。

その中で私の印象に残った言葉は

「施主の全てを受け入れるのではなく、自分の主張を全て押し通すのでもなく、自分を表現するわずかなスペースを見つける事」

「大切なのは光の使い方。完成したときの日の当たり具合、入り具合で成功したと思える」

「どんな素材でも使い方によって豊かに表現できる」

「新しく建つ建物は隣人(隣、周囲に建つ建物)との対話が重要」

です。

後は興味があれば自分で見て感じてください


そしてそして今日の「オレ流建築の歩き方」は台東区竜泉にある「一葉記念館」です。
平成19年6月17日の今日、行ってきました。

ルートは近くの大塚駅から都電荒川線に乗って終点の三ノ輪で降りました。

都電に乗ったのは初めてですが、発車の合図の「チンチン」走っている音の「ゴトンゴトン」が乗り物にのっている感を実感させてくれます。
お年寄りが多いせいもあるのか、席を譲るマナーが一般の電車より多い気もしました。

また、街中しかも家の間を走っていくので車窓からは生活感あふれる光景が流れていきます。
これは一般の電車はもちろんバスや車からも見ることはできない景色でしょう。まさに守るべき「都電沿線景観」です



さて三ノ輪からは歩いて約15分。「一葉記念館」に到着しました。
一葉とは「樋口一葉」あの五千円札の肖像の方です。

この記念館は約40年前、地元の方々の協力で建てられたそうですが、五千円札の肖像に決まったことがきっかけで平成18年11月に新しく建て直されました。

住宅街の中にあるのですが、目立つわけでもなく周囲に溶け込んでいます。
正面を縦桟で覆っているのがいいのかもしれませんね。



縦桟の裏側に3階までの直階段があり室内の階の移動に使われます。
建物正面に階段をもってくる配置は初めて見ました。
西日から作品をまもり展示室以外は明るく開放感のある空間にするためでしょうか。

建物自体は大きくはありませんが、24歳で亡くなった一葉の人生の大きな軌跡が詰め込まれています。