やま建築研究所

私が感じたこと、気になった建築などを書き留めたノートです。

建築の歩き方「ドラード和世陀」です。

2010年04月24日 02時19分27秒 | 建築の歩き方

しばらくさぼっていたうちに、日も長くなり、寒さも和らぎ、桜の季節も過ぎてしまいました。
久しぶりに更新しようとすると、gooのメールページの使い勝手も変わっていて、とてもやりにくい。
身のまわりにおこる変化の流れ。
年をとるにつれ、順応しにくくなると聞いたことがあります。
まだまだ乗り遅れないよう、世の流れについていかなければと決心を新たに再開です。

前職を辞めて今の会社(住宅メーカー)に入るまで、建築の勉強をしつつ海外に行ったりもしてました。
アメリカ、ギリシャ、イタリア、フランス。

  
        アメリカ ニューヨーク


        ギリシャ アクロポリス


         イタリア コロッセオ


     フランス モン・サン・ミシェル

「西洋建築を巡る旅」と書くと聞こえがいいですが、ただの海外旅行だったかもね。
会社員となった今、そんな自由などない日常ですが、次に是非行ってみたい所はスペイン
無敵艦隊。闘牛、ピカソにパエリア。
見所いっぱい、楽しみいっぱい、おいしさいっぱい。
伝統と歴史が入り混じる情熱の国ですが、私の目当てはこれまた情熱のガウディ建築です。

いつかは行ってみたい憧れの国。
とはいっても当面行けそうにもないですが、新聞の記事で目に入ったのは日本にあるガウディ建築!いや、ガウディ風建築
そこは、新宿区早稲田鶴巻町。
日本のガウディこと梵寿鋼(ぼんじゅこう)。呼ばれ方も多彩な本名 田中俊郎さんが設計したビルがあります。 
2010年1月26日に行ってきました。


東西線早稲田駅下車、雑居ビルの谷間を抜けるとそこはスペイン!!
・・・と見まがうことはまずないですが、新聞を見てスペイン情緒あふれるガウディ風建築と期待していたのですが、なんだか怪しさ漂う館が建っていました。


         
 ドラード和世陀

名は「ドラード和世陀」
早稲田通りの出発点である大隈講堂から一つ目の交差点。



三方を道路に囲まれているため、ビルの三面がキャンバスとなり、それぞれの面がいずれ劣らぬ怪しさをかもし出しています。

曲線的で流動的。



ある面はメルヘンチックな模様と、ホラーな面々。そしてちょっぴりエッチな彫像。





ある面はタイルや金物細工で着飾られ、キッチュで華やかで、けばけばしい。



ある面はうろこをまとった爬虫類的外観。



周囲の無機質なビルに比べてなまめかしい存在感。
ガウディが目指した「生物的な建築」が、遥かな時と場所を超えて、早稲田の地に再来です。

建築年は1983年。
ガウディを知らない人から見ると、古き良きバブリーな建物にしか見えないかもしれませんが、バブル以前に建てられてます。

早稲田大学の正門前ということもあり目立ち度抜群。
芸術的な手摺や外壁材は、全てオーダーメイドなのでしょう。


注文住宅といいながらも、既製品の組み合わせしか使ったことない私にとっては、とてもうらやましく、刺激的です。
「いったい、装飾だけでいくらかかっているのだろうか?」
小市民のせいか、そんな俗なことに感心が奪われます。


怪しげな、でも愛嬌のある怪物が出迎えるモザイクタイル。
悪いと思いつつ、踏んで建物の中へ。
Rのついた通路は、先を見通せず、その先に何があるのか、期待感くすぐらされます。


装飾のラビリンス。
ドキドキ感とワクワク感に駆られながら、行き着いた先は小さなホール。
不気味な手のオブジェが来客を迎えます。


華やかで摩訶不思議。
異次元のようで、現実的。
それは消火器のおかげです。


ポストや壁、そして門扉。それぞれが芸術作品。




ずっと住むのは疲れそうかも!?でも一時期は住んでみたい。
そんな気分になりました。

只今、空き室待ちが続くほどの人気物件だそうです。