ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

「浅羽道明著 アナーキズム」を読んで空想したこと。

2018年08月28日 22時21分45秒 | 読書
こんな本を読んでみた。 浅羽道明著『アナーキズム』である。

この本の中で紹介されているものに、興味を惹かれるのがあった。笠井潔『国家民営化論』である。
国家運営のすべての領域で民間がそれを運営したら、と笠井は思考実験をしてみたのである。
「国家民営化論」についての詳述はここでは紙数の関係で触れないでおくが、かなり大胆な論である。しかも思考実験としても論に説得力があった。

こんな自由な思考実験があるのなら、現在の国家間の領土問題も、次のようには考えられないか、といことを空想してみた。
どんなことかって?領土問題をお金で解決してしまおう、と言う無謀な企てはいかがかな、ということなのである。
今、わが国が関係する領土問題には、東シナ海の「尖閣、」韓国との間にある「竹島」、北方領土の4島返還問題などがあります。
たとえば、尖閣に関して言えば、中国は尖閣が自国領である主張している。我が国は当然、古来から日本領であると考えている。この問題はどちらかが折れない限り、解決は付かない問題なのです。
これをどう解決しようか?と考えて、思考実験をしてみよう。

領土をお金で売り買いしてしまおうと考えたらどうなるのか?
尖閣を中国に日本が売ることにしよう。ただし、いくらの金額で売るのかではなく、日本が尖閣を売るので、中国はそれに見合う中国領のどこかを日本に売ってくれと主張するのである。早い話が、領土の物々交換をするのである。そうですね、さしあたり尖閣と見合うだけの価値のある中国領と言えば、香港あたりでしょうか。
この条件ならば、尖閣を中国領にしてやっても良いと提案するのである。もし、香港が日本領になれば、中国政府にとっては、のど元に匕首を突き付けられたも同然なのである。
領土を欲しければそのぐらいの対価を払わなければできないよと提案するのである。いまや、実力で領土を獲得できる世の中ではないよと、教えてやるのである。これには日本もそれなりの準備をしておくことが重要になる。政治・外交・国防力の整備などである。とりわけ重要なのが外交力であるのは言うまでもない。日本独自の将来を見据えた政治・外交力が問われるのであろう。

さて、領土をお金で売り買いした例は実際にあった事なのです。
自国領だったアラスカをお金に困っていた帝政ロシアはアメリカに買ってくれと持ち掛け、アメリカはかなりの安値で当時のロシア政府から買い取ったそうです。1867年のことである。当時のアメリカの購入価格は720万ドルであったそうな。そしてさらに遡ればアメリカはルイジアナもフランスから購入したのです。1803年にフランスからの購入金額は1500万ドルであったそうである。

実際にあった事なので、領土の物々交換も全くの絵物語ではないのかもしれない、と思うのです。



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