在郷の写真家、大野源二郎氏が亡くなったとの新聞報道があった。表題の新聞記事がそれである。大野氏の作品に「おばこ」がある。次のものである。
この写真は写真展で高く評価され、それを知った写真家、木村伊兵衛が同じモデルを使って撮ったのが「秋田おばこ」である。
2021年に「木村伊兵衛回顧展」が秋田市の美術館で開かれた。次の画像はその時のチラシである。
このチラシに使われたのが有名な「秋田おばこ」なのだが、その背景には大野源二郎の「おばこ」があった事は今回の新聞記事で知った。木村伊兵衛は戦後を代表する「リアリズム写真家」と言われているが、そのリアリズムの一端が秋田の農村にあった事はもっと知られても良いのではないかと思う。
最後になるが、木村伊兵衛の作品を再度見てみよう。
木村氏のこの作品の人物は大野氏の作品とは違い笠を着けている。この笠は人物の目元を強調するのにとても重要な小道具となっている。こんなところにも木村氏の才覚が現れていると感じる。それにしても「おばこ」がなければ木村氏の「秋田おばこ」も生まれなかったと思うと、大野源二郎氏の業績をあらためて知りたいと思っている次第である。
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