ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

やっとこの本を読み終えたー銃・病原菌・鉄ー

2020年09月10日 23時07分32秒 | 読書
久しぶりに厚い本を読んだ。ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』である。上巻は395頁、下巻は404頁と言う大冊である。上巻はしばらく前に読み終えていたのだが、下巻にはなかなか手がつけられずにいた。試験が終わったら読むぞと思っていても間が空いてしまうと億劫になってしまうものだ。ところが、コロナで外出を控えよ、と言う雰囲気が読破を後押ししたのかもしれない。とにかく読み終えたのである。
この書籍をちゃんと紹介するのは私などの手には余るので、それは差し控えることにして、著者がこの本を書こうと思ったきっかけだけには触れておこう。
ジャレド・ダイヤモンドはこの本を著者自身が受けたニューギニア人からの言葉で始める。
その言葉とは『あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?』ヤリというニューギニア人から投げかけられたこの問いに応えるために著者は人類文明の発展の歴史を振り返る作業を始めた、と言っている。

少しでも学校で歴史を学んだことのある私たちは、スペイン人が中南米に進出し、インカ帝国の社会と文明を根こそぎ滅亡させたことを知っている。私たちはそのことを不思議には思わない。なぜなら、「文明は同じ様には発展しない。不均等に発展するもの」だと思い込んでいるからである。著者は私たちが持つその様な「常識」に止まることなくそこから一歩を踏み出す。文明の進んだヨーロッパ人が中南米の文明を滅ぼしたのでなく、その逆にインカの人々がスペイン人の社会を滅ぼすことがなかったのは、なぜなのか?と問題を捉え直したのである。
12000年にわたる人類史がこの様な視点から叙述されている。大部の著作であるが、読み始めると面白いの一語に尽きる。
さあて、次はどんな本を読もうか。2学期が始まるまでにはまだ少しの時間があるだろうから。


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