今日丸善で文庫本を買った。
紀伊国屋の方がちょっと近いので、たいていはそこに行くのだけど、
今日はウロウロしたかったから少し広めな丸善にした。
先週買った本は袋に入れてもらったけど、
今日は文庫本だし、カバーを掛けてもらった。
久し振りの丸善のカバー。
なんともいえず好きだ。
そして懐かしいようなキュンとした気持ち。
父が大好きだった丸善。
私の子供の頃から、そして80才代になっても、
一人で歩けるうちはそこへ通い続けていた父。
私が今日行った所ではない、三越の隣にあったあの丸善。
小学生の頃私はよく付いて行った。
でも、行くのはいつも洋書のフロアだから子供の私は詰まらない。
それに気難しい父と一緒なんて楽しくもなんともない。
(ごめんね、お父ちゃん。)
それでも行くのは、その後の楽しみがあったから。
すぐ側の喫茶店に行ってソフトクリームを食べるというすごい楽しみ。
その頃は今のようにどこにでもあった訳じゃないソフトクリーム。
もぅ、美味しくて嬉しくてたまらなかった。
父が何を食べるか飲むかしてたかは分からない。
多分ソフトクリームは食べていなかった。
私はその横にある熱帯魚を見ながら、黙々と食べていたような気がする。
そして父は黙って本を見てる。
そんな数十年前の丸善や喫茶店、父と私。
物語の映像のように思い出す。
本棚にいつもあった丸善のカバーの本も。
こんな風に文字にしていたら、なおさら胸がいっぱいだね。
でも、父はきっと嬉しいかな。
父の後に亡くなった身内が多いから、父の話題がこの頃少ない気がしてたもの。
それが今日、こんなに思い出すなんてね。
お父ちゃんもびっくりしてる?(笑)
三越の隣の丸善がなくなってしまったのは本当に寂しいけど、
私の近所の丸善で、またカバーを掛けてもらった本買うね。
カバーでどこか満足して、
肝心の本、今は全然読む気がしなくなっちゃった。
もうすぐ父の命日。