Harmony

ちょっと呟いて孤独からの脱出?

変わらない

2006-11-10 14:28:25 | Weblog
昨日のNHK『クローズアップ現代』は、「外国人旅行者を狙え」というタイトルで、今日本の観光地が生き残りをかける為に、外国人旅行者の争奪戦を展開していると言う内容のものだった。
その中で国谷キャスターが、ゲストの数学者ピーター・フランクルさんに、
「フランスは世界一外国人観光客が多いけれど、何故でしょうか?」と聞くと
ピーターさんは、「変わらない」という事だと答えていた。

その答えに、この頃思う事があって私は頷いた。

この11月に、昔私が勤めていた職場の本店の取り壊しが始まる。
札幌の中心大通りのシンボル的存在だった建物。
直接関係のある人ではなくても、長い間市民の目になじんだ建物だった。
大きな近代的なビルになるのだろう。
札幌はそうしてどんどん変わっていっている。
私の若い頃の建物はほとんどない。
少し郊外に行くと道路も変わってしまった所がある。
あったはずの道は無くなって、違う大きな道路ができて、そこがもうどかだか分からない。昔の面影は全然ない。

でもそんな札幌と比べて、小樽は全く違った。

数年前、そこで生まれ育った母と母の思い出の場所を歩いた。
いつもは日帰りだけどその時は一泊。
今91才の母が子供の頃食事をしたというホテルに泊まった。
ほとんど当時のままのようで、古いけど重厚な感じで趣がある。
そしてその向かいにある母が勤めていた銀行もやっぱり昔のままの建物。
当時北のウォール街と言われていたその一帯は、母にとって瞬時に青春の時に戻れる場所のようだ。
ホテルの窓から働いていた場所を眺め思い出を語る母が、うらやましかった。
通った幼稚園も思い出いっぱいのテニスコートも公園も・・皆残っている。
やはりそのままな子供の頃住んでいた家の前では、ここでこうしてああしてって最近の事のように嬉しそうに話す母。
建て替えられたかもしれないけれど、家のそばの小さな商店も当時の名前のままだった。

小樽は観光にその古い建物を生かして、たくさんの観光客を呼んでいる。
私も子供の頃度々行っていたので懐かしいのと、知らない場所でも心が落ち着くそんな街で、ひとりでふらっと行くのが好きだ。
最近観光化が進み過ぎて本来の良さが見えなくなりそうな、でちょっと寂しかったりだけど…。
そして観光地としての裏には、人口が減り市民の生活の面では問題もあるらしいのだけど。
それでもやっぱり古いものを残している事で、小樽の魅力は大きいのだと思う。

私には昔を懐かしんで歩くなんて場所はほとんどない。
ましてや母のような年になったら、な~にもない、全てが変わってるんだろうな。
札幌はそんな所なんだと、この頃つくづく思っている。
そうしないと経済が発展しないと言う事なのか。
でも人間の心は反対にどんどん淋しくなっていくようで・・・
私には悲しい事。


コメント
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