永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

井上雅司の経営相談申込カレンダー

第1章(10)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第3回

2016年11月15日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(10)あなたの企業「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第3回

 中小零細企業の「行動規範(モラルコード)」

 「行動規範(モラルコード)」とは社内全員が、判断や行動時に厳守すべきことです。

 ここで日本を代表する大手企業の一つSONYの「ソニーグループ行動規範」1を参考にしてみましょう。ソニーグループ全社員にたいするものですから、日英両方で表記されています。

 

基本原則については

  • 法令、社内規則・方針の遵守および誠実で倫理的な事業活動

  • ステークホルダーとの関係

  • 多様性の理解

  • 構造的利益相反の回避

  • 社内通報

人権の尊重については

  • 雇用における機会均等

  • 強制労働、児童労働の禁止

  • 健全な雇用・労働

  • 職場環境



誠実で公正な事業活動については

  • 製品・サービスの安全

  • 環境保全

  • 公正競争

  • 広告

  • 企業情報開示

  • 個人情報

  • 知的財産

  • 機密情報

  • 公正な調達

  • 贈答、接待

  • 記録および報告

倫理的行動については

  • インサイダー取引

  • 個人的利益相反

  • 会社資産

  • メディアとの関係と公的発言

という風に20ページに渡って細かく規定されています。

 では同じく東芝の「東芝グループ行動基準」2はどうでしょうか?

1. 人権の尊重

2. お客様の尊重

3. 調達活動

4. 生産・技術活動および品質活動

5. 営業活動

6. 独占禁止法・官公庁取引規制等の遵守

7. 贈賄の禁止

8. 環境活動

9. 輸出管理

10. 反社会的勢力の排除

11. 技術者倫理の遵守

12. 知的財産権の尊重

13. 適正な会計

14. 広報活動

15. 広告活動

16. 職場環境の整備

17. 情報セキュリティ

18. 会社財産の保全・利益相反行為の禁止

19. 社会とのかかわり

SONYほどではありませんが11ぺージに渡って詳細にかかれています。両者の行動規範をみているとそれはそれでCSR3を公開するという目的は十分果たせていると思います。

 では、なぜ、この東芝が世間を騒がす大きな不正会計事件をなぜ防ぐことができなかったのでしょうか。

「13の適正な会計」には
1.東芝グループの基本方針

会計に関する法令・基準を遵守し、一般に公正妥当と認められた会計原則に従って適正に会計処理と会計報告を行います。

2.東芝グループ役員・従業員の行動基準

(1)会計情報を、一般に公正妥当と認められた会計原則に従って正確にかつ適時に会計処理を行います。

(2)会計情報を、法令にのっとり正確にかつ迅速に開示します。

(3)経理システムの維持・改善をし、財務報告に係る内部統制の整備・運用に努めます。
と書かれています。

最終項「19. 社会とのかかわり」、行動基準の一番最後は

東芝グループ役員・従業員の行動基準

(1)地域社会の文化、慣習等を尊重します。

(2)地域社会とのコミュニケーションの拡大を図り、会社の経営方針や事業活動に対する地域社会からの理解を得るよう努めま

す。

(3)地域社会の活動および社会貢献活動に積極的に参加します。

(4)品位と良識を兼ね備えた、自立した社会人として責任をもって行動します。

(5)職場、公共の場所、インターネット環境を問わず、東芝グループの一員としての自覚を持ち、誠実な言動をこころがけます。

で締めくくられています。私は従業員の誰もがこの行動規範をそらんじて言えないばかりでなく、経営者も言えなかったように思います。

 東芝はからくり人形で有名な発明家の田中久重が創業し、社会に役立つ数々の商品を開発提供してきた老舗企業です。長寿大企業であっても『長寿幸せ企業』ではなかったことが、東芝ファンでもある私はとても残念で仕方ありません。

 行動規範の定義などはどうでも構いませんが、これら大手企業の行動規範はまるで六法全書なようなものです。つまり法律です。
 私は、論語の
子曰く、これを道(みちび)くに政を以ってし、これを斉(ととの)うるに刑を以ってすれば、民免れて恥なし。これを道くに徳を以ってし、これを斉えるに礼を以ってすれば、恥有りて且(か)つ格し。」4
を思い浮かべました。行動規範を法律と考えるから、捕まらなければ罰せされることもないからと行ってしまうのです。行動規範を道徳と考えれば、心に恥じるので正しく行動することが出来るのです。法律は最高権力者が変われば変わりますが、道徳は時代や国が違っても変わりません。

 もう一つ行動規範として機能しない決定的な理由は、長すぎて毎日、唱和できないので、憶えられないことです。
毎日毎日繰り返して唱和して憶えれば、頭のなかに染み込んでいます。経営者も従業委員も行動を起こすときに、「あれ、おかしいな」とか「ちょっとちがうな」などと一呼吸間をおくことが出来るようになります。これが『長寿幸せ企業』に必要な行動規範です。

『長寿幸せ企業』をめざす俯瞰塾会員には以下のようなスタイルの行動規範の作成をおすすめしています。

 お客様、仕入先様、私達全従業員とその家族を笑顔にするために

  • 笑顔で挨拶しましょう

  • 礼儀と感謝の気持ちを大切にしましょう

  • 清潔で明るい職場にしましょう

  • 真摯に勤労しましょう

  • 損得より善悪を優先させましょう

  • 変化を求めて、常に挑戦しましょう

  • そして、これらを継続しましょう

 経営者ご自身が、わかりやすく、行動につながる言葉で作成して、毎朝の朝礼や会議、ミーティングなどで唱和することです。

 さらに重要なのは、経営者が唱和のあとに従業員に向かって話す機会があれば必ず
「もし、私がこれらに違う行為をしていたら、しようとしていたら、お願いですから、私に『行動規範と違ってるよ』と諫言をしてください」
とお願いすることです。私の場合ももそうでしたが、会社を危機に貶めるのは従業員ではなく経営者です。経営者がおかしな判断や行動をしてもなかなか諫言することはできないことを理解しておいてください。

 

井上経営研究所のホームページやブログは、起業してはじめて「中小零細企業」の経営者となった方が、

 

  1. 幾多の経営危機を乗り越えて、変化と原理原則を学ぶんで経営危機から脱出するための「経営救急クリニック」事業

  2. 黒字企業から優良企業、無借金企業になり、『長寿幸せ企業』を目指し、従業員の幸福な生活を支援し、社会に貢献するための「長寿幸せ企業の道」事業

  3. 経営者が会社を安心して去れる「出口戦略」を成功させるための「事業承継・M&A (ハッピーリタイアメント)」事業

 

 まで、中小零細ファミリー企業の経営者人生の中で起こりうることを想定して構成しています。ご参考にしてください。



1ソニーHPより転記 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/csr_report/compliance/code_of_conduct.pdf

2東芝HPより転機 http://www.toshiba.co.jp/csr/jp/report/files/pdf6_4.pdf

3企業の社会的責任

4論語 為政第二 より

 次回は、第3章 「経営危機の乗り越え方」 (1)「倒産への負の連鎖」からの脱却 です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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第1章(9)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第2回

2016年11月08日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(9)あなたの企業「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第2回

③ 「目的地(ビジョン)」を数字に落とし込んだものが「経営目標(ターゲット)」


 次は「経営目標(ターゲット)」を作成します。すでにあなたは、経営者としての最終到達地の会社の状態やお客様や社員の様子「目的地(ビジョン)」としてイメージすることができています。次は、それに到達するために達成しなければならない経営数字に置き変えてください。

 通常、井上経営研究所では『長寿幸せ企業版PDCA事業計画書」1を使用します。下の図はこの『長寿幸せ企業版PDCA事業計画書」のシート「⑥長寿幸せ企業データ」の一部です。事前入力画面で経営者の現在および最終到達年度の年齢、会社の事業年度、過去の数値などを記入しています。この例では、経営者は現在40歳で、会社は第10期期中です。最終到達年度は30年後の経営者70歳、会計期は第40期となっています。

 

 さて、これに入力するのは、売上高、営業利益、事業数、本業比率、従業員数、従業員平均年齢、研究開発費額、自己資本額、総資本額などの「経営目標(ターゲット)」で、自動算出されるのは、自己資本比率、売上高営業利益率、一人あたり営業利益高、売上対研究開発比率、総資本営業利益率です。 最初に、過去の数値第9期以前を決算書から転記しておきます。このあと入力していくのは、今から30年後、最終到達年度第40期の「経営目標(ターゲット)」、この図で言えば図の右端の第40期です。

④ 「長期戦略」

 第(4)節で「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」で「経営戦略」とはあらかじめ、経営目標地点までどのような道(ルート)を通って、いつもでに到達するのかを決めることだとお話しました。


 ここから30年間を逆算していくのですが、大きく10年ごとくらいに「長期戦略」を設定します。30年ですから途中に21年目から30年目の「第Ⅲ期長期戦略」と11年目から20年目の「第Ⅱ期長期戦略」そして1年目から10年目の「第Ⅰ期長期戦略」が必要だということになります。

 では、30年後の目標地点と20年後、10年後の経営目標数値を入力してください。20年目、10年目は大まかなマイルストーンを設置する程度のほうが賢明です。「第Ⅰ期長期戦略」も後半に差しかかれば、経営環境も変化し、経営者も大きく成長しています。大切なのは、「目的地(ビジョン)」を現実のものとするために最終到達年度の「経営目標(ターゲット)」を達成することです。

 

⑤ 中期経営戦略と短期経営戦略

 次は、現在から10年後の「経営目標(ターゲット)」を見据えて3年後にはどのような「経営目標(ターゲット)」を達成する必要があるのかを検討していきます。その際重要なのは、現在のPLBSからみて実現可能性のある「経営目標(ターゲット)」であるかということです。「一か八か・・」や「なんとかなる・・」の発想は厳に慎んでください。

 この3年後の「経営目標(ターゲット)」に「この道を通って、1年目にはここまで行って、2年目にはあそこまで行って・・」と、到達する道と期限を決めるのが中期経営戦略です。この内、1年目が短期経営戦略ということになります。 このあとは、その短期経営戦略に従って部下がこの戦略を基にどのような方法で戦略地点まで行くのかを決めるが戦術です。

 ここで最終到達年度まで30年であれば3年ごと10個のマイルストーンを作るというお話をしたのを思い出してください。しかし、部下である従業員たちは30個ではなく、常に指示された次の1個のマイルストーンへなんとしてもたどり着く方法を考えて実行するのが使命です。

 小規模零細企業の場合は経営者も戦術構築に参加しても構いませんが、頭ごなしに反対せずに、できるだけ従業員の案件を採用して、アドバイスを加える程度に持っていきたいものです。こうすれば、従業員たち自身が作った戦術ですから、工夫努力を惜しまないはずです。

 しかし、彼らが必死になればなるほど、彼らにはそのマイルストーンしか目に入っていません。
そんな時、企業に「行動規範(モラルコード)」があり、その中で不徳や不法行為が強く諌められておれば、度々マスコミを賑わすような企業の不祥事が起き経営危機に陥ることはありません。
 経営者を含む全従業員が、戦略や戦術の構築や実行の前に「行動規範(モラルコード)」を確認することを習慣とする必要があります。
 

1 井上雅司が開発した『長寿幸せ企業』を目指す経営者のための企業理念から月次計画まで一貫した事業計画書。
「使命(ミッション)」や「目的地(ビジョン)」、「行動規範(モラルコード)」の作成から、長・中・短期の経営戦略を基にした長・中・短期の経営計画を作成できる。「PDCA月次計画書」シートでは月次決算(月次試算表)完了後には前年、および計画と実績を対比して、その原因を探り、対策や行動に結び付けられる。【連動式財務三表】シートでは過去だけでなく、未来のキャッシュフローも算定できる。

次回は、(10)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第3回 中小零細企業の「行動規範(モラルコード)」 です。

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 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

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第1章(8)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第1回

2016年11月01日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(8)あなたの企業「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第1回

 ① まずは、会社が何のために世の中に存在するのかという芯柱「使命(ミッション)」を明確にしよう。

最初にあなた自身どのような人生を望んでいるのか、整理してみましょう。
 今現在は、会社が儲かること以外考えていないという方も全く問題ありません。素直に自分自身に問いただしてみましょう。

 あなたが

  • 本当にやりたいこと

  • やらなければいけないこと

  • 本当に好きなこと

  • 嫌いなこと

  • 得意なこと

  • 不得意なこと

  • 自分の欲しいもの

などなんでも紙に書き出すことから始めましょう。

 このような方法は、「ブレインダンプ(Braindump)」1というらしいのですが、そんなことを知らなくても、自分や自分の人生ついて、正直に書き出してください。箇条書きでも構いませんが、おすすめする書き方は手書きでマップマインドなどにすることです。

 

 これを完成させて後は、コーヒーでも飲みながら、じっくりとこの図を眺めて見てください。この図を書き出すことで頭の中がスッキリしているはずです。
 こんな人生を歩みたいなというものがはっきりと出てくると言いたいですが、おぼろげ程度にしかでてこないかもしれません。それでも構いません。取り敢えず、今考えたのが現在の貴方の人生像です。


次に、その人生像のなかに会社像を入れてみてください。会社の中にあなたの人生があるのではありません。あなたの人生の中に会社があるのです。そうしていくと、会社で何をやりたいのか、会社でやらなければいけないことがはっきりとしてきます。

 会社の「存在理由=なんのためにわが社は存在するのか」-それが、「使命(ミッション)」です。

会社経営をしていると、いたるところで問題にぶつかり、それらを解決するために判断や決断をしなければなりません。経営者は問題そのものを解決しようとしすぎるため、近視眼的判断をする傾向があります。特に目先の利益にまさしく目がくらんだ判断をする過ちをしてしまいます。この時、経営理念の大本である「使命(ミッション)=なんのためにわが社は存在するのか」を確認して判断すれば、大きく謝ることはありません。存在理由が明確な会社は、その理由が前であればあるほど、世の中が必要としますので、『長寿幸せ企業』に近づけるのです。

 それでも「使命(ミッション)」までたどりつけない方は、やることはただ一つです。
 既に、あなたは企業の経営者や事業継承者であるか、起業の準備中のはずです。「使命(ミッション)」までたどりつけないあなたがやることは、「一所懸命働くこと」です。少なくとも半年から一年間は、朝一番に会社や工場店に出社し、出勤時間までに掃除に集中します。
 就業時間中は、新人と同じ会社の現場の末端の仕事、製造業であれば機械と油まみれになって働き、流通業であれば店頭で「いらっしゃいませ」「ありがとう」ございました」と直接お客様と接します。この期間中に、会社の全事業部や部署のもとで現場体験をして、汗をかきながら、従業者と働くことです。無我夢中に働けば働くほど、喜びや感動を発見することができます。汗を流したあとの爽快さを感じるようになります。お客様に一所懸命に尽くした後、「ありがとう」と感謝されることに感激するようになります。

 これをやり遂げることができたあとに再度「ブレインダンプ」を実行すれば、必ず「使命(ミッション)」までたどりつけます。この方法は、井上経営研究所の「両潤塾」2で100%実証済みです。

 万が一、「使命(ミッション)」ができない場合は無理矢理に決めないでください。 本当に心の底から望む事以外を「使命(ミッション)」にすると、経営戦略にまでそれが響き、戦術や戦闘と齟齬して、経営危機を招く事になりかねません。

 迷ったら、ともかく現場に出て何も考えずにお客さんや商品と接することです。もちろん、毎日、業務終了後さらに経営者の仕事に取り掛からなければいけませんが・・。

 ② 「ビジョン(目的地)」とは、「使命(ミッション)」を達成するには、会社や事業がどのような状態になっているのかをイメージ(表現)すること

 続いて、あなたが後継者であれば、社長在任中にいままで先代たちが持続してきた「使命(ミッション)」をどう継続していくか、追加した使命を実現するためにどのような状態まで会社を到達させたいかを、

 あなたが起業者であれば、自分が心に決めた「使命(ミッション)」が退任時にどこまで達成しているかを、それぞれ、頭のなかで描いて、イメージします。

 そのとき、会社や店や工場がどのくらいあり、どのような様子や状態にあるかや、お客様がどのように買い物しているかや、今より多くの従業者が笑顔で働いている様子などです。スポーツなどにおけるイメージトレーニングを想像してください。
 さらに、これらをを高揚する言葉に表現します。これが、「ビジョン(目的地)」です。

 ここで、「使命(ミッション)と「ビジョン(目的地)」を紙に書き出します。できるだけ自筆で、大きく書いてください。書道道具を出して、筆で書くのもいいですね。それを、まずは、自分がいつも座る場所の目の前に張り出します。この張り出す場所は、経営理念の確立段階でどんどん広げていきます。

1 脳(ブレインBrain)+吐き出す(ダンプDump)、つまり頭のなかにあることをすべて紙の上に吐き出して、整理する方法のこと。

2 井上経営研究所井上雅司が直接、半年間12回(120分×12=24時間)にわたりマンツーマンでコーチングする講座です。経営者としての知識や技術(時務学)のみ伝授するのではなく、受講者が経営者としての道徳律(人間学)を経営の芯柱にすることが出来、経営判断の「モノサシ」を確立できるようにコーチングします。

次回は、(9)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう 第2回です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A

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第1章(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の判断基準=「モノサシ」 企業の不祥事は「信条」と「行動規範」で防げる

2016年10月24日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の判断基準=「モノサシ」
  企業の不祥事は「信条」と「行動規範」で防げる


 さて、ここまで広義の経営理念の中身について、「使命(ミッション)」、「目的地(ビジョン)」についてお話してきました。その後、「目的地(ビジョン)」を数字で表現した「「経営目標(ターゲット)」から「経営戦略」、「戦術」への落とし込みについても触れてきました。

 ここで、(いつも下手な我流のイラストや図で申し訳ありませんが)図をご覧ください。これは、『長寿幸せ企業』の広義の経営理念をイメージしている図です。

 『長寿幸せ企業』を目指す企業の経営者は、起業もしくは事業継承後できるだけ早い時期に、これらを確立しなければなりません。

 まずは、芯柱の「使命(ミッション)」、と「目的地(ビジョン)」および「経営目標(ターゲット)」を決定します。これが樹木の「幹」になります。

 次に、幹から「枝」である「戦略」を伸ばしていき、「戦術」を駆使して、「葉」を茂らせます。葉は太陽の光をいっぱい受けて、「花」を咲かせ、「実」をつけます。
 実は「果実」、つまり利益です。その利益である果実から「種」が大地に落ちます。「果実」はくだものという意味ほかに、収益や利益という意味があります。「果実」という収益は、樹木の周りの生物に多くの恩恵を与えます。さらに、「果実」という収益から、未来を支える新規事業への「種」が生まれるのです。
 すべての種(新規事業)が外部環境に適応できて大きな樹になれるわけではありませんが、繰り返し、種が大地に蒔くことができれば、次の世代に引き継ぎ続けることができます。

  一本の樹木と同じく一事業にも必ず寿命があります。樹木が盛んなうちに次世代につなぐ新しい若木を育てることが、長寿の森を育てる必要条件です。

 樹木のいとなみは自然のいとなみです。松下幸之助は成功の秘訣を「天地自然の理(老子)」と答えていますが、樹木も人間もこの理に従って存在しています。会社や事業はその人間が作ったのですからその理に従うのが最も賢明だと考えています。人間の「驕り」が地球を脅かしているように、経営者の驕りが「会社」を消滅させるのです。

 自然界に台風や大雨、かんばつがあるように、事業経営にも経営危機がつきものです。
 樹木は太い「幹」や大きな「根」を張ってこれに耐えます。経営理念の「幹」に相当するのが、(2)でお話した「使命(ミッション)」、(3)でお話しした「目的地(ビジョン)」そしてこれからお話する「経営信条(クリード)」や「社訓」です。

 経営信条や社訓とは、企業で大切にしている従業者の心構えや指針です。
 たとえば、パナソニックの信条は

「向上発展は各員の和親協力を得るに

非ざれば得難し 各員至誠を旨とし

一致団結社務に服すること」

とあります。


 「経営信条(クリード)」や社訓をさらに踏み込んで、社長からすべての従業者が具体的に判断行動するとき誤らないように助けるのが樹木で言えば「根」に当たる「行動規範(モラルコード)」の役目です。主に、倫理的、道徳的な行動指針を明記しています。

 「行動規範(モラルコード)」を共有することは社風や企業文化につながっています。これを継続することができれば、『長寿幸せ企業』に最も大切な「信用」の蓄積や「ブランド化」に通じていきます。

 逆に行動規範がなかったり、あっても空文化していれば、企業の社会的責任が重要視される昨今においては、財務的に健全・優良企業であっても不祥事を起こせばあっという間に経営危機に陥ります。

 前節(5)「戦術は部下に任せる」で「戦術を伴った計画ができあがれば、あとはその責任者に任せるべきです。」と言いましたが、その時に非常に重要なのが、「行動規範(モラルコード)」です。
 責任者自ら苦労して作成し、認められた戦術であり、計画ですから、彼らはその売上や利益目標を達成しようと精いっぱいの努力をしてくれるはずです。

 しかし、怖いのはその時です。
 彼らが必死になればなるほど、彼らにはその目標や予算しか目に入っていません。徳とか法令の順守は二の次どころか頭の中にさえ存在しないような状態になることがあります。そんな時、企業に「行動規範(モラルコード)」があり、その中で不徳や不法行為が強く諌められており、経営者がこの行動規範を我が社全員の行動ルールだと日々口酸っぱくしており、これを破れば普段おこらない経営者でも烈火のごとく怒る。そのような信条や行動規範を毎朝唱和していれば、度々マスコミを賑わすような企業の不祥事が起き経営危機に陥ることはありません。

 社員が集まる会議やミーティングなどのまえに、最低でも「使命(ミッション)」と「行動規範(モラルコード)」だけは全員はっきりと唱和していただきたい。

 売上目標などを大声でがなりたてている企業が『長寿幸せ企業』になることは絶対ありません。手段を顧みず、売上や利益を追い求めても、行き着く先は

「不義にして富み且つ貴きは我に於いて浮雲の如し。」(「論語」述而第七)
ということになります。ぜひとも、これをやめて「使命(ミッション)」と「行動規範(モラルコード)」の唱和変えていただきたいものです。

 「行動規範(モラルコード)」の大もとは「嘘をつかない」ことです。一度嘘をつくとその嘘をかばうために、次の嘘をつかなければならなくなります。その嘘の連鎖はとどまるところを知りませんので、嘘をついた本人がコントロールできなくなります。

 常態であれば賢明で、徳性の高い経営者でさえ、経営危機の状態になると、どんな手段を使っても会社を守ろうとして嘘をついてしまうことがあります。まさに、「恒産なければ恒心なし」「貧すれば鈍する」の常態です。

 中小・小規模企業の従業員にとって、経営者の言うことは絶対です。毎日社長と一緒に「行動規範(モラルコード)」を唱和していて、その社長がそれに反した行動をとってるのをみて、おかしいいなと思ってもそれを社長に諫言するには大変な勇気が入ります。

「うちの従業員には俺に諫言できるやつは一人もいない。」などとこぼしている経営者こそ問題なのです。

 経営者は従業員に向けて話をする機会には、最初か最後に、「行動規範(モラルコード)」を唱和して、

「もし、私がこれに反する行動をしたり、しようとするときには、お願いですから正してください。」と何度も、何度もお願いすることです。

 ちなみに、私の信条と行動規範は こちら でご覧頂けます。

井上経営研究所のホームページやブログは、起業してはじめて「中小零細企業」の経営者となった方が、

  1. 幾多の経営危機を乗り越えて、変化と原理原則を学ぶんで経営危機から脱出するための「経営救急クリニック」事業

  2. 黒字企業から優良企業、無借金企業になり、『長寿幸せ企業』を目指し、従業員の幸福な生活を支援し、社会に貢献するための「長寿幸せ企業の道」事業

  3. 経営者が会社を安心して去れる「出口戦略」を成功させるための「事業承継・M&A (ハッピーリタイアメント)」事業

 まで、中小零細ファミリー企業の経営者人生の中で起こりうることを想定して構成しています。ご参考にしてください。 

 

次週は

 (8)あなたの企業の「経営理念」から「短期経営計画」までを作成してみよう

です。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は井上経営研究所が発信しています。

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

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第1章(6)戦術は部下に任せる

2016年10月17日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

 (6)戦術は部下に任せる

 「戦術」とは、「戦略」を達成するための、最適の道具や手段・方法を選択することです。
 「戦術」のいちばんの目的は、それらを使って、決められた期限までに、マイルストーンごとの目標数字(売上高、粗利益高、営業利益高、事業数、社員数など)に到達することです。


 上図のスタート(現在地)から①の登山口(ゼロ地点)まで到達するためには、必要な装備や服装を決定し、交通手段も選択しなければなりません。この場合、なんでも選択できるのではなく、参加メンバーの技術や体力も考慮しなければなりませんし、使える資金も上手に配分しなければなりません。


 前図で「第1期中期経営戦略」は既にマイルストーン①(登山口)として明確になっています。ここまで3年計画で到達するのですが、1年毎にたてるのが「短期経営計画」でしたね。 1年目のが計画通りにいっていればいいのですが、当初の戦術では3年目の到達期限から大幅に遅れる場合は、2年目の「短期戦術」においては、参加者のメンバーを変更したり、装備や服装、食料計画まで見直さなければならないかもしれません。

 「経営目標(ターゲット)」の戦略が決定したら、具体的なやり方を決めるのが「戦術」です。
 どのようにして達成するかをはっきりさせる「戦略」は、経営者の仕事「経営者専権事項」ですが、戦術は経営者が口出しせず、部下に任せる度量が必要です。


 松下幸之助や出光佐三1など名経営者と言われる人はこれが実にうまいですね。中小企業の経営者は「何処へ行くのか」だけではなく「どのようにしてそこへ行く」のかまで自分で考え、自分でやろうとしてしまいます。ですから人が育たないのです。

 

 幸之助翕は部下に対してこう言っています。

「戦術は君の自己流で自由にやったらいい。そのほうが君の個性が出てきて面白い。しかし、経営理念や哲学は違うで。経営理念や経営哲学をどこに求めるかで起業の命運が決まる。社長の人生観、企業観、事業感が問われるのや。」2

 

 「出光レポート2014」の「創業者のことば」で出光佐三は「独立自治」についてつぎのように言っています。

一、仕事の上においても、私のみが独立しているのではありません。店員各自が、その持ち場持ち場において独立しているのであります。換言すれば、自己の仕事の範囲では全責任を負い、完全に事務を遂行すべきであります。
一、私生活に公生活に独立自治の大精神を体得し、ここに鍛錬強化された店員が、店全体の方針の下に一糸乱れず一致結束し、団体的総力を発揮するのが、すなわち出光商会であります。

 第(6)節で出光グループの「行動指針」については再度取り上げますが、そのなかの「自己完結」に「任された仕事は、自らの責任と誇りにおいてやり遂げる。」とあります。つまり、つまり、経営理念の下に「戦略」を決定し、その「戦略」の下に、独立自治の精神で各課、各店が知恵を搾り出して「戦術」を考え、「ここに鍛錬強化された店員が、店全体の方針の下に一糸乱れず一致結束し、団体的総力を発揮する」ということです。

また、名経営コンサルタントといわれたは一倉定は

  社員というものは、何か命ぜられると、二言目には「できません」と言う人種である。
 これに負けたら、企業間競争に負けるのだ。あくまでも要求し続けなければならないのである。

 このときに気をつけなければならないのは「できません」と言われた時に「そんなことはない、できる筈だ」と言ってはならないということである。できるかできないかは主観の問題であって、勝負は絶対につかないからだ。

 社員は「できない」と思っているのに「できる筈だ」といっても始まらないのである。社員が「できない」というのは、実は責任逃れの伏線なのである。
つまり、社長に命ぜられたことがもしできなかった時に「だから、あの時できないと申し上げた筈です」と言うためである。

 だから、初めての時には「できるかできないかは、やってみなければ分からないではないか」という説得が肝要である。もしも、以前に試してみてできなかったことをやらせる時には「もう一度新しい工夫をしてみよ」と言ってやらせるのである。

 もう一つ、社員が社長の命令をはねつける伝家の宝刀がある。それは「ムリですよ」という言葉である。これに対しても「ムリではない」というのは、明らかに社長の負けである。ムリかムリでないかは完全な水かけ論であって、決着は絶対につかないからである。

 社員は伝家の宝刀を引き抜いて身構えているのだから、まずこの宝刀を叩き落とさなければならない。これは以外と簡単である。「そうだ、社長もムリと思う」と言えばよい。社員の主張を社長が認めてしまえば、社員はもう何もいうことがなくなるのだ。宝刀を叩き落としたら、今度は、こちらから切り込むのである。「社長もムリを承知で頼むのだ。やってくれ」と。

 これで完全に社長の勝ちである。社長にムリを承知で頼まれたら、もう何も言わずにやってみる外はないのだ。社員が「ムリですよ」というのは、これまた、できなかった時の予防線なのである。それを「ムリではない」といえば、それは「できて当たり前、できなければボンクラだ」といっているのに等しいのである。それでは社員はたまったものではない。「ムリだ」という主張を変えるはずがないのだ。

 「ムリだ」と社長が認めるときには、できなくて当たり前、できたら手柄になるのである。ここのところの「理屈」というよりは「心理」というものを知っていることが大切なのである。

と「一倉定の社長学」 第6巻 「内部体制の確立」3でこう書かれています。

 

 経営者が予算を作成する際、「経営目標(ターゲット)」から各事業ごとに中期、短期の戦略を説明し、それをどのような「戦術」で達成するのかを部下に考えさせ、上がってきた数字を元に再度、短期戦略→中期戦略→長期戦略→「経営目標(ターゲット)」→「目的地(ビジョン)」につながるかをを確認しなければなりません。
 その「戦術」から上がってきた予算が戦略達成にかなわないようなら、再度、各責任者に「戦術」を練りなおして貰う必要があるのです。

 このように、使命やビジョンなど経営理念、戦略、戦術そして行動規範は、ばらばらで存在できるものではなく一体の身体、一本の樹木を構成するするものです。これを確立することができなければ、「長寿幸せ企業」はもとより、「優良企業」であり続けることも不可能なのです。

1出光商会創業者 

2木下親之 「松下幸之助 叱られ問答」 致知出版社 p95

3わが国における経営コンサルタントの第一人者といわれる 「一倉定の経営心得」p206より転載 


井上経営研究所のホームページやブログは、起業してはじめて「中小零細企業」の経営者となった方が、

  1. 幾多の経営危機を乗り越えて、変化と原理原則を学ぶんで経営危機から脱出するための「経営救急クリニック」事業

  2. 黒字企業から優良企業、無借金企業になり、『長寿幸せ企業』を目指し、従業員の幸福な生活を支援し、社会に貢献するための「長寿幸せ企業の道」事業

  3. 経営者が会社を安心して去れる「出口戦略」を成功させるための「事業承継・M&A (ハッピーリタイアメント)」事業

 まで、中小零細ファミリー企業の経営者人生の中で起こりうることを想定して構成しています。ご参考にしてください。 

 

次週は
(7)「信条」と「行動規範」は経営者と社員の行動の判断基準「モノサシ」
  企業の不祥事は、「信条」と「行動規範」で防げる
の予定です。

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第1章(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

2016年10月10日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

 ①「経営目標(ターゲット)」と「長期戦略」の関係

 「経営目標(ターゲット)」と経営戦略の関係をわかりやすくするために、『長寿幸せ企業』を目指す中小企業の経営者をAさんに登場して頂きましょう。
 A社長は40歳のとき、起業をしました。30年後の70歳を後継者に事業承継する年として、「目的地(ビジョン)」を決めています。この「目的地のシーン」を達成するために必要な事業数、社員数、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)などの定量目標を「経営目標(ターゲット)」として設定しました。

 社長在職期間が30年とすれば30年目が「経営目標(ターゲット)」到達期限です。「経営戦略」とはあらかじめ、経営目標地点までどのような道(ルート)を通って到達するのかを決めることです。

 戦略は、長期戦略(10年位)、中期戦略(3~5年)、短期戦略(1年)に分けられることが多いようです。長期戦略期間についてですが、今の時代、変化が早い経営環境下において5年先のことなどもあやふやなのに、10年先の明確な「長期戦略」を細かく決めてしまうのには疑問が残ります。ここであまり細かく10年も先の「長期戦略」を決めすぎると、外部環境の変化などで乖離が大きくなりすぎ、「目的地(ビジョン)」さえも諦めてしまうことになりかねません。


 10年も生きていれば、人生でも経営でも、後期や危機があるのは当然です。「長期戦略」は方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れてなければそれで十分です。

  上の図をご覧ください。A社長が、経営者人生をかけて挑もうとするのは一番手前の山です。ここでは論語から30年を意味する「而立」を借りて、「而立山」と名付けておきましょう。而立山の山頂に到達するのが「経営目標(ターゲット)」です。今は図の左下のスタート地点にいます。ここから30年をかけて而立山登頂の挑戦が始まります。

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。
 続いて、登山口から頂上まで、大きく10年ごとくらいに「長期戦略」キャンプを設定します。30年ですから途中の「第Ⅰ期長期戦略」と「第Ⅱ期長期戦略」の到達地点に2つのキャンプが必要です。山と同じく「合目」でわければ、4合目、7合目くらいです。スタート地点から④(4合目)の第1キャンプまでが「第Ⅰ期長期戦略」の10年間、④(4合目)から⑦(7合目)が「第Ⅱ期長期戦略」の10年間、そして⑦(7合目)から頂上が仕上げの「第Ⅲ期長期戦略」の10年間です。それぞれの「長期経営戦略」を方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れない程度に第1キャンプと第2キャンプまでの「長期経営戦略」と「長期経営計画」を大まかに設定しています。

 ②直近の「中期経営戦略」と「中期経営計画」は【PDCA事業計画書】を活用

 A社長は、而立山登頂まで10年毎に「長期戦略」ポイントのキャンプを2個設置しています。また、30年を3年×10回に分けて、1合目から9合目での3年刻みの「中期戦略」ポイントのマイルストーン1を設置しています(図①~⑨)。 


 これらのマイルストーンごとにあるべき目標数字(売上高、粗利益高、営業利益高、事業数、社員数など)を設定します。中期経営計画の点を結べば、経営目標までどうつながっていくかが見えてきます。この際このグラフのベクトル2が急激に変化するのは避けるべきです。また、一定のベクトルで伸びていくような計画も避ける必要があります。21世紀に入り経営の現場では経営環境の急速な変化があたりまえです。社長の在位年数を平均30年と考えると、このあいだに1、2回は大きな経営危機や変化に対応せざるを得ない時期があると考えなければいけません。


 大きな危機を改善し乗り越えるためには、3年位の期間がなければ健全な状態に戻れないと考えるべきです。経営危機の発見が遅れたり、着手するのに手間取れば3年ではすまないということまで考えられます。30年の経営人生で、マイルストーンを3年設定にすれば、10回の中期経営計画のうち1、2回は膝を曲げて伸びを抑えて、力を蓄える「中期経営戦略」を採らなければいけないということになります。

 A社長は創業して間もないので、最初の3年は、経営体質の改善を「経営目標(ターゲット)」においています。具体的には【経営再建プログラム】3に着手して、「自社月次決算作成」「【PDCA事業計画書】の作成、実行により債務超過を解消」を達成することです。そのため「第1期中期経営計画」は図のスタート(現在地)から①の登山口(ゼロ地点)までの3年3期ということにしています。


 出発から、このマイルストーンの 「中期経営計画」は10回すべてを綿密に作成する必要はありません。必要なのは、直近の「中期経営計画」だけです。 直近の「中期経営計画」は、どのルートを通って、3年後の自社のあるべき数値に到達するのかを明確した「中期経営戦略」を策定するのは中小零細企業経営者のもっとも重要な仕事のひとつです。

 【PDCA事業計画書】については、この章の最終(8)節で詳しくご紹介します。

  

 ③短期経営計画から戦術へ

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。上図で「第1期中期経営戦略」は既にマイルストーン①(登山口)として明確になっています。ここまで3年計画で到達するのですが、1年毎にたてるのが「短期経営計画」です。

 「短期経営戦略」は、1年目は「第1期中期経営戦略」を踏襲して問題ないと思います。しかし、2年目以降の時は悩ましい問題になります。というのも、1年目が計画通りにいっていればいいのですが、現実の経営現場では、そうでない場合のほうが普通です。その場合、それ以降の中期計画を見直し、修正する(ローリングプラン)のか、あくまで当初の通りの計画を貫くか(フィックスプラン)の問題が生じてきます。

 実はどちらを選んでも問題があります。ローリングプランは企業の実態を踏まえて計画書修正していくことができますが、最終的な経営目標との乖離が大きすぎて、最終的な経営目標自体修正せざるを得なくなルケースがでてきます。ということは、目的地(ビジョン)まで変更を余儀なくされることになり、使命(ミッション)も達成することができなくなってしまう恐れまで出てきます。
 フィックスプランは最終的な使命や目的地をしっかりと見据えることができますが、短期経営計画の最終年には急激な売上アップや利益アップなどが必要になり、マイルストーンをつなげるにはどこかで異常値を叩き出す必要が出てきます。そうすると必ずと行っていいほど、後の憂いの原因を作ることにつながっていきます。

 こういう場合、私は、経営者の性格や企業の状態と計画との乖離の程度を判断して、どちらかのプランを選択したり、組み合わせてアドバイスをさせていただいています。

 経営者が自ら判断しなければ行けないときは、
 必ず、
「俯瞰的に」、
「長期的に」、
「本質的(経営理念や道徳的)に」
という「三つのモノサシ」を当てて判断する必要があります。

 

 

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第1章(4)「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」

2016年10月03日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(4)「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」

 「目的地(ビジョン)」は定性目標1とお考えください。「目的地(ビジョン)」を数字に落とし込んだものが「経営目標(ターゲット)」で、「経営目標(ターゲット)」は金額や数値で表せる定量目標2です。

 この後、この「目的地のシーン」を達成するために必要な事業数や社員数を設定します。これが「経営目標(ターゲット)1」です。次に「目的地のシーン」の大まかなBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)を策定し、その中の重要項目の指数や金額が「経営目標(ターゲット)2」となります

 私の顧問先の俯瞰塾3会員企業は【『長寿幸せ企業』版PDCA事業計画書】を作成されていますが、彼らの多くは「自己資本比率」、「経常利益額」、「売上高営業利益率」それにその結果としての「売上高」を「経営目標(ターゲット)」にされています。その他に「研究開発費額」や「社員平均年齢」、「一人あたり営業利益高」などをターゲットとされている方もおられます。

 「目的地(ビジョン)」の「経営目標(ターゲット)」が決まれば、次は現在まで逆算してマイルストーンを置いていきます。経営者の現在の年齢によって違ってきますが、来期から、「目的地(ビジョン)」や「経営目標(ターゲット)」の最終到達地点、つまり社長引退の年までが「経営目標(ターゲット)」設定の期間です。

 今40歳で、70歳引退であれば、ターゲット期間は30年ということになります。20世紀なら、5年毎にマイルストーンを置くべきなのでしょうが、環境の変化がドッグイアーを遥かに凌ぐ今、マイルストーンは50歳、43歳、41歳で十分だと思います。

 つまり、短期経営目標が1年、中期経営目標が3年ということになります。長期経営目標は10年ですが、これはあくまでもアバウトで結構です。いや逆にアバウトぐらいの方がいいと思います。勿論経営者の性格によって違ってきますが、毎年長期経営目標やこのあとお話する長期戦略を練り直して、頭を抱えこんでいる生真面目すぎる経営者も散見されます。いい加減なようですが、最終到達経営目標と中期経営目標をグラフで結んだ線上の近くにあれば、それで十分です。ベクトル(方向)が合っていれば、来期又チェックすればいいのです。

 ここから、どのようにしてそれらを達成していくのかを決めるのが「戦略」です。これは経営陣の専権事項であって管理職に任せてはいけません。
 具体的には、事業ごとの市場や顧客を明確にし、どの商品やサービスを選択・集中をさせて、ターゲットとして設定した「自己資本比率」、「経常利益額」、「売上高営業利益率」、「一人あたり営業利益高」を達成していくことをきめることです。

 そこからさらに、これらの戦略目的を達成するための具体的な方法、つまり「戦術」へとつながっていくのです。

 このつながりをきちんとしておかないと、求めていること(「目的地(ビジョン)」)とやっていることが違ったものになって、二宮尊徳のいうところの
「瓜を植えて茄子を求めるまちがいをするな」ということになるのです。

1 数字で表せないような質的な目標
2 数字で表せる量的な目標
3 俯瞰塾は井上経営研究所の【経営再建プログラム】を終了された会員企業で、『長寿幸せ企業』をめざす中小企業経営者のための「経営実学」の実践学習塾です。会員以外の方でも、「初回問診」や「面談による無料経営相談」で審査基準をクリアできれば入塾できます。


  
次週は 
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第1章(3)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか? その②明確な「目的地(ビジョン)」

2016年09月25日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(3)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか? 
その② 明確な「目的地(ビジョン)」


 私はビジョンを「目的地」と表していますが、正確には「目的地のシーン」、つまりビジョンを達成したときの企業の状態です。
 あなたが二代目や三代目など事業承継者として経営トップに着いた。その強い「使命(ミッション)」をお持ちのあなたが次期社長にその座を譲る時までに、あなたが理想とする会社や事業がどんな規模や状態で、そこで働いている社員がどんな様子であって、「使命(ミッション)」がどのように達成されているかなど「会社のなりたい姿」を言葉や文章で表現したものが「目的地(ビジョン)」です。
 できればそのシーンにあなたの会社が扱っている商品やサービスやそれらを買ってくださるお客様の笑顔が描け、次世代にバトンタッチできるような『長寿幸せ企業』の道が続いていれば最高ですね。
 「熱意」が強ければ、絵には描けなくても、目を閉じればまぶたの上にその絵がはっきりと見えてくるものです。超一流のスポーツ選手が常に金メダルや優勝メダルやを首にかけてもらうシーンを思い描くということをよく耳にしますが、それと同じです。

 売上高などの数字やお金は「目的地(ビジョン)」を達成するために必要な金額や数字であるはずです。詳しくは次回お話しますが、「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」なのです。

 「人生は重荷を背負うて坂道を行くが如し」という徳川家康の言葉がありますが、人生の一部である会社経営も恐ろしいくらい沢山の試練や危機の連続です。山を登ってやっとの思いで峠を越えたと思ったら、もう次の高い山が目の前に現れます。海を泳いで渡ろうとしたら、一つの大きな波を超えても小さな波が次から次からやってきて、その先にはまた大きな波が潜んでいます。トップであるあなたはそのつど判断し、決断して、会社を引っ張っていかなければなりません。

 あなたが何処へ行こうとしているか「目的地(ビジョン)」がはっきりしていれば、近くの里山に登る準備をするのに、富士山に登る服装や装備を持っていったり、その逆をやってしまったりするようなことはありません。
 里山に重装備で行くのであれば余分な苦労が伴うだけで済むかもしれませんが、目的地を明確にせずに、河口湖にドライブに来たついでに富士山に雨具や防寒具、予備食なしで登り、悪天候にでも遭遇すれば死に至る可能性まであります。富士山に登るという前提で、準備をすれば死(倒産)に到る確立は非常に低くなります。
 登山や旅行はきちんと目的地を決めていくのに、会社経営に「目的地(ビジョン)」を決めていかないのはおかしいと思いませんか。登山でも「そこに山があるから」登って遭難では済まされません。会社を経営するのに「そこに会社があるから」で経営されてはたまったものではありません。しかし、現実には「何のためにどこに向かって行く」のかを決めなくて闇雲に経営されている中小零細ファミリー企業経営者が多くおられます。

 強い「使命(ミッション)」や明確な「目的地(ビジョン)」に、この後お話する「信条(クリード)」や「行動規範(モラルコード)」などの経営理念があれば、問題がおこった時の対処方法も適切なものになります。 経営判断には短期的には正しくても、長期的にみると間違っていたということも往々にしてあります。
 経営理念があれば、その場、その時の損得や好き嫌い、他人のアドバイスで経営判断してしまう危険を避けることが出来るのです。

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は毎週月曜日に発信しています。次週は (4)「目的地(ビジョン)」を数字で表現したものが「経営目標(ターゲット)」 です。

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第1章(2)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか?その ①強い「使命(ミッション)」

2016年09月19日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方

(2) あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか? 
その① 強い「使命(ミッション)」

 経営理念の柱は「使命(ミッション)」です。「使命(ミッション)」とは、企業が何のために世の中に存在するのかを明確にするためのもの、企業の存在理由です。
 例えば、パナソニックは昭和4年に松下幸之助が制定して以来、現在に至るまで
「私達の使命は、生産・販売活動を通じて社会活動の改善と向上を図り、世界文化の進展に寄与すること。」
とあります。
 京セラは創業者稲盛和夫の
全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること。
 非上場長寿企業の代表YKKは創業者吉田忠雄さんの
「『善の循環』他人の利益を図らずして、自らの繁栄はない」
などが私の言う企業の「使命(ミッション)」です。

 「使命(ミッション)」は機織りで言えば、縦糸です。
 正しくは「経糸」と書きます。横糸は「緯糸」と書きます。機織りの縦糸は基本的に幅も色も変わりません。そこに各世代ごとの経営者が違う色の横糸を織り込んで、その社長の「目的地(ビジョン)」の模様である織物を創りあげるのです。縦糸そのものが弱かったり、張り方が弱かったらまともな織物は出来ません。経糸を通す段階で、何のために、何をおろうとするのかを決めておかなければ、緯糸をどんなよいものを使ってもお客様に認めてもらえるものは完成しません。
 「経」は旧字体では「經」でまさに機織り機に縦糸を張っているであるのがわかります。経路、経度、経緯、経済、経営、経費、経常、経験など、「経」を使っている熟語を私たちはたくさん使っています。
 「経済」は「経世済民」の略語で、世の中を治めて民衆をすくうことだということは多くの経営者がご存知ですね。それでは、経営者である私たちは、経営において日常的に使用している、「経営」、「経理」、「経費」の語源や本当の意味を知って経営に携わっているのでしょうか?
「新字源」1を開いてみますと
「経営」: ①土地を測量して建物や町を造る計画を立てる。②事業を営む
「経理」: ①治め整える。また、そのすじ道。③常理。不変の法則。
「経費」: ①普段必要とする決まった費用。経常の費用
とあります。
 普段必要としない無駄な経費を使い、経理は税理士に丸投げして前月どころか数カ月前の試算表もわからないで業績が芳しくない経営者には耳が痛い意味ですね。

 『長寿幸せ企業』を研究し、実践のお手伝いを続けていると、「使命(ミッション)」を芯とする「経営理念」が明確でない企業や、口先や社長室の額に掲げているだけでだけで、それに従った経営をしていていない企業は消滅していくと断言できます。
 経営者が、わが社はこの「使命(ミッション)」を達成し、継続し続けるために、世の中に無くてはならない存在であり続けなければならないという強烈な「熱意」と「徳性」を持っているから、どんな困難にも立ち向かっていけるのです。
 「熱意」を支え続けるのは強い使命感です。くしくも、

松下幸之助は、「知恵の出る公式」として
「知恵=知識×『熱意』+経験」と言われ、
稲盛和夫は
「仕事の結果=考え方×『熱意』×能力」と表現されています。

 

 このブログ、「中小零細ファミリー企業版 『長寿幸せ企業』の実践経営事典2017」は毎週月曜日に発信しています。次週は (2)あなたの会社は何のために存在し、何処へ行こうとしているですか?その② 明確な「目的地(ビジョン)」 です。

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1角川学芸出版 「角川新字源改訂版」 小川環樹 西田太一郎 赤塚忠 編

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

 

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 

 1.「経営救急クリニック

 

 

 2.「長寿幸せ企業への道

 

 

 3.「事業承継・M&A

 


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第1章あなたは何のために、何処に行きたいのか(1)「経営理念(フィロソフィー)」は企業のすべての判断や行動の大本になるもの

2016年09月11日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

章 あなたは何のために、何処に行きたいのか ー経営理念・行動規範のつくり方

(1)「経営理念(フィロソフィー)」は企業のすべての判断や行動の大本になるもの

 「経営理念(フィロソフィー)」とは何でしょうか?
 「企業理念」「使命(ミッション)」「目的地(ビジョン)」「行動規範(モラルコード)」「信条(クリード・クレド)」「社是・社訓」など、会社によって使い方や組み合わせはそれぞれです。
 「理念」を広辞苑で調べてみますと「理性から得た最高の概念で全経験を統制するもの」とあります。そうすると、「企業理念」や「経営理念」は企業や経営においてすべての行動の大本となるものと考えても間違いないでしょう。
 私が経営再建の現場で『経営再建プログラム』を終了して『俯瞰塾』に入会された会員様と最初にお手伝いさせていただく仕事は、企業が何のために存在するかという「使命(ミッション)」や何処へ行くかという「目的地(ビジョン)」を柱とする「経営理念(フィロソフィー)」の再構築と「信条(クリード・クレド)」、「行動規範(モラルコード)」への落とし込みです。
 「経営理念(フィロソフィー)」が明確でない企業が『長寿幸せ企業』であることは絶対にありえないと確信しています。それどころか経営環境の変化の厳しい現代においては、これらを持っていない企業が健全な状態で10年以上存続することさえ難しいと思います。

 学術的に正しいかどうかわかりませんが、私は会員様に『経営理念』とは、

  1. 企業が何のために存在するのかを明確にする「使命(ミッション)」

  2. 現経営者が経営人生の最終到達地としてめだす目的地がどういう状態であるかを文章で描く「目的地(ビジョン)」

  3. ②を達成するためにおおまかな必要な数字を「経営目標(ターゲット)」

  4. ①から③の計画・実行・判断を支える「行動規範(モラルコード)」や「信条(クリード)」

以上をひっくるめたもので、これから正常企業から優良企業、さらに『長寿幸せ企業』を目指す上ですべての判断や行動の大本になるものだと申し上げています。

 ①~④を包括した「経営理念」が明確になってはじめて、「目的地(ビジョン)」へ行くための準備や長期的計画である「戦略」やその戦略目的を達成するための具体的な方法、つまり「戦術」が構築されるのです。

 経営理念といえば、ジョンソン・エンド・ジョンソンの「我が信条(Our Credo)」の思い浮かべます。1887年創業の長寿企業でありながら、2015年の時価総額ランキング(注1)で依然として8位にランキングされています。1位のアップルなど上位100社にはマイクロソフト、サムスン、テンセント、フェースブック、アマゾンなど急激に拡大した企業が名を連ねています。しかし私はこれらの躍進企業が10年後、20年後にまだランキングに残っている可能性はジョンソン・エンド・ジョンソンやGE、プロクター・アンド・ギャンブルなどの長寿企業より遥かに少ないと思います。
 その違いは明確な理念があるかどうかと、経営理念で明確に企業の使命と行動規範が示されているからです。「中小零細企業」でも長寿になると同じですが、ジョンソン・エンド・ジョンソンも130年の間に企業を破綻に追いやるような大きな事件や不祥事も度々起っています。そこを乗り越えるのに必要な物が経営理念とくに使命と信念・行動規範です。ジョンソン・エンド・ジョンソンのタイレノール毒物混入事件(注2)は有名ですが、これを乗り越えられたのも経営理念「我が信条(Our Credo)」があったからです。

じっくとお読みください。その後、あなたの会社の経営理念についてもう一度考えてみましょう。

 

「我が信条(Our Credo)

我々の第一の責任は、我々の製品およびサービスを使用してくれる医師、

看護師、患者、そして母親、父親をはじめとする、すべての顧客に対する

ものであると確信する。顧客一人一人のニーズに応えるにあたり、我々の

行なうすべての活動は質的に高い水準のものでなければならない。適正な

価格を維持するため、我々は常に製品原価を引き下げる努力をしなければ

ならない。顧客からの注文には、迅速、かつ正確に応えなければならない。

我々の取引先には、適正な利益をあげる機会を提供しなければならない。

 

我々の第二の責任は全社員―世界中で共に働く男性も女性も―に対する

ものである。社員一人一人は個人として尊重され、その尊厳と価値が認め

られなければならない。社員は安心して仕事に従事できなければならない。

待遇は公正かつ適切でなければならず、働く環境は清潔で、整理整頓され、

かつ安全でなければならない。社員が家族に対する責任を十分果たすことが

できるよう、配慮しなければならない。社員の提案、苦情が自由にできる

環境でなければならない。能力ある人々には、雇用、 能力開発および昇進の

機会が平等に与えられなければならない。我々は有能な管理者を任命

しなければならない。そして、その行動は公正、かつ道義にかなったもので

なければならない。

 

我々の第三の責任は、我々が生活し、働いている地域社会、更には全世界の

共同社会に対するものである。我々は良き市民として、有益な社会事業

および福祉に貢献し、適切な租税を負担しなければならない。我々は社会の

発展、健康の増進、教育の改善に寄与する活動に参画しなければならない。

我々が使用する施設を常に良好な状態に保ち、環境と資源の保護に努め

なければならない。

 

我々の第四の、そして最後の責任は、会社の株主に対するものである。

事業は健全な利益を生まなければならない。我々は新しい考えを試み

なければならない。研究・開発は継続され、革新的な企画は開発され、

失敗は償わなければならない。新しい設備を購入し、新しい施設を整備し、

新しい製品を市場に導入しなければならない。逆境の時に備えて蓄積を

おこなわなければならない。これらすべての原則が実行されてはじめて、

株主は正当な報酬を享受することができるものと確信する。(注3)

(注1)フィナンシャル・タイムズ・グローバル500

(注2)1982年に米国シカゴで第三者がタイレノール(頭痛薬)に毒物を混入し7人が死亡した事件

(注3)ジョンソン・エンド・ジョンソンのHP企業情報より転載

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 1.「経営救急クリニック

 2.「長寿幸せ企業への道

 3.「事業承継・M&A


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井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。 ●企業再生コンサルタント   ●論語指導士(論語教育普及機構認定資格) ●M&Aシニアエキスパート(一般社団法人金融財政事情研究会認定資格) ●事業承継・M&Aエキスパート(同)

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。