永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

第1章(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

2016年10月10日 | 第1章 経営理念・行動規範のつくり方

第1章 経営理念・行動規範のつくり方 

(5)「経営目標(ターゲット)」をどのようにして達成するか、やりかたをはっきりさせるのが「戦略(ストラテジー)」

 ①「経営目標(ターゲット)」と「長期戦略」の関係

 「経営目標(ターゲット)」と経営戦略の関係をわかりやすくするために、『長寿幸せ企業』を目指す中小企業の経営者をAさんに登場して頂きましょう。
 A社長は40歳のとき、起業をしました。30年後の70歳を後継者に事業承継する年として、「目的地(ビジョン)」を決めています。この「目的地のシーン」を達成するために必要な事業数、社員数、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)などの定量目標を「経営目標(ターゲット)」として設定しました。

 社長在職期間が30年とすれば30年目が「経営目標(ターゲット)」到達期限です。「経営戦略」とはあらかじめ、経営目標地点までどのような道(ルート)を通って到達するのかを決めることです。

 戦略は、長期戦略(10年位)、中期戦略(3~5年)、短期戦略(1年)に分けられることが多いようです。長期戦略期間についてですが、今の時代、変化が早い経営環境下において5年先のことなどもあやふやなのに、10年先の明確な「長期戦略」を細かく決めてしまうのには疑問が残ります。ここであまり細かく10年も先の「長期戦略」を決めすぎると、外部環境の変化などで乖離が大きくなりすぎ、「目的地(ビジョン)」さえも諦めてしまうことになりかねません。


 10年も生きていれば、人生でも経営でも、後期や危機があるのは当然です。「長期戦略」は方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れてなければそれで十分です。

  上の図をご覧ください。A社長が、経営者人生をかけて挑もうとするのは一番手前の山です。ここでは論語から30年を意味する「而立」を借りて、「而立山」と名付けておきましょう。而立山の山頂に到達するのが「経営目標(ターゲット)」です。今は図の左下のスタート地点にいます。ここから30年をかけて而立山登頂の挑戦が始まります。

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。
 続いて、登山口から頂上まで、大きく10年ごとくらいに「長期戦略」キャンプを設定します。30年ですから途中の「第Ⅰ期長期戦略」と「第Ⅱ期長期戦略」の到達地点に2つのキャンプが必要です。山と同じく「合目」でわければ、4合目、7合目くらいです。スタート地点から④(4合目)の第1キャンプまでが「第Ⅰ期長期戦略」の10年間、④(4合目)から⑦(7合目)が「第Ⅱ期長期戦略」の10年間、そして⑦(7合目)から頂上が仕上げの「第Ⅲ期長期戦略」の10年間です。それぞれの「長期経営戦略」を方向(ベクトル)と道(ルート)が大きく外れない程度に第1キャンプと第2キャンプまでの「長期経営戦略」と「長期経営計画」を大まかに設定しています。

 ②直近の「中期経営戦略」と「中期経営計画」は【PDCA事業計画書】を活用

 A社長は、而立山登頂まで10年毎に「長期戦略」ポイントのキャンプを2個設置しています。また、30年を3年×10回に分けて、1合目から9合目での3年刻みの「中期戦略」ポイントのマイルストーン1を設置しています(図①~⑨)。 


 これらのマイルストーンごとにあるべき目標数字(売上高、粗利益高、営業利益高、事業数、社員数など)を設定します。中期経営計画の点を結べば、経営目標までどうつながっていくかが見えてきます。この際このグラフのベクトル2が急激に変化するのは避けるべきです。また、一定のベクトルで伸びていくような計画も避ける必要があります。21世紀に入り経営の現場では経営環境の急速な変化があたりまえです。社長の在位年数を平均30年と考えると、このあいだに1、2回は大きな経営危機や変化に対応せざるを得ない時期があると考えなければいけません。


 大きな危機を改善し乗り越えるためには、3年位の期間がなければ健全な状態に戻れないと考えるべきです。経営危機の発見が遅れたり、着手するのに手間取れば3年ではすまないということまで考えられます。30年の経営人生で、マイルストーンを3年設定にすれば、10回の中期経営計画のうち1、2回は膝を曲げて伸びを抑えて、力を蓄える「中期経営戦略」を採らなければいけないということになります。

 A社長は創業して間もないので、最初の3年は、経営体質の改善を「経営目標(ターゲット)」においています。具体的には【経営再建プログラム】3に着手して、「自社月次決算作成」「【PDCA事業計画書】の作成、実行により債務超過を解消」を達成することです。そのため「第1期中期経営計画」は図のスタート(現在地)から①の登山口(ゼロ地点)までの3年3期ということにしています。


 出発から、このマイルストーンの 「中期経営計画」は10回すべてを綿密に作成する必要はありません。必要なのは、直近の「中期経営計画」だけです。 直近の「中期経営計画」は、どのルートを通って、3年後の自社のあるべき数値に到達するのかを明確した「中期経営戦略」を策定するのは中小零細企業経営者のもっとも重要な仕事のひとつです。

 【PDCA事業計画書】については、この章の最終(8)節で詳しくご紹介します。

  

 ③短期経営計画から戦術へ

 既に山頂までのルートは「経営戦略」として地図上に描かれています。上図で「第1期中期経営戦略」は既にマイルストーン①(登山口)として明確になっています。ここまで3年計画で到達するのですが、1年毎にたてるのが「短期経営計画」です。

 「短期経営戦略」は、1年目は「第1期中期経営戦略」を踏襲して問題ないと思います。しかし、2年目以降の時は悩ましい問題になります。というのも、1年目が計画通りにいっていればいいのですが、現実の経営現場では、そうでない場合のほうが普通です。その場合、それ以降の中期計画を見直し、修正する(ローリングプラン)のか、あくまで当初の通りの計画を貫くか(フィックスプラン)の問題が生じてきます。

 実はどちらを選んでも問題があります。ローリングプランは企業の実態を踏まえて計画書修正していくことができますが、最終的な経営目標との乖離が大きすぎて、最終的な経営目標自体修正せざるを得なくなルケースがでてきます。ということは、目的地(ビジョン)まで変更を余儀なくされることになり、使命(ミッション)も達成することができなくなってしまう恐れまで出てきます。
 フィックスプランは最終的な使命や目的地をしっかりと見据えることができますが、短期経営計画の最終年には急激な売上アップや利益アップなどが必要になり、マイルストーンをつなげるにはどこかで異常値を叩き出す必要が出てきます。そうすると必ずと行っていいほど、後の憂いの原因を作ることにつながっていきます。

 こういう場合、私は、経営者の性格や企業の状態と計画との乖離の程度を判断して、どちらかのプランを選択したり、組み合わせてアドバイスをさせていただいています。

 経営者が自ら判断しなければ行けないときは、
 必ず、
「俯瞰的に」、
「長期的に」、
「本質的(経営理念や道徳的)に」
という「三つのモノサシ」を当てて判断する必要があります。

 

 

 井上経営研究所(代表 井上雅司)は2002年から、「ひとりで悩み、追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、中小企業・小規模零細ファミリー企業を対象に

 

  1. 赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業の経営再建や経営改善をお手伝いする「経営救急クリニック」事業
  2. 再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、無借金優良企業にまで一気に生まれ変わらせ、永続優良企業をめざす「長寿幸せ企業への道」事業
  3. 後継者もおらず「廃業」しかないと思っている経営者に、事業承継の道を拓くお手伝いをし、「廃業」「清算」しかないと思っている経営者に、第2の人生を拓く「最善の廃業」「最善の清算」をお手伝いする「事業承継・M&A・廃業」事業

 

 に取り組んでいます。詳しくはそれぞれのサイトをご覧ください。 

 

 1.「経営救急クリニック

 

 

 2.「長寿幸せ企業への道

 

 

 3.「事業承継・M&A

 



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