「入るを量りて、出ずるを制す」
は四書五経の五経のひとつ礼記の言葉ですが、それよりも二宮金次郎がよく使った言葉として知られています。
また、稲盛和夫さんがJAL再生を引き受けられた時の記者会見でこの言葉を使われてその決意を述べられたことが記憶に新しいですね。
それでは、「入るを量りて出ずるを制す」とはどういうことを言うのでしょうか。
「入る」とは外部から会社に入ってくるお金のことで、「出ずる」は会社から外部に出ていくお金のことです。
勘定科目で言えば、
「入る」は「売上」や「受取利息」など、
「出ずる」は「仕入」や「販売・一般管理費」、「支払利息」などになります。
つまり、「入るを量りて出ずるを制す」とは、
入ってくるお金を正確にとらえて、
出て行くお金を制限して減らしていくことです。
「そんなことあたりまえじゃないか」と思われるかわかりませんが、経営再建の現場に入ると、多くの経営者は「入るを増やして」ばかり腐心されています。
京セラの稲盛和夫さんが2010年に日本航空の再建を引き受けられた時の最初の記者会見で
「経営は『入るを量りて出ずるを制す』が原点だ」
と断じておっしゃられたときさすがだなと感嘆しました。
二宮尊徳はこれを「分度」という言葉で表現しています。
どんな財政の再建でも、その基本は、「入るを量って、出ずるを制す」である。
「入るを量る」ことが出来なければ、「出ずるを制す」しか方法がない。「分度」とは言ってみれば、「自己の能力を知り、それに応じた生活の限度を定めること」である。
「わたしのやり方は、質素、倹約を旨とし、それによって余剰を生み出し、その余剰で他人の苦難を救い、それぞれが刻苦精励して、家業に励み、善行を積んで悪行はなさず、よく働いて、一家の安全をはかるというやり方である。どの家もこのように努力すれば、貧しい村も豊かになり、滅亡寸前の村も必ず復興できる。」
以上は、「二宮金次郎の一生」(三戸岡道夫著 栄光出版社)からの抜粋ですが、まさに経営再建、企業再生の真髄を捉えています。
一般的な再建再建プログラムが「一時しのぎ」に始終するのは、まさにこの基本的な原理原則を「芯柱」にしていないからです。
既存のやり方で前年以上に頑張って働いても、「入る」は減るのが当たり前の経営環境のなかでは、「辻褄合わせ」や「ゴールシーク」で予算を作るから、結果的に赤字の垂れ流しが続くのです。
経営再建ではまずは、「出るを制す」予算を作成し、「余剰」「分度外」を生みだすことに注力することです。
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