永続優良企業への「変化と継続」井上経営研究所

中小零細ファミリー企業版『長寿幸せ企業』の実践経営事典2019
なぜあの会社が短期間で無借金会社に生まれ変わったのか?

井上雅司の経営相談申込カレンダー

中小零細企業経営の原理原則

2012年12月16日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵
 中小零細企業の再生・再建に関わって十年あまりの月日が過ぎました。
過日、10年ぶりにホームページを大幅に模様替えしました。そのさい、ホームページ開設以来ほとんど加筆修正されていない部分を、再検討してみました。この十余年の間に関与させていただいた中には、
  1. 再生・再建がうまくいって健全企業化できた会社、
  2. 健全企業化できたのみではなく、無借金企業など優良企業にまでのぼりつめた会社、
  3. 再生・再建を諦め、会社を清算や廃業させて、今は幸せな第二の人生を歩んでいる経営者

がある一方、

  1. 健全企業化できたのに、また元の状態に戻ってしまった会社、
  2. 再建プログラムを途中で挫折して、「最悪の倒産」に至ったしまった会社、
  3. 同じく、音沙汰がなくなった会社
などその結末は多岐にわたります。
 
 もちろん私の力が及ばなかったことも一因だと自戒してはいますが、再建プログラムの途中で音沙汰がなくなった企業を除いて振り返ってみますと、この会社は棺桶の蓋が開いているどころか、もう体が棺桶に入っている状態で、私の力では再生・再建は不可能に近いと思っていた企業が不死鳥のごとく蘇ったケースがある一方、この会社はひと通り再建プログラムをやってもらえばほぼ100%再生できると思っていた企業が何年たっても経営危機状態から抜け出せないばかりではなく、じわじわとその財務状態が悪くなってしまったケースがありました。
 
 再建プログラムのスキームは100社あれば100社とも違いますが、基本的な戦略は大きく変わりありません。
 それは、経営の原理原則に戻ることです。
 経営危機に陥った企業が健全企業化できたのみではなく、無借金企業など優良企業にまでのぼりつめることができるのは、再建プログラムの期間に身についた経営の原理原則を行動に移すことを「習慣化」できた結果に過ぎません。
 一度健全企業になった会社が、再び悪くなるのは「奢り」を忘れたことと「習慣化」できなかったことに原因があります。
 
 今後は、このブログで、私の十余年にわたる、再建・再生から優良企業化、さらに『長寿幸せ企業』へのお手伝いを通して確信した、中小零細企業が学び、実践し続けなければならない経営の原理原則と実践的対策について整理してお伝えしたいと思います。
 ブログタイトルを「箴言から学ぶ『長寿幸せ企業』経営の原理原則と実践的対策」にしようと思ったのですが、長すぎるのでとりあえず、 「箴言から学ぶ『長寿幸せ企業』への道」としてスタートさせます。
 
 まずは、来年1月から、少しずつでも
継続できるようにして、「習慣化」させていこうと決めていますので、長く投稿れないときは、是非お叱りの言葉を頂きたいと思います。
コメント

「何のために」「何処へ行きたいのか?」その3

2010年11月19日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第8回

「何のために」「何処へ行きたいのか?」その3


それはあなたの「人生観」すなわち生きていく上での価値観です。「人生観」において何を最優先するかということです。その優先順位によって、経営判断は違ってきます。 

一般的な価値観は

(1) 家族が幸せであること

(2)仕事で成功して金持ちになること

(3)趣味に没頭すること

(4) ボランティアなどで世の中の役に立つこと

というところでしょうか。

ちなみに私は

最優先が(1)で、(2)で金持ちまで望まなくて「恒産なければ恒心なし」程度の「ほどほどのお金」を持ち、死の直前まで(4)と(3)を極めたいというところでしょうか。

実はこの価値観をはっきりしてさせておかないで、「何処に行きたい」のかを決めてしまうと人生において後悔することになるケースがあります。

よくあるケースですが、「自分が会社の売り上げを支えている割に、給与や評価が低い。ここは脱サラして会社の鼻をあかして(2)をめざそう。」と一念発起、家族はもし失敗したらと心配するが、「退職金の一部しか投資しないし、必ず成功させるから、何の心配も要らないよ。」と起業してしまします。

ところが、いくら営業や開発が得意でも経営のことは損益計算書くらいしかわからない経営者がそう簡単にいくほど世の中は甘くありません。

まったく売れなければさっさと手を引いて投資した金額を失うだけですむものが、なまじそこそこ売れているから余計間違ってしまいます。損益計算書では回転差資金がマイナスであることなどに気付かず、少しの赤字だから、もう少し売れさえすれば楽になる。もう少し資金を投入すれば安定すると錯覚してしまいます。

そんな調子ですから、あと数十万円あればが、あと数百万あればとなり、気がつけば預貯金は底を突いてしまいます。この頃から今までがんばれと応援していてくれた奥さんや家族との言い争いになり、余計に意地でも会社をつぶさないようにとさらに売り上げと借入ばかりを追い求めるようになります。

最後には家族の反対を押し切るか無視して、自宅を担保に借入を起こします。また、連帯保証が必要になり、「絶対迷惑をかけない」からと親戚や友人に判子をついてもらい追加の借入をします。こうして【負の連鎖】の道を転げ落ち、気がつけば「最悪の倒産」の一歩手前で、二進も三進もいかなくなってしまっています。

多くの場合、経営者の優先順位は(2)→(1)などではなく、(1)→(2)ですから、起業するときに(1)を壊すような判断はしないというしっかりとした「ものさし」を持って判断にあたらなければなりません。

最初に預貯金を入れる段階で、最低でも

1)  営業利益がでているか

2)  営業利益が出る見込みがあるか

3)  営業利益が出るのであればキャッシュフローの改善が出来るか

を検討してみる必要があるはずです。今後営業利益が出る見込みがないならさっさと廃業するべきです。

また「ものさし」をきちんと持っていれば、お金を借りるときでも、(1)を破壊するような自宅を担保に入れたり、連帯保証を友人や親戚に頼んダリすることはありません。

私は金融機関が「この条件ではあなたにはお金を貸せませんよ」と言ってくれるのは、判断のチャンスを与えてくれているのであって、「貸さない親切」だと感謝するべきだとさえ思っています。

追加担保や連帯保証人をつけるときは、そうしても一生後悔しないか「ものさし」をあてて判断することです。

「借りる」ことのみを結論としているからおかしくなるのです。頭から「借りる」ということを前提にするのではなく、借りることが出来なければ、選択肢は何があるのかを考えれば、ひとつでは解決できなくても、いろいろな対策を駆使することにより解決策は必ず見えてきますし、どうしてもなければいったん会社をあきらめ、資金を蓄えながら、経営を学び、捲土重来を期すべきです。 

これが、登山に例えるとチョモランマ登頂クラスの事業を「何処」に設定した場合でしたら、起業する段階で、預貯金はいうまでもなく、自宅などいつでも売却する覚悟で望むべきです。

奥さんや家族を植村直巳氏の奥さんのように、夫の目的を人生の最優先にするくらいの理解者、協力者に出来ないくらいなら、大事業など達成することは絶対に出来ません。 

夏の富士登頂(冬はとてつもなく難しい)を目指していたのに下山してみれば、自宅も何にもなかったなどということをやっている経営者が実際は多いのです。

結果として、あなたが最も優先する「人生観」すなわち生きていく上での価値観を無意識のうちに捨てたという後悔の念に駆られます。 

ちなみに私の人生のテーマは「決断において、後悔しないこと」です。

コメント

「何のために」「何処へ行きたいのか?」その2

2010年11月19日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第7回

「何のために」「何処へ行きたいのか?」その2


この「ものさし」の目盛は会社の「経営目標」や「ビジョン」によって目盛の幅が違います。経費削減対策で詳しく説明しますが経営危機に陥ったときの「ものさし」からは

         今まで使っていたから今年も使う

        領収書を渡せば、経理は黙ってお金を払う

などという目盛は消え、代わりに

        この経費を使わなければ売り上げが落ちる。

        この経費を使わなければ利益が落ちる。

        この経費を使わなければ安全や信用に関わる。

以外の経費はすべてゼロという非常に目盛の幅が小さい「ものさし」を使って、予算を作成し、実行していかなければなりません。

問題が起こったときや迷ったときは、「何のために、何処に行きたいのか」そのために「何を準備して、どういう手段で」いくのかがはっきりしているのですから、その問題を俯瞰的に捉えることによりその解決方法はおのずと限られてきます。

資金繰りが苦しいときに、赤字の決算ではお金を借りられないから粉飾した決算書を金融機関に提出するかどうか迷うときも、目先のお金の問題処理だけしか見えないから、「それ以外ないじゃないか」と自分を説得して間違った選択をして後悔する事になります。

俯瞰的に見ると

        これからは毎年うその決算書を作成することになる

        うその決算書をみて経営判断を誤る可能性がある

        払わなくてもよい税金を払い、余計に資金繰りが苦しくなる

それよりもまともな経営者であれば

        うその決算書の説明にうそを塗り重ねる自分が嫌で嫌でたまらなくなる

などということは簡単にわかります。

 

「何のために」という「経営理念(哲学)」「使命(ミッション)」に基づいた「何処に行きたいのか」という明確な「経営目標」や「ビジョン」がある「幸せ会社」であれば、目先の損得よりも善悪を優先する選択をするのに何も迷わないのは当然なのです。

 

実は経営において、「経営理念(哲学)」「使命(ミッション)」や「経営目標」や「ビジョン」よりも優先すべきものがあります。

それはあなたの「人生観」すなわち生きていく上での価値観です。「人生観」において何を最優先するかということです。その優先順位によって、経営判断は違ってきます。 

(その3に続く)

コメント

「何のために、何処に行きたいのか」その1

2010年11月19日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第6回 

「何のために、何処に行きたいのか」その1


 【緊急支払い検討表】が一息ついたものとして、このカテゴリーのテーマ「その『知識』と『知恵』」(下記)の本題2の①に戻ります。

[予定している目次]

 1、(はじめに)「幸せ会社」とは?

2、「何のために」「何処へ行きたいのか?」 

(1)使命(ミッション)と展望(ビジョン)

(2)【入り口と出口】

3、「幸せ会社」経営者として、当たり前の経営「知識」を継続習慣化して実践し、「知恵」にする方法

(1)資産負債対策

(2)仕入れ対策

(3)経費削減対策

(4)売り上げ対策

(5)【PDCA事業改善計画書】

(6)金融機関対策

(7)新規事業対策

4、「幸せ会社」経営者の道徳力と心構え

5、(おわりに)繰り返し押し寄せる経営危機から生き残れる「幸せ会社」とは?

 

2、「何のために」「何処へ行きたいのか?」使命(ミッション)と展望(ビジョン)

人は問題に対応するとき、その問題が難しければ難しいほど、その問題のみを見て判断する傾向があります。

会社経営のみならず、政治についてもまったく同じです。今の日本には「何のために、何処に行きたいのか」という国是がないから当然のごとく使命(ミッション)や展望(ビジョン)がはっきりしないし、戦略も定まっていない。今の民主党政権にあるのはマスコミに迎合し、大衆に媚を売るマニュフェストという戦術のみです。これでは判断や対処を誤り、尖閣問題など国家を揺るがす問題が頻繁に起こるのが当たり前です。

国民の支持を得た国是を目的地にしていれば、マスコミを気にしたり、大衆迎合主義に陥り、国家を危機に晒す確率は少なくなるに違いありません。


会社経営でもまったく同じです。経営危機に陥った会社はほとんど経営理念や社是は社長室の立派な額に飾られているだけで、使命(ミッション)や展望(ビジョン)などまったく見当たりません。

目の前の資金繰りのために、無謀な売り上げ対策や資金繰りに奔走して、経営理念や使命などはどこかに吹っ飛んでいったばかりでなく、「天に向かってつばを吐く」ような言動さえ見られるようになってしまいます。これでは「負の連鎖」から「最悪の倒産」まっしぐらです。 

「何のために」という「経営理念(哲学)」「使命(ミッション)」が芯柱にあり、 

「何処に行きたいのか」という「経営目標」や「ビジョン」が明確な会社は 

「何を持って(準備して)いくのか」「どのルートをとるのか」「何に乗って(どんな交通手段を使って)行くのか」という「経営戦略」がはっきりしています。 

ですから、経営者は判断に迷うことなく使える経営の「ものさし」を持つことが出来るのです。

 

この「ものさし」の目盛は会社の「経営目標」や「ビジョン」によって目盛の幅が違います。経費削減対策で詳しく説明しますが経営危機に陥ったときの「ものさし」からは

(その2に続く)

コメント

第5回 緊急資金繰り対策③

2010年10月29日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第5回

一般的には、次の優先順位で支払うのが原則にかなっています(会社の事情によって異なる場合もあります)。

 <優先度1> 手形

会社にとって、手形は最も大切な信用です。手形が2回落ちなければ、金融機関との取引が停止され、事実上の倒産となってしまいます。一部の流通業やサービス業などで2回不渡りで現金仕入れ、現金販売で事業を継続できる場合がありますが、相当の覚悟が必要です。

 <優先度2> 従業員給与

経営者の報酬は遅延しても、従業員の給与は遅延しないようにしてください。従業員の給与に遅延が発生してしまうと、社内の士気が落ちてしまいます。そうすれば、売上も確実に下がり、会社の状態はますます悪くなります。どうしても遅延しなければならないケースについては後述します。

 <優先度3> 仕入れに関する支払い

資金繰りが難しくなるとすぐ、仕入先や外注先などへの支払いを遅延する会社が多く見受けられます。おそらく、厳しい苦情を言われないからでしょう。しかし、会社の信用が大きく崩れる恐れがあります。信用をなくすと当然、以後の仕入れや外注が難しくなり、場合によっては前金でしか仕入れられなくなる可能性もあります。そうすれば、資金繰りは今以上に悪化します。相手先との信頼関係や取引状態で慎重に判断する必要があります。

・一定期間に限って、掛け率を相手が有利になるように変更してもらい、その間支払期日を延ばしてもらう。

・今回に限って、支払期日をずらしてもらう(ただし、【日繰り資金繰り表】で検討して約束の期日は必ず守る)

 <優先度4> 経費に関する支払い

売上に関わらない経費であることが条件です。

 <優先度5> 借入金の金利

元金返済よりも金利支払いを優先します。

 <優先度6> 借入金の元金返済

  支払い優先順序の中で最も大きなポイントとなるのは、「借入金の元金返済は一番最後」ということです。多くの経営者が間違ってしまうのはこの点です。なぜなら、「元金を返済しないと、金融機関から取引を停止されてしまうのでは?」という不安を抱いてしまうからです。

ただし、絶対に無断で返済をストップしないで必ず事前に、金融機関へ相談することが必要です。金融機関が条件なしでストップしてくれることはありません。いつ、いくら返済が可能かがわかる資金繰り表や事業計画書、再建計画書の提出を当然求められます。

また、租税や社会保険など以前は滞納して交渉することもしてきましたが、現在では対応が非常に厳しく、早い段階で差し押さえするなど滞納者に対する対応も変わってきていますし、会社分割でつくった第二会社に追及されることもあります。国民のお金という意味からもお勧め出来ません。

それでも不足して、個人のお金を投入したり、借入したりしなければならない場合は、【日繰り資金繰り表】でそれらを返済する日を特定できてからなければなりません。それでなければ、またもとの木阿弥になりかねません。

基本的な対策方法は以上ですが、【緊急資金繰り対策】はあくまで一時しのぎの対策ということを忘れないでください。

経営者が毎月どころか毎日資金繰りに悩まされることから、一時的に開放され、【経営再建(改善)プログラム】などに集中できるようにすることが最大の目的なのです。

経営危機に瀕している会社が1月20日の資金繰りを解消できたからといって、「咽喉もと過ぎれば・・・」になれば倒産への「負の連鎖」がまた進むことになります。

後々述べていきますが、私が着手させていただいた段階で、個人のお金を会社につぎ込むことを許可するのは、この段階だけです。個人のお金を会社につぎ込んで資金繰りを解消するのは、経営の根本的な対策を何もせずに当面の問題を解決させただけなので、またすぐに資金ショートがやってきます。

個人のお金を会社に入れることも、返済のための借入やリスケ(ジュール)、無計画な会社分割なども同様に、会社の経営力そのものが変わっていませんので、この段階で本腰を入れて【経営再建(改善)プログラム】などに着手しなければ、早晩経営危機が忍び寄ってくるのです。 

「知識」は行動することにより「知恵」に変わります。

たとえば、【日繰り資金繰り表】作成していくことによって副作用としていろいろな「知恵」を生み出してくれます。

数ヶ月先の入金を入力するには、売り上げ予算を作成していないと入力出来ないことがわかりますし、支払い金額を請求書から転記しているようでは1ヶ月先の表さえ完成できないことがすぐわかります。それを解消するために、まず、納品書を受け取ったときに、金額を記入し伝票を起こします。そうすれば、【日繰り資金繰り表】に入力するのは簡単です。さらに、仕入れなどの原価勘定は売り上げ予算を作成できれば、そこから作成でき、【日繰り資金繰り表】に予算を入力できます。

【経営再建(改善)プログラム】で危機から脱し、優良企業と呼ばれるようになった会社は、自社で翌月10日までに月次決算が出来ることが当たり前のようになっています。会計王などすばらしい会計ソフトが出来た今日、早いところは翌日に月次決算速報を見ることが出来ます。これら正しい【日繰り資金繰り表】を作成するための努力は自然と月次決算が早く出る経営の仕組みになって行きます。

このような繰り返しで、会社の経営力がついていってはじめて、二度と資金繰りに悩まないだけではなく、経営危機から脱し、正常企業、優良企業になることが出来るのです。

とくに、元金ストップを要請した金融機関から要求される事業計画書作成は先送りしていた本質的な経営再建(改善)へのスタートとなります。

まさに、「衰退の極みに新しい胎動が生まれる(歎異抄)」です。

 

次回からは、ブログ「中小・零細企業が『幸せ企業』になり、またそうであり続けるための経営の『原理原則 』」の中のカテゴリーテーマ「その『知識』と『知恵』」の

2、何処へ行きたいのか?使命(ミッション)と展望(ビジョン)

です。

 #mce_temp_url#

 

コメント

第4回 緊急資金繰り対策②

2010年10月26日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第4回

  【日繰り資金繰り表】がキャッシュフロー計算書や一般の資金繰り表と大きく違う点は、お金の流れだけを表に従って記入していけば数ヶ月先の資金の不足を把握することが出来ることです。経理や会計に不慣れな方でも、何月何日にいくら不足するのかが正確に、それもビジュアルで簡単に掴むことが出来ます。

  【日繰り資金繰り表】は勘定科目別ではなく、入金支払い先別になっています。まずは3ヶ月から6ヶ月先まで、入金先ごとの入金予定金額を入金予定日の翌日に入力します。次に、支払先ごとの支払い予定金額を支払い予定日の前日に入力します。入金を翌日に入力するのは当日ではその入金を支払いに利用するには無理があるからで、出金を前日にするのも同様です。

表のサンプル http://www.sbms.jp/higuri_soft.html を見ていただければお分かりになると思いますが、入力がすむと自動的に残高が表示されます。その残高がマイナスもしくは設定している金額いかになれば、今の時点から資金繰り対策を行う必要があります。 

請求書が来てから、今月の支払いを計算するから、今月の手形を落とせない、20日の給与を支払えば、25日の返済が出来ないなどということになるのです。 

また、経営そのもので利益が出ていない会社などの【日繰り資金繰り表】はマイナスになる日を1箇所解消してもまた翌月のある日(通常支払いの集中する20日とか月末日)にマイナスが出てきます。11月20日にマイナス100万円、12月20日にマイナス50万円、1月20日にマイナス200万円マイナスになるケースでは11月20日に200万円のマイナスを解消する対策を講じておくことが重要です 

【緊急資金繰り対策】では、支払いの優先順を決めなければなりません。その際に最も重要なことは、「支払う順序を間違えないこと」です。経営判断で重要なことは目先だけではなくその問題を「物差し」を当てて俯瞰的に見るということです。

一般的には、次の優先順位で支払うのが原則にかなっています。・・・(第5回へ)

コメント

緊急資金繰り対策①

2010年10月16日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵

第3回

資金繰りに窮し、「負の連鎖」に入り込んだときは、大きな試練です。この対処の仕方ひとつで倒産へまっしぐらということにも、正常企業化だけではなく一気に優良会社や無借金会社から「幸せ会社」になることの出来るチャンスでもあるのです。

なぜなら、経営再建対策はすべて経営の「原理原則」を確実にやることなのです。そのためにはある程度の時間が必要です。その時間を稼ぎ出すことが、【緊急資金繰り対策】なのです。

「リスケ」ばやりですが、リスケは目的ではなく経営再建の時間を稼ぎ出すための一手段に他なりません。「リスケ成功=経営再建」なんてことには絶対になりませんし、「借入成功=経営再建」でもありません。

資金繰りが一気に解消する「魔法の杖」は絶対にありません。そんなうまい話に乗れば逆に一気に「最悪の倒産」へ転げ落ちていくのが落ちです。

金融機関からの運転資金や経営者の個人資金を使わなければ資金繰りを解消できない、つまり1円でも外部資金を会社に注ぎ込む必要が生じたということは何を意味するのでしょうか? それは経営そのもので必要な資金を生み出せないことを意味します。

ここが大事なところです。

この段階で優先しなければならないのは外部資金を導入することではなく、経営の原理原則が出来ているのかの再点検なのです。 

とはいっても、緊急の資金繰りを解消できなければ、経営の再点検どころではありません。来週の手形が落とせないなど、よほどの火急でない限りは外部資金導入は最後の手段とし、【緊急資金繰り対策】のすべてを実行すべきです。【緊急資金繰り対策】と経営の原理原則が出来ているのかの再点検【経営再建(改善)プログラム】の基本的対策は同時進行しなければなりません。
【緊急資金繰り対策】の基本的な考え方は、「自分が持っている資産」だけで最低限支払わなければならない負債を支払うことです。

子供は100円のお金を握っていれば、それをどのように使うか腐心しますが、経営危機に陥った経営者は100円しかなく、500円必要なときはどう400円工面するかばかりを考えます。その方法は外部資金導入もしくは利益を無視した売り上げ対策です。これでは一時しのぎは出来ますが、永遠に資金繰り対問題は解消されません。

それでは具体的に【緊急資金繰り対策】について述べていきましょう。繰り返しますが、これらの対策も「魔法の杖」ではありません。【経営再建(改善)プログラム】実行のための時間を稼ぐための手段に過ぎないことを肝に銘じてください。 

1、月次資金繰り表ではなく【日繰り資金繰り表】を作成して、手持ち資金の最大活用化を検討する。

2、資産負債対策表を作成して、資産を流動化させる。

3、【緊急支払い検討表】を利用して支払い順序や金額を確定する。

 【日繰り資金繰り表】の最大の特徴は、・・・(第4回へ)

コメント

照一隅

2010年10月04日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵
第2回

「幸せ会社」とはその会社に関わっている
お客様
お取引様
従業員の皆様
経営者の家族
そして・・・経営者ご自身が
幸せであり続けられる会社のことです。

会社が大きいとか有名であるとかは関係ありません。
小さくても、無名であっても
関わっている人が幸せな「幸せ会社」を創るお手伝いをするのが私の使命です。

(愚作700×900)


生きていて一番うれしいことは他人のお役にたてること、つまり、自分自身が誰かに必要とされていることです。夫々の立場で精一杯光り輝くことが、人生目的のひとつだと断言できます。
それならば、経営者にとって、他人のお役にたて、必要とされる会社を創り、継続していくことが最大の使命ではないでしょうか。
売り上げを拡大していくことや最大の利益を上げること、利益を蓄積していくことはすべてその使命のための必要条件や手段にすぎません。
  顧客、取引先はもちろんのこと従業員や経営者一族まで、小さな会社に関わっているすべての人が幸せになれる企業すなわち「幸せ会社」になり、「幸せ会社」であり続けること。これを達成できれば経営者は最高の幸せが得られるはずです。
  わたしの使命はそのお手伝いを出来ることです。 その最大テーマが 「幸せ会社なるための中小零細企業経営の『原理原則』」です。

私の主な仕事は、会社や事業を再建をすることですが、時には再起のために、廃業・清算を選択することをお勧めすることがあります。なぜなら、私の使命は、経営者や家族が健康で文化的な尊厳ある生活を取り戻すためのお手伝いをすることだからです。
この仕事に携わって心から良かったと思う瞬間は、苦しい『経営再建(改善)プログラム』を経て、経営危機から脱出して、正常企業への道に戻ったときに、場末の食堂などでささやかな祝杯を挙げるときです。このときのビールの味わいは至極です。
『経営再建(改善)プログラム』に着手しても、営業利益などが出る見込みがない場合など苦渋の選択で廃業や法的清算をお勧めする場合があります。
「捨てなければ得られない」(石川洋)と言う名著がありますが、未来のために、その苦渋の選択をされた経営者の方々より、下記のようなお手紙やメールを頂いたときはうれしさと感激で身震いするくらいです。また、筆不精の人からは精一杯の贈り物を頂くときがありますが、苦しい生活の中からの「推譲」ですからもったいなくって涙がこぼれそうになります。

井上様 K様
 大変ご無沙汰しております、NのIでございます。
その節は大変お世話になり、その後なかなかご連絡をせず失礼致しました。
 早いもので井上様に初めてお会いしたのが今年1月であり、あっという間に過ぎた1年でした。 決して楽ではありませんが、社長であった父家族を含めて、親族の助けもあり現在人並みに生活出来ております。
 この1年は特にお二人は多忙だったのではないかと思います。 しかし
それに救われた方々もその分多かったことでしょう。
 私達の場合は会社は救えませんでしたが、ギリギリのところで法的に処理することが出来、家族はバラバラにならず井上様の言われていた心の部分は救われました。
 もしお二人にお会いしていなければ、何の情報も持たずにいきなり倒産していた可能性が高かったので、本当にお二人には感謝をしております。
もし放置倒産していたらと考えたら、本当に怖いですね。
 またもしどこかでお会いする機会がございましたら、その際は宜しくお願い致します。
くれぐれもお体にはお気をつけて、今後も苦しんでいる方々を救ってあげてください。
それでは今年は大変お世話になりました、今後とも宜しくお願い致します。

経営危機から「祝杯」のあと、「正常企業」から二度と資金繰りなどに苦しむことのない「安心企業(=実質無借金企業)」そして「幸せ会社・幸せ企業」になるためには、経営者や経営者のご家族が「ほどほどのお金」を持つことが不可欠です。

「衣食足りて礼節を知る」(孔子)
「恒産なければ恒心なし」(孟子)
「貧すれば鈍する」
「妻子を養えないものは信仰亡き者にも劣る」

人格的に申し分なかった経営者でも経営危機に陥り、資金繰りに窮すると・・・(第3回へ)




コメント

「幸せ会社」とは

2010年10月01日 | 経営者の笑顔を取り戻す!知識と知恵
第1回

ブログ「中小・零細企業が『幸せ企業』になり、またそうであり続けるための経営の『原理原則 』」の中で、このカテゴリーのテーマは「その『知識』と『知恵』」です。

1、「幸せ会社」とは?
2、何処へ行きたいのか?使命(ミッション)と展望(ビジョン)
3、「幸せ会社」経営者の道徳力と心構え
4、「幸せ会社」経営者として、当たり前の経営「知識」を継続習慣化して実践し、「知恵」にする方法
5、繰り返し押し寄せる経営危機から生き残れる「幸せ会社」とは?
この5つを柱にしていければと考えています。

私は企業再生の現場で、経営危機に陥った会社の経営者が悩み苦しみながら、会社を正常企業に立て直し優良企業から無借金企業にまで築き上げていった例ばかりではなく、時には無念の思いで廃業や法的整理を選択せざるを得ない例をたくさん見ています。

ところが面白いことに無借金企業になっても達成感はそんなに大きくない経営者が多く見られますし、廃業や法的整理したにもかかわらず、生き生きとして第二の人生を「生き抜いて」おられる経営者も少なくありません。

たくさん売り上げを上げて大きな会社にしたい!
たくさん儲けて豊かな生活をしたい!
繁盛して、有名になりたい!

私も26歳で創業してから倒産にいたるまでは、そんな思いで突っ走ってきましたし、私の『経営再建(改善)プログラム』に参加される方の多くもそれを夢見て売り上げをもっともっと上げればと突っ走ってきたばかりです。
一時的にたくさんの売り上げや儲けを上げたり、有名になったりすることは皆さん経験されているのです。ところがここで間違いを起こしてしまいます。
「天地自然の理」は「経営の原理原則」にも通じるところがあります。「たらい」のみずを「自分の方へ、自分の方へ」と引き寄せれば引き寄せるほど、水は手元から逃げ出し「向こうへ、向こうへ」と逃げていきます。

(私の愚作900×1400)

「幸せ会社」とはその会社に関わっている
お客様
お取引様
従業員の皆様
経営者の家族
そして・・・経営者ご自身が
幸せであり続けられる会社のことです。

会社が大きいとか有名であるとかは関係ありません。
小さくても、無名であっても
関わっている人がみんな幸せになれる「幸せ会社」を創るお手伝いをするのが私の使命です。


コメント

一人で悩まないでください!

 「心の富」を無くさない限り必ず再起のチャンスがあります。  形のあるものを手放すことが再起への最短距離です。時間が掛かっても迷惑をかけた方々に対して道義的責任を果たせる近道なのです。  「倒産」は犯罪ではありません。  「倒産」という言葉の響きは実態とかけ離れすぎているのです。「倒産」という言葉は一人歩きしすぎています。一般の方は倒産の実態についてあまりに無知すぎるのです。自分自身の世界で倒産を空想しないで下さい。倒産は事業にとっての最後の権利なのです。もがき苦しんでいるあなたを救ってくれる最後の手段なのです。  もちろん私は「倒産」など薦めているわけでは決してありません。 私の仕事は医師と同じく経営危機に陥った会社の検診をし、適切な薬をお渡しし、時には手術を施して健康体にすることです。 しかし病気に末期症状があるように事業にも薬や手術ではどうにもならない状態があります。こうした状況になっても会社や財産を手放そうとしないことが再起へのチャンスさえも失わせることになるのです。  「捨てなければ得られない」 重荷を捨ててみてください。今までのことが嘘のように安寧な生活を得ることができます。貧しくても心の平和や充足感からこそ新しいエネルギーが沸いてくるのです。

井上経営研究所とは

 井上経営研究所は中小零細企業の再生・再建から健全企業化、さらに『長寿幸せ企業』への道をお手伝いする経営コンサルタント事務所です。  ホームオフィスは、紀伊半島の最南端から少し北西(大阪寄り)に戻った 南高梅や紀州備長炭で有名な自然に恵まれた「みなべ町」という小さな町にあります。この町から日本全国にクライアント様を持ち、対応させていただいています。私、井上雅司がこの不便な田舎価値を起点にビジネスを展開している理由は、プロフィールをお読み頂ければお分かりいただけると思いますが、私が人生の危機に陥った時、全てを掛けて私を助けてくれた、年老いた両親がいるからです。  また、コンサルタント事務所といっても、総務以外は、すべてのサービス業務やプログラム診断業務はもちろん、経理も、このホームページ作成も、全て私一人で対応させていただいています。  というわけですので、無料相談といえどすべて私が直接責任をもって対応させていただいています。

井上経営研究所代表者のプロフィール

 井上 雅司(いのうえ まさじ) 1951年和歌山県生まれ。 早稲田大学教育学部卒業後日本航空開発株式会社を経てスーパーマケットを創業。20余年の経営の後倒産。自らの経験を踏まえ「倒産から学ぶ『経営実学』」を研究。自分と同じ体験をする人を一人でも少なくしたいの信念のもと「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を目指して、2002年、「経営救急クリニック」井上経営研究所を設立。2002年、「追いつめられた経営者の心がわかるコンサルタント」を旗じるしに、赤字や経営危機に陥った中小零細ファミリー企業を『経営再建プログラム』で再生させる「経営救急クリニック」事業を創業。  さらに再生なった中小零細ファミリー企業を俯瞰塾などの実践経営塾と連動させて、正常企業から、健全企業、優良企業、無借金企業(超優良企業)そして、企業に関わる多くの人が幸せになれる「幸せ企業」にまで一気に生まれ変わらせる企業再生手法を確立。  2010年、永続幸せ企業をめざす中小零細ファミリー企業のための「『長寿幸せ企業』への道」事業を開始。 ●企業再生コンサルタント   ●論語指導士(論語教育普及機構認定資格) ●M&Aシニアエキスパート(一般社団法人金融財政事情研究会認定資格) ●事業承継・M&Aエキスパート(同)