シャパラル２Ｄ（フジミ）

このキット、かつてのモデラーズの名作を、フジミが復活させたもの。いやー最近のフジミは時々ビックリさせてくれますねえ。

1990年12月発行のオートモデリングの新製品レビューのページに出ているので、ファーストリリースは1989年11月から1990年7月までの間ってことになりますね。もう20年以上前のキットなんですねぇ。当時の価格は4200円でした。同じ記事に出ているイタレリのフェラーリ250カリフォルニアが1500円ですから、いかに高価なキットだったかが判ります。フジミのインチアップなんか800～1000円で買えた時代ですよ。
今の物価に置き換えるなら、8000円くらいの感覚かな。



当時、私はすでに社会人になっていて、一応人並みの給料はもらっていましたが、このキットには手が出ませんでした。
毎週、金曜日の会社帰りに、必ず恵比寿のMr.クラフトに寄るのが習慣だったんですがね。ある夏、ボーナスが出た直後に、イタレリのクラシック・フェラーリのキットを3つまとめて買って、5000円をちょっと出るくらいの買い物をしたんですが、なんかこう晴れがましい気分で帰ったことを覚えています。プラモに5000円も使っちゃったよ…オトナだなー俺って、みたいな（笑）。

ですから、シャパラルはすごい高級品って感じがしました。それに、あの頃はレーシングカーにはあんまり興味がなくて、シャパラルっていわれても全然ピンと来なくてね。即座に欲しい！とは思わなかったんですよ。
こっち方面に興味を持つようになったのはもっとずっと後で、その頃にはもうこのキットは入手困難になってたワケです。



手に入らないとなるとムショーに欲しくなるのが私のいけない習性でして。
ヤフーオークションをやるようになってからは、何度も入札しましたが、いつも今一歩のところで競り負けて入手できませんでした。
遠い旅先のシモケたリサイクルショップで思いがけず発見したこともあります。ところが買い取ったばかりだったのか、値札が付いてない。店主不在で留守番の女の子は値段が判らない。しばらく待っていたけど店主は戻ってこず、こっちは次の予定はあるしツレはいるしで、涙をのんでオサラバしました。
実車イベントのフリーマーケットに格安で出てるのを発見したら、横から伸びてきた手でかっさらわれてしまった、なんてこともありました。



ってな感じで、すごく欲しいのに手に入らない、という時期がしばらくあったんですが…数年前のある出来事で、このキットに対する気持ちが一変しちゃいました。
仕事でモデラーズ箱のを作っていたんですが、サイドシルのインテークの奥が塞がってるので、開口しようとしてトチリました。どうということはない作業だったのに、デザインナイフを持っていた手がなぜか滑りましてね。左手に怪我をして救急車を呼ぶハメに！（痛）
それ以来、このキットを見ると左手が疼くようになってしまいました。

そんなワケで今回の再販はちょっと複雑。ようやく普通に買えるようになって嬉しい気分と、手を触れたくない気分とが半々、みたいなね。店頭や通販サイトで見かけても、なんとなく躊躇していたんですよ。



ところが数日前、アマゾンで半額になってるのを発見して、思わずポチッちゃいました。送料無料、代引き手数料と合わせて2669円。安さの誘惑に左手の疼きが負けた（笑）。しょーもないですなー全く。
キットの内容は、ほぼ昔のままですね。ミラーとかテールライトとかのホワイトメタルのパーツもしっかり入ってます。ただ、タイヤだけは違っていて、フェラーリP4と同じのに替わってますね。パターンはビミョーに違うんですが、サイズ的には問題なさそう。
パーツ少なめで作り易いキットですから、これは早めにサクッと作って、左手のトラウマを克服しようと思います。