「いつか眠りにつく前に」!なんてストレートな邦題。
『いつか』がぼんやりしなくなった人には、きついなあ~。
でも、原作も読んだし、このキャスト。
「リトルチルドレン」で気になったパトリック・ウィルソンもでてるし・・・乗り越えました。
人生の最後を迎え寝たきり状態のアン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)。そんな母を見守る父親の違う二人の娘。
アンには、歌手として夢を抱いていた頃の、忘れられない出来事がある。
意識が薄れるの中、昔の恋人ハリス(パトリック・ウィルソン) の名を呼ぶ母、その傍にいる娘、混乱しながらも深く理解しあう母娘。そしていつか・・・
ヴァネッサ・レッドグレーヴが上手くて、どうしても比べてしまう若き日のアン役、クレア・デインズ。 眉間のしわが気になるけど(大げさに思えて)、頑張って真摯に演じている。純粋なころだからね。
作品的には、ベテラン二人の共演が話題で、圧巻でした。
が、豪華女優陣を邪魔しない、パトリック・ウィルソン 、ヒュー・ダンシー にも目を向けたい。
結婚式でのアンとハリスの歌うシーン。パトリック・ウィルソンの歌声が~~~
抑えてました。もっと聞きたいけど、ミュージカルではない。残念。
ジャズ通のうちのボンド氏に 『TIME AFTER TIME』いいのある?と聞いてみると、即効、CDの山の中から『Chet Baker Sings』がでてきた。
気だるく中性的な声。働きたくなくなる、危ない世界です。
My Funny Valentine 沈みこみます。
破滅的な人や世界に惹かれてしまう癖がある 私のMy favorite に。
アンとハリスの雨の再会の場面、色のトーンが変わり、しっとり ぐっと迫るものがあった。二人が似合ってて大好きなシーン。なぜか「追憶」のラストを思い出してしまう。他にもこの映画、アイリスだったり、君読むだったり、題材が似ているせいか、重なってしまいます。私だけかな?
『つぐない』を観た後だったので、ヴァネッサ・レッドグレーヴもだぶったし。
子供とのピアノを弾くシーン、温かくてじんわりきます。
バディ役のヒュー・ダンシー、思いがけず発見でした。若い頃のロバート・ショーン・レナードのようで、地味なんだけど、きらきらした目が素敵なんです。注目してると、やはり、いい役まわってきてました。『ジェイン・オースティンの読書会』(ここでも女性に囲まれてるハーレムくんでした)この映画以上によかったです。これからも・・・
バディは原作にはないけど、この人の話だけでも 一本作れそうな掘り出しキャラではないでしょうか?
『いつか バディの話を』 スーザン・マイノット様。
監督: ラホス・コルタイ
原作・ スーザン・マイノット
脚本: マイケル・カニンガム
スーザン・マイノット
音楽: ヤン・A・P・カチュマレク
クレア・デインズ
ヴァネッサ・レッドグレーヴ
メリル・ストリープ
トニ・コレット
パトリック・ウィルソン
ヒュー・ダンシー
ナターシャ・リチャードソン
マミー・ガマー
アイリーン・アトキンス
★★★☆☆
父親の扱いや、二人の濃密度などなど うーっん?なので
クレア・デインズ とヒュー・ダンシー結婚へ。ダンスシーンは本物だったのね。
ナターシャ・リチャードソン、親より先に亡くなるとは、悲しい。
実人生では、逆の立場になるとは、なんて世の中残酷で皮肉なんでしょう。