原題: DON'T COME KNOCKING
監督: ヴィム・ヴェンダース
脚本: サム・シェパード
出演: サム・シェパード
ジェシカ・ラング
ガブリエル・マン
サラ・ポーリー
ティム・ロス
★★★★★
ヴィム・ヴェンダース、サム・シェパードとくるとすぐ 『パリ、テキサス』
ボローンとライ・クーダーのギターの音色、そして渇いた美しい映像がすぐにうかぶから、すごい。
20年以上も経つのに色あせない、保存版のDVDです。
今回はサム本人が主演。脇役でも抜群の存在感で、私の作品選びの基準となる大好きな男優です。
しゃがれた声、シャイでいつまでも少年がいる感じといい、この役にはぴったり。
サム・シェパード演じる落ち目のスターが、ある日撮影現場から逃走。30年疎遠だった母のところへ。
そこで、20年前彼の子供を妊娠した女の話を聞き 昔の恋人を探す旅にでます。
スキャンダルまみれの不良男が、人生を振り返り孤独を感じ、家族の絆をつかもうとする話です。血のつながりやその意味、そして主人公にとっても自分探しの旅に・・・。
ハワード(サム)の昔の恋人ドリーンにはジェシカ・ラング。この人かっこいいんです。潔いシングルマザーそのもので、荒れてる息子ともべたべたした関係ではなく、距離をおいて、女として生きてるのです。
そういえば、「郵便配達は二度ベルを鳴らす」あのニコルスン相手に衝撃の色気でした。
息子アールとハワード、性格もそっくりだけど、女運においても似てるんです。
モテル男はそうだけど、母親といい、恋人といい、本当に恵まれている。もちろん計算はないんですが、羨ましいかぎり。
淡々とした話の進みや、湿っぽくなく乾いた人間模様・空気が、ノスタルジーを感じさせてくれる。あくまで私的な話がいい。(イーストウッド風な世の中批判や、道徳的じゃないのが・・)
ミーハーとしては、私生活でパートナーのジェシカ・ラングとの共演や、サラ・ポーリーのお母さんの写真がでてきたりとか、重複して味わえる楽しみもあります。
ティム・ロスの不気味で安心させない存在、アールの歌うシーン、楽しめます。