黄色い拍子

言うよりも詠うことにて喜びをひそか硯の奥に隠して

2007/10/19

2007-10-19 21:36:02 | 短歌
病的モラリストラの琴線に触れるモラルハラスメントなど
雲の果ての雲もくもく雲の上曇り後破壊新しい朝
眼球秋雨塗らす市街地を映して渇きどこぞに払う
二次元の住人らは一次元進む先はチャプターワン
週刊紙が噂する下世話なる妄想夢想夢見る虚無
豊穣知るすべひとつスーパーの店頭価格特価か否か
淀川に片足浸す碧鷺の見つめる先に銀色の腹
私のヘヴンから一歩だけ遠ざかる木々色づいて秋深し
感覚を無くす程の眠りの底私のヘヴンどうぞこちらへ
虫の声夜縫い合わせ帳成す明けぬであれば久しく永久に

2007/10/12

2007-10-12 19:30:12 | 短歌
夢は覚め La Vie en rose 枯れていくささくれだった指先、未練
均一を乱しながらも海流新しい波消え去る昨日
夜の間にひとつの夢が生まれ出で朝のうちに風に消え去る
銀色の腹を晒して死にたもう脂したらせ秋刀魚が焼ける
零時ごろ見上げた空にオリオン座空気のなかに銀糸が混じる
もういない浜辺を埋める声の主貝殻だけが潮騒拾う
希望すら夕日の果てへ落ちていく世界も共に連れ落ちていく
目の前を落ち葉一枚落ちていく落下の行方カオスだけ知る