黄色い拍子

言うよりも詠うことにて喜びをひそか硯の奥に隠して

2006/12/19

2006-12-19 23:01:23 | 短歌
突発的な事故さえ織り込んでカレンダーはカウントダウンする

サラダ油にまみれた換気扇がウチとソトの空気入れ替える

ク、クリスチャンじゃないんだからね!でもメリクリは言ってあげるわよ!

小指から凍り付いてく日差しなど何の頼りになるのだろうか

解れ糸ウールの上で玉になり望まぬ形疎んじられる

自分では無い気がして曇り拭い窓をのぞくとやっぱり自分

2006/12/10

2006-12-10 21:40:53 | 短歌
アンドゥトロワアンドゥトロワですらも躓く今年も来年も

ポケットの中潜む希望当てにしてガムの包みを探り当てる

鎮魂を願う光が道照らし紙袋多々抱えて抜ける

下着店の前居心地悪そうに待つ男子の恥ずかしい思考

ルミナリエに理由づけてセックスするんでしょあんたたちふふふふ

クリスマスには踊っているわ男も女もゲイもレズビアンも

旦那の事をグチりながらもチキンとケーキを小皿に取り分ける

ホールケーキの箱に入りクリーム舐めてた君は骨壺の中

冬雨

2006-12-07 23:57:17 | 短歌(副題付)
雪になる望みすらなく降る雨は哀悼みたく路面を濡らす

水滴がイルミネヰション二重に滲ませて本当など霞む

車窓一つ隔てて降る雨の音聞こえず師走が流れていく

無理やりであれ笑ってみればサンタクロウス位は信じられそう

体包む気化した液体に泳ぎ疲れ真冬の眠りに落つ

2006/12/06

2006-12-06 23:05:14 | 短歌
走れば揺れ止まれば零れる凍り付きもせぬもので心満たす

今は無き畳の上を駆け跳ねる君の姿を脳裏に探す

満月は欠ける定めを知ることも無く無意識に新月となる

暗闇に隠した円を空に張る少しずつ少しずつ静かに

君の中で育まれたウイルスが吾に伝染す熱する体

エブリシン捨ててしまえど北風を凌ぐくらいの思い出残る