黄色い拍子

言うよりも詠うことにて喜びをひそか硯の奥に隠して

2006/02/28

2006-02-28 23:36:22 | 短歌
凍えるものを燃やしながら最も冷たい季節は闇に消える

春の新鮮な空気を吸いこむシャンパンが喉を滑り落ちた

早すぎたタンポポの開花に地面を這うプードルも困惑する

雨雨ふれふれノアの洪水穢れも善行も流してしまえ

2006/02/15

2006-02-15 22:14:57 | 短歌
ゼリー菓子の中で下界を覗く曇りガラスのバスはルート行く

ストーブの熱が鬱陶しい心温めるには遥か及ばず

どこか遠くへどこまでも遠くへ常春の王国など無くても

ショーウィンドのマネキンが雨粒を見つめる通りに人は無し

今は無いけどやがて蘇る感情桜咲くその朝まで

グランマニエが嗅覚を支配する夜がために夜に交わる