2006/02/28 2006-02-28 23:36:22 | 短歌 凍えるものを燃やしながら最も冷たい季節は闇に消える 春の新鮮な空気を吸いこむシャンパンが喉を滑り落ちた 早すぎたタンポポの開花に地面を這うプードルも困惑する 雨雨ふれふれノアの洪水穢れも善行も流してしまえ
2006/02/16 2006-02-16 23:54:40 | 短歌 遅れる電車失われた人生長い冬はもう明けるのに アンダーグレー今にも羽ばたこうとする翼は雫にまみれる アポングレー照る光に銀翼を晒して遙か天空滑る
2006/02/15 2006-02-15 22:14:57 | 短歌 ゼリー菓子の中で下界を覗く曇りガラスのバスはルート行く ストーブの熱が鬱陶しい心温めるには遥か及ばず どこか遠くへどこまでも遠くへ常春の王国など無くても ショーウィンドのマネキンが雨粒を見つめる通りに人は無し 今は無いけどやがて蘇る感情桜咲くその朝まで グランマニエが嗅覚を支配する夜がために夜に交わる
2006/02/13 2006-02-13 22:43:42 | 短歌 ガラス窓が白く凍てつく氷点下春が霞んで遠ざかる 心の臓にかたどられたチョコレート値札張られまた剥がされて 知らぬモノ運ぶ電車は空気が悪く生温くて親密で
2006/02/08 2006-02-08 22:53:36 | 短歌 空気が薄紅に染まるのは椿が香る為だけではなく 雪崩のスピードで数多のモノが過ぎ去って行くのなら後追わず モノトーンの瞳で見る霙混じる雨が生み出した虹の色
コウノトリ 2006-02-07 23:05:00 | 短歌 明日に飛ぶ雲棚引きてコウノトリ十月十日愛が深まる 選ばし神賜りたお子なれど人の世沈み地面這いずる かつて数多生まれた子供の中に私一人今はただ生きる