2005/11/30 2005-11-30 21:47:32 | 短歌 準備は良い?と言われても何も手に入れぬまま酉年は消える 焚き火色の空気舞い上がる落ち葉木枯らしの王国を見つける アンブレイカブルはそうで無くて以外に脆くすぐ風に流れる
2005/11/29 2005-11-29 21:17:05 | 短歌 空を見上げたって雪なんか降らないけれど木枯らしに促され 偽造されるマンションと改造される生涯存ぜぬ私 遠くで何かのはためく音する誰もが孤独から逃れたくて
2005/11/26 2005-11-26 19:01:22 | 短歌 兵無き城の石垣めでる蔦の色恋隠せず色づき 独りでに色づく訳もなく落ちるまでその思いに心燃やす サンザシの実食むから鳥は自由なら明日からはそれだけで暮らす 落ちる夕日が世界を影絵に作り替えて私だけ取り残す
2005/11/25 2005-11-25 22:28:03 | 短歌 幻覚を伴いながら私はほの暗い冬の列車に乗る ポインセチアの赤い部分をなぞりながらひと月後を考える 水に浮くような幸せなど沈んでそのまま凍り付いてしまえ
2005/11/24 2005-11-24 20:51:02 | 短歌 微熱が体を支配する行方すら未だ見つかっていないのに 君が隣にいない朝も今朝と同じく心底寒いだろうか 紙飛行機東に飛ばして気配を探っても蜃気楼のよう
2005/11/23 2005-11-23 22:28:37 | 短歌 微動だにしてなさそうな飛行機雲すら流れている実状 北風吹けど揺らぎ移ろう事ない淡路島こころとは違い タンカーが蜃気楼の様に流れいく年末の日々も同じく
2005/11/21 2005-11-21 21:11:51 | 短歌 マフラーの長さに比例する恋人たちの深さ相席可能 コートだと大袈裟すぎると思うのは体が細く儚いから 弱い頭痛月曜日の憂鬱は爽やかな朝ほど顕著に
2005/11/18 2005-11-18 23:14:38 | 短歌 最善以上の何かを求めたって指先はかじかんでいる 椿の葉に映る瞬間的事実未来には連れていけない 知らない町に降る雪より頭上に降る雪のほうが温かい
2005/11/17 2005-11-17 22:56:43 | 短歌 夢中だっただから夢でしか会えぬ温い寝床で反復する 冷たい空気が全て透過にする光こぼれる瀬戸内の朝 皇帝ペンギンの心地よいため息漏れる一桁の温度計