2005/08/31 2005-08-31 21:33:55 | 短歌 モザイク状の鱗雲の下包み隠しようもない生活 柳が固定される風のないそれでも涼しいある晩夏の朝 途切れないループそれでも扇風機が静かに止まっていたりする
2005/08/30 2005-08-30 22:03:50 | 短歌 苗が延び稲穂が実り黄金に靡く姿は奇跡そのもの 指と指との隙間を次の季節が遊ぶようにするりと通る ラブアフェアーのガラクタが転がる砂浜で生き残りが笑う
2005/08/29 2005-08-29 20:44:13 | 短歌 去年の今ごろも夕闇風が涼しい事を驚いていた 空の青海の碧森の蒼昨日とはまるで違う。気づかない? 空気の密度が高まるもう夏が煮えきらずも皮膚から逃げ出す
2005/08/25 2005-08-25 21:48:52 | 短歌 台風が過ぎ去った後に何が残って何が消えるだろうか 風に涼しさ編まれてふらりと博物館に行ってみるふらりと 辛抱足りぬコスモスが咲いている散り急ぐこと無しと伝えた
2005/08/24 2005-08-24 19:09:31 | 短歌 ちょっと遅かったねハイビスカス季節の狭間で枯れていきなよ 形骸化しているのは駅員の点呼だけにあらず季節さえも ひとりでつつくタピオカは何時に増してふやけて虚ろ私みたく
2005/08/23 2005-08-23 21:31:15 | 短歌 花火の臭いも激しい熱帯夜もすべて夢であったかのよう 秋を呼ぶ雨に傘も差さずに濡れるそんな寂しさを分けてやる 満月の色が変わっていくさようなら夏の日何もなくても
2005/08/22 2005-08-22 21:29:35 | 短歌 久しぶりの雨に体と心とを浸して残暑に備える 地蔵盆と言う名前の寂しさ子亡くした母の空白に似る 真夏の絶望を逃げ隠れしながら生きながらえた名もない花
月光浴 2005-08-21 00:02:55 | 短歌(副題付) 月光に泳ぐ晩夏の宵ひとり涙流れる跡は乾かず 月まで約100万㎞意識だけならいつでも行けるのに 真夜中呼吸しながら月光を撚って偽り隠す布織る 日立の塔がルナパークを統べる存在だった事誰も知らず 新橋色の瞳でも月光は白く見えるか異国の人よ とかげの冷たい皮膚をさらにしばりて凍らす月光の魅力
2005/08/19 2005-08-19 21:50:22 | 短歌 降り注ぐ光すべてが西日のよう過酷で哀愁の残暑 エアーコンディションは快適だで途切れる作家の卑しい価値 背中で泳ぐ汗の行き先虹になるなら流し止めず、そのまま