黄色い拍子

言うよりも詠うことにて喜びをひそか硯の奥に隠して

2005/06/30

2005-06-30 21:03:50 | 短歌
朝日が昇る前から亜熱帯に身体を委ねて浅い眠り

日のお恵みといえども過ぎたるは及ばざるが如し喉の渇き

ようやく陰り濃い影も消え肌が警戒を解くサンセット頃

セール直前デパートメントストアのクーラーの強い効き様

2005/06/28

2005-06-28 23:34:40 | 短歌
ひとり孤独が元気な夜に夾竹桃が赫々と輝く

譲れるものもそうでないものも向日葵に比べなんと小さくて

この国は美しく今朝も朝日に満ちて朝顔が目を覚ました

水面に溢れる緑藻の見果てぬ夢に涙さえ流している

昨日の寝苦しい夜にも愛は世界でそっと育まれていた

金魚

2005-06-18 22:19:04 | 短歌(副題付)
どこへそこへと泳いでもガラスの向こうに息つく世界は無いよ

錦をなびかせ日の光を乱反射届くべきに届かず闇

水面を越えて何処までもいけるのは夏祭りの宵のころ、きっと

たどり着いた先が水面の下でも生きる分には苦しくないよ

ぽとりぽとり乾いた餌を落とす知らずに涙ぽとリ夏の午後

水の中Revolutionと叫んでも声さえ響かず泡になり

浴衣に泳ぐ赤いさかな尾ひれ揺れる期待する心にあわせ