2004/04 05 2004-04-05 00:55:38 | 短歌 水仙が清らかに街洗うこと清潔なれど少し寂しい 君がもう居なくなってもまた飾り吹き流される天の鯉かな 泣かないは大人になること表しそれでも青い皐月に叫ぶ 春忘れ実る苺を食む鳥の満面の笑みそっと撮りたる 霞むほど輝く海の荒れる波泳ぎきることままならずかな
2004/04 04 2004-04-04 00:55:11 | 短歌 ガラス越し夏が現るウインドウ日差しも知らず強く思うよ 湯気たつもやがて見える雲すくなに急須注ぐカタチにも春 長い午後過ぎ去りて夕刻間近窓から西日が野蛮に刺す 散る桜知らずに咲くは八重桜寂しさ知らず柔らかに笑む ツツジ咲くこの道を抱く五月晴けして雨雲入るべからず 杜若が強く香る頃頬を伝う風にも気高いかをり 過ぎたはずの冷たい雨が湿らす春の野に咲く新芽凍える 冴え渡る皐月の青き風走るそれでもこころ空ろに惑う 水ぬるみ沼海老はぜる貯水池ただ歩くだけただ回るだけ 願う事今宵一人で居たくないは花見月と月の逢引
2004/04 03 2004-04-03 00:54:31 | 短歌 この続く線路沿いにも春が来てそれでも冬と同じ列車 夕闇も遅く訪れ温もりが何時までも居る春の宵かな 春の花と書く椿は隠れてる桜のピンクに赤く強く 散らないでと思うものの電話して判り過ぎたる結果に涙 儚くも散り逝く桜地につもり侘びしと思うまた侘びしかな 雪が降る日もあったのに今はただぬくい雨降り肩をぬらして 暗闇に浮かぶオリオンですらもう汗ぬぐうほど春は深まり ただ濡らす冷たい雨の終わりには木々歌いたる新生の歌 そろそろおいでになりませんか春は深々とただ歩むだけです 水仙が気高く香るそんな日の午後にお茶を飲みのたりのたり
2004/04 02 2004-04-02 00:54:03 | 短歌 風にさえ色がついているかのようこの春もまた錦となった 菜の花の靡くは南風しかし食むこともなく知ることもなく 涙さえやさしくなでる春風に身を許しすぎ風邪をひきたる 事情も知らぬ人々歩みたる春の花咲く香りよい道 ベンチにて眠りたる人バスまつも乗らず春風の船頭する 白い皿に降り積もりたるはなびらスプリングイズソーデリシャス 降り止まぬ雨にこめられたその意味芽吹く新芽そっと伝えて 街灯の蛍光灯が作り出す光と影に桜咲く咲く うかぬ空たれこめたる雲ピンク色不安定に揺らぐ青い春 桜並木が希望へと通じると強く思うが何時もどうりに
2004/04 01 2004-04-01 00:53:34 | 短歌 朧月霞たる雲のごとくに空気掠める桜の散る散る 春の香を漂わせては惑わせる桜色なる夜の口付け 汲みたるは酒と培う友愛のいつぞは別れ散り落ちようと まだら猫あくび放って逃げたるも食いたいがためまたあくびかな 日陰にはまだ残ってるマグノリア光吸い込み光また吐き エンドウの魅入らせる赤塗りこめるそんな季節になりいくある日 日向にて笑い愛たる花見席気がつかぬ間に焼ける頬でこ たんぽぽの黄色に名前つけそびれ知らずとび行く命の旅路 魚河岸の軒先並ぶ古瀬たちいつぞやは稚児であったのにね 世も知らぬ幼子が今飛び込まんシンクのごとき冷たい世界