劇作家別役実は、彼の戯曲の中で「男は一本の樹と一軒の家と一人の息子をもたなくてはならない」と言っている。それに従ったわけでないが、息子の誕生前後して庭に梅の苗木を一本植えた。両親が記念にといって植えてくれたわけだが、それが年々成長して、今では根本幹回り140センチくらいの大樹となっている。毎年6月に入る頃に、大量に梅の実をプレゼントしてくれるのが、梅の木の効用である。一本の樹といっても採取できる実は半端でなく、最も採れた年は60キロくらいはあった。それが2012年冬の大雪の時、枝の剪定忘れで
伸び放題にしてたところへ積雪が重なり、重みに耐えきれずに主幹部枝がバリバリと割れてしまった。以後、実は生ることは生るが数量が激減し、本年などは僅か2キロである。それでも貴重な梅の実なので、活用することにした。
梅の効用は、梅干にしろ、梅酒・梅ジャム・梅ジュース・梅肉エキス・梅蜂蜜漬け等々多種多様である。梅の成分に、人間の健康に欠かせないものが含まれてるわけで、古来日本人は梅を薬代わりに活用してきた。日の丸弁当など、梅干1つを入れとくだけで、ご飯が傷まないから不思議である。その梅の効用に関しては、クレブス・サイクルが定説になっている。英国のハンス・アドルフ・クレブス博士(1900~1981)は、梅干しをヒントにノーベル医学・生理学賞を得た(1953)が、梅干しの効用をクエン酸の効果から視た理論で、この理論がクレブス・サイクルである。この理論の中心は、人間の体の中の老廃物を分離して排出する働きを、最も強めるのがクエン酸である、という視点である。クレブス・サイクルは別においても、クエン酸の効用をいくつか挙げれば
①強力な殺菌作用
O157食中毒のときも、クエン酸による殺菌作用が臨床的にも実証された。
②疲労回復作用
スポーツ後の疲労恢復でも、栄養剤等市販のものでは効果ないときでも、梅干1ケ口に 入れるほうが効果あるとは、よく言われる。梅干のクエン酸と塩が、血液に急速に入り
体内に新たなエネルギーを生みだすようだ。最近流行の細胞のミトコンドリア理論とク エン酸を関連つけて、細胞の活性化の新たな考え方を提示できるかも。
③血液改善作用
免疫力を高める作用と言い換えることもできるが、梅肉エキスを飲み続けた際など、体 験的に血液がサラサラになるのを感じることが多いという。
④消化・整腸作用
⑤カルシューム吸収作用
野菜炒めなどの調理の際、味付けに梅干を少量加えるだけで、カルシューム吸収率は高 まる。
という分けで、僅か2キロの梅の実だが、今年は梅肉エキス作りに活用することにした。梅肉エキス作りは、梅果汁搾りの段階と、その果汁を煮詰める段階の2工程あるが、今までの体験を活かして、2キロの原料では仕上げは少量しか望めないが、作業に入ることにした。画像は、収穫された梅の実である。

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