SIDEWALK TALK

『或る秋の日』を聴いて

A Long Time佐野作品はつねづね名匠の境域を感じさせる。
『或る秋の日』にも、華やぎと情趣があって、
重心にゆらぎがなく、
しかも細部にまで心配りがゆきとどいている。


会話の感じがいい。
日本語ロック(死語?)の歴史がふまえられていて、
しかも晦渋せず、
一語も耳になじまないということがない。


佐野元春は、いまの世にいる。
だから、その個性はなまなかには理解されにくい。


自由でありすぎ、平等でありすぎ、
しかも世間には迷惑のかからぬようにして、
自分を架空の部屋に閉じこめている。
みずから檻に入った獅子のようなものである。


しかも野を駆ける夢を
自分で禁じているように見ようとはせず、
また夢死はしないものの、
酔生をよろこんでいる。


どうも、こんな境地は努力して得られたものじゃなく、
単に佐野さんの性分にちがいない。
僕は、佐野元春というミュージシャンを同時代に得たことに、
誰彼なしに感謝をしたい。

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