メビウスの帯や夫婦に吉丁虫
浜 明史 平成15年
「メビウスの帯」しは、学生服のカラーを一ひねりして、端を逆さまに接着した形のようなものを言う。
吉丁虫は玉虫のことてで、歳時記によれば、人知れず箪笥にしまっておくと、着物が増えるのだという。
メビウスの帯の上を這っている虫には、何時の間にやら 表が裏になってしまって、二次元(平面)では、
一体何が起こったのか分からないのに、これを三次元(立体)で見れば、
誰にもそのからくりは一目瞭然と いうものである。
人生も実はこれと同じで、空間の三次元と時間の一次元の計四次元の世界で我々は生きており
その人生(特に夫婦間)ではいろいろ不可解なことが起きる
しかし、もし、我々が、もっと高次元の見方が出来れば人生の不可解も一挙に氷解するのではないかと思える
そしてその結果は吉丁虫の名のごとく、大いに吉なのである。
これこそが、作者の言いたかったことなのではないだろうか。
今津大天「俳句の対話術」より
「夫婦」面白いものですね。
日ごろは側にいて 何も気にならないで 一緒の空気を吸い 食べ物を食べて
それが 当たり前と暮らしている
それが 微妙なすれ違いがあったとしても 当たり前と受け止めてうけとめている
それを作者は「吉」と言う
人生ってこんなものなのでしょう。
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