むかし 息子が食べ盛りのころ ・・・
同じ皿から肉など食べあっていると
みる間にひとりで三枚も四枚も食べてしまう。
母が注意する。
「自分ひとりで食べてしまわないのよ」
息子は五枚目をつまみ上げた箸をしぶしぶ手元にもどす。
「もっと食べたいの?」
「うん」
「お腹は大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「じゃ お母さん分を食べなさい」
・・・ そういって 自分の食べる分をわけてやる。
自分のつくった料理を おいしそうに食べてくれる光景を
母は満足気にながめている。
注意するのは惜しむからではない。
身体を気づかい
自分だけという自己中心的な考えを捨てさせたいからです。
喜んでどんどん手作りの料理を食べてくれることは
母にとって無上に嬉しいことなのです。
評判のいい料理は
たとえそれが安い原価の材料でつくられていようが
・・・ どんどんうれる。
あっという間に母親の分までみんなでいただいてしまう。
最後に一 二片のこると
・・・ なんとなく父や子の箸の動きがにぶる。
「母さん いい?」 きまって息子がすまなそうに聞く。
「ええ いいですよ。母さんは充分」
母は一切れしか口にしていないのにそう答え
・・・ 皿を子どもにまわす。
自分は昼の残りものの塩じゃけと錦松梅ですましている。
「いいのかね」 私が心配してきくと
「脂物をつくったあとは あまり食べたくないものよ」
と笑っているが
みていると別に油物の料理のときばかりではない。
・・・ いつもそうだ。
* 2010.11 東ブータンで
同じ皿から肉など食べあっていると
みる間にひとりで三枚も四枚も食べてしまう。
母が注意する。
「自分ひとりで食べてしまわないのよ」
息子は五枚目をつまみ上げた箸をしぶしぶ手元にもどす。
「もっと食べたいの?」
「うん」
「お腹は大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「じゃ お母さん分を食べなさい」
・・・ そういって 自分の食べる分をわけてやる。
自分のつくった料理を おいしそうに食べてくれる光景を
母は満足気にながめている。
注意するのは惜しむからではない。
身体を気づかい
自分だけという自己中心的な考えを捨てさせたいからです。
喜んでどんどん手作りの料理を食べてくれることは
母にとって無上に嬉しいことなのです。
評判のいい料理は
たとえそれが安い原価の材料でつくられていようが
・・・ どんどんうれる。
あっという間に母親の分までみんなでいただいてしまう。
最後に一 二片のこると
・・・ なんとなく父や子の箸の動きがにぶる。
「母さん いい?」 きまって息子がすまなそうに聞く。
「ええ いいですよ。母さんは充分」
母は一切れしか口にしていないのにそう答え
・・・ 皿を子どもにまわす。
自分は昼の残りものの塩じゃけと錦松梅ですましている。
「いいのかね」 私が心配してきくと
「脂物をつくったあとは あまり食べたくないものよ」
と笑っているが
みていると別に油物の料理のときばかりではない。
・・・ いつもそうだ。
* 2010.11 東ブータンで