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FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

いまさらの就活?大型2種に挑戦!

2016年12月11日 | 免許・違反・事故

定年後、アルバイトとして老人保健施設のデイサービスの利用者の送迎を3年続けてきたが、普通車の運転に飽きてきてもっと大きな車両を運転したいなぁと思うようになり、退職した。

大型の免許は持っているのだが、大型を運転した経験はない。教習所だけである。大型の求人に応募すると、「大型の経験ありますか?」と聞かれ、たいてい書類の段階でボツである。若い人なら、会社も育てていこうと思うのだろうが、この歳では、即戦力が求められる。

路線バスに乗るたびに「乗務員募集」という広告が目につき、「未経験可」という文字もかならず添えられていることが興味を引いた。そうか!大型2種を取ればいいんだ!という短絡思考で、安く、早くとる方法を考え始めた。

大型を取得した自校のサイトによると、大型1種を持っていると学科が19時間、技能が18時間で料金は33万円となっている。う~ん、高い!大型を取った時には技能は1日1時間しか乗れなかったので、毎日行っても3週間以上かかる。大型の時は予約が取れず3か月もかかってしまった。

娘2人は普通免許を島根や山形の自校で2週間合宿して取ったので、合宿で調べてみると、何と期間は最短1週間で、料金も宿泊代込みで24万円である。しかも往復の交通費まで出るという。これは行くしかない。

というわけで、入校日がいつでもいいという学校を見つけて申し込んだ。場所は山形県である。しかも娘の行った 学校と同じらしい。指定した入校日の正午に学校に行けばいいとのこと。

山形県は、東北ツーリングの際に通過しただけなので、バイクで行って遊んでこようかと思ったが、11月というと雪が降り始める季節である。もし、峠が雪で覆われると、ヤバいことになると考え、車で行くことにした。

家族には、免許取得のことは内緒にして、ちょっと山形まで遊びに行ってくると言って出掛けた。紅葉の季節真っ盛りだったので、実際遊び気分満点だった。正午に自校に着くのは難しいので、前日近くのビジネスホテルに泊まることにして、芭蕉の俳句で有名な山寺観光をした。

芭蕉像

山寺

いよいよ、自校に行ってみると、コースのすぐ横を山形新幹線が通っており、1時間に上下1本ずつ「つばさ」が通り過ぎる。

合宿といってもグループではなく一人一人にプログラムが用意され、初日からスケジュールはびっしりで、13時から学科、技能も15時から休憩を1時間はさみ19時まで3時間入っている。(表の●が技能)

たしかにプログラムでは1週間で修了する計画だ。しかし、これだけビッシリ教習が入っていると、ある段階でハンコがもらえないと、再履修する余裕がなく、どんどんあとにずれていってしまうことになる。

荷物はロビーにおいて、教習に行けと言われた。「えっ?オリエンテーションとかないの?」と聞いてみると、わからないことはその都度聞いてくださいとのこと。

とりあえず、2種の方は実技教習のために白手袋を買ってくださいと言われ、受付で100円の白手袋を買う。

 

タクシーの運転手がしている白手袋だ。何で?と思って指導員に聞いてみると、「2種を取る人は、お客様を乗せるのが仕事。お客様の乗る営業車両を汚さないため。」とのことでした。そうなんだ、家族専用の自家用車ではないんだ、と納得。

初めての実技教習。大型に乗った時もトラックの周りを1周し、異常の有無や子供が車両の近くにいないかを確認するよう言われたが、バスの場合は、車輪ごとに「外周良し、トレッド良し」と確認し、点検用ハンマーでボルトの緩みがないかも調べる。

乗る時も、乗降口のエアーを抜き、ドアを開ける。必ず後部ドアから乗り、車内に忘れ物がないかチェックするのも実践的。運転席に座ると、ずらっと並んだスイッチや計器に圧倒される。

バスの場合は、キーを回してエンジンを掛ける前に、メインスイッチという電源スイッチを入れないといけない。エンジンと各種の照明や機器は電源が別のようだ。エンジンを掛けると、セカンド発進なのはトラックと同じである。

まず、指導員がコースを回り、注意点を説明してくれるが、何しろ大型バスは前輪から車体先端までのオーバーハングが半端ない。交差点を回る時には対向車線の半分以上はみ出す。

車体長も11mあり、トラックよりは若干短いものの、後輪がどこにあるか全くわからない。最初の教習は停め方だったが、中央のドアを目印のポールに合わせるのが課題である。ポールが停留所というわけだ。しかし、大型バスは車幅があり、長さもあるので、ミラーを見ても目視してもポールが見えにくい。

初日は何となく転がし、運転になれることに集中する。ギアもレバー式のほかにエア式というのがあり、コツをつかむまではギアさえ入らない。コース内には40km/hまで加速する区間があるのだが、もたもたしてると、30km/hくらい出たところで、カーブに差し掛かりブレーキを踏まざるを得ない。

指導員から信号が黄色になっても、通過するよう指導された。私は信号が黄色になると、あたふたしてしまうのだが、バスの場合には乗客に怪我をさせるのが一番いけないとのことで、急ブレーキは絶対に避けろというのだ。

教則本にも、黄色信号で急ブレーキをかけることなく交差点を通過するよう、はっきりと書かれている。乗客が怪我をしたら、運転者の減点になるそうだ。

大型トラックでは、ブレーキがエアブレーキなので、エアがなくならないよう長く踏むなと注意されたが、バスの場合は滑らかに止めなくてはならないので、ブレーキをずっと踏んでいても何も言われない。

それよりも、半クラッチを注意された。バスのエンジンはとても粘りがある。発進の際セカンドだが、どんなに低速でもほとんどエンストすることはない。「クラッチから足を離して」とすぐ注意された。

大型バスの大きさに圧倒され、セカンドでエンストしないことを知ると、セカンド、サードを多用してノロノロ走っていたら、「あなたの運転は、メリハリがないねぇ」と注意された。

「加速する時は加速し、減速する時は減速する、というメリハリをつけてください。」といって、指導員はハンドルを変わり、狭いコースのなかをすごいスピードで走りだした。なるほど、これが、うまい運転かと肝に銘じた。

1日目の教習が終わったときはさすがに疲れた。合宿なので、宿はホテルと旅館が選べたが、私はビジネスホテルを選んだ。送迎のバスが出ており、学校から15分くらいだ。普通車の合宿参加者が多く、満席。3つくらいホテルはあるようで、それぞれのホテルで下ろすが、若い人が多い。ただ、11月なので学生はいない。

 

ホテルといっても、観光客用ではなく、合宿生が8割で、2割くらいが建築関係の宿泊者らしい。30人くらい泊まれるようである。

居室

18時から20時が夕食時間だったが、メニューは日替わり。教習料金には1週間のホテル代も含まれている。1日2食付で4000円として、28000円。教習料金が格安だから、食事は期待できないなと思っていたが、料金から予想していたよりはいいものが出された。

 夕食

 食堂

朝食

ロビー

洗濯機も4台あり、好きな時間に予約すれば洗剤も置いてある。風呂とトイレは各部屋にユニットバスがある。

翌朝は8時40分にバスが迎えに来て、9時10分から教習開始。

コースの外周をぐるぐる回るのを何とかこなすと、「隘路(あいろ)」という3mという狭い間隔にひかれた線の間に入れる課題や、「方向変換」という路地にバックで入れる課題に移ったが、トラックの時の感覚を思い出してうまくいった。

問題は2種にしかないという「鋭角」だ。絶対無理!としか思えない狭さのV字カーブを曲がれという。ただひたすらハンドルを右に左に切りまくり、前進後退を繰り返して抜けるしかない。初回は完全にギブアップ。頭の中が真っ白になった。

切り返しは3回までと言われたが、指導員は1回の切り返しで通り抜ける。2回目は途中で「できません」と宣言したところ、車から降りて確認しろと言われ、指導員の操作を車外から見る。運転席から見ると、完全にコースから飛び出しているのだが、ギリギリのところでタイヤがコースに残っている。

バックも同様で、「わざと落としてみろ」と指示され、まったく見えない後輪を想像しながらそろそろ下げていくとガタンとコースから脱輪した。自分で思っていたよりはるかに後ろの位置まで下げられる。ここまで脱輪しないのか、ということがわかると、今度はその時の周りの目印を一生懸命探し、その目印を頭に叩き込む。

2日間6時間ほど技能教習を行った後、「明日から路上だよ」と言われた。「えっ?!」と驚いたが、バスの運転は乗客を乗せていない時には1種の免許でいいのだという。つまり、仮免許ではなくいつでも大型を持っていれば、路上を走れるのだ。

3日目一応コース走行の技能の見極めがあったが、苦手な鋭角はやらなかったので、合格し教習所の外に出るよう指示された。

教習所の近くを国道13号が通っており、そこをいきなり60km/hで走行しろという。私は「千葉県では、路線バスは40km/h以上出しませんけど」と言ってみたが、指導員は「郷に入っては郷に従うことですね。」と軽く受け流した。

その後も、国道347号に入り、交通量が少ないとはいえ幅の狭い田舎道をガンガン走るが、初めての道でカーブの様子がわからないままスピードを上げて突っ込むのは恐怖だ。こんなバス初心者の助手席に乗っている指導員の勇気には脱帽である(笑)。こうして初めての路上教習は終わった。



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6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (たかぴい)
2017-02-22 22:22:38
うーむ、さすが尊敬するキムさん。
なかなかのチャレンジャーぶりですね。

この間、かみさんに
「大型の免許取る。」
と宣言しました。

「なんで?」

と言われて、本当にやる気になりました。

大型免許取得者に、俺は、なる!
(海賊王に俺は、なるの節でお願いします。)
返信する
Re:Unknown (キム@FZX)
2017-02-23 07:20:07
たかぴいさん、私はただ運転が好きなだけです。大型を取るなら、合宿で大型2種を取ることをお勧めします。必ず役に立つと思います。

海外からの観光客が増えているのと、デイサービスなどで、運転手が不足しているのですが、緑ナンバーを運転できる2種は貴重だからです。

何よりも、バスの運転は楽しいですよ。
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Unknown (たかぴい)
2017-02-23 13:18:05
ご近所の自動車学校の料金表を確認。
大型二種免許取得費用が、なんと

 555,000円でした。

ただし、8トン限定をとるだけでしたら
100,000円(マイクロバスはOK)

 むむむむ・・・
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大型 (キム@FZX)
2017-02-23 15:57:20
たかぴいさん、私の行った自校では、大型二種は普通を持っている人では40万円でしたね。

私の場合は定年で雇用保険をもらっている間に取ったので、8万円補助がもらえました。

資格として何を身に付けるか、コスパ的にはどうでしょうね。私は道楽で取っただけですけどね(笑)。
返信する
Unknown (イタ)
2017-02-24 18:23:11
ご無沙汰してます。

キムさんの相変わらずなチャレンジャーっぷりがたまらないですね♪
私は去年6月に転勤で運送屋の車庫配属となりました。
全く未知な世界で、大型自動車のイロハを毎日学んでいます。
今年は「運行管理者」の資格に挑戦し、車輛の回送を行うためそのうち「大型自動車と牽引」をとろうと思ってますが……俺とれるかな?

貨物事業は運賃がやすいうえ決まりは厳しくなり大変な状況です(;´д`)
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お久しぶりです (キム@FZX)
2017-02-24 20:42:58
イタさん、お元気ですか〜。ご無沙汰しています。
運行管理ですか、大変な仕事のようですね。ぜひ頑張って資格を取ってくださいね。
牽引は、さらにハイテクニックですね。私が合宿で学んでいる時、自校の人からついでに取りませんか?と案内されましたが、丁重に御断りしました。
春になったら、走りましょうね〜。
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