goo blog サービス終了のお知らせ 

FZXな日々

YAMAHA FZX750を 旅の友として 気ままなツーリングの記録

さいはてツーリング ~4日目

2010年08月13日 | 北海道の旅
朝5時に目を覚まし、テントから出てみると青空が広がっていた。網走湖から昇る朝日が目にまぶしい。周辺を散歩して見ると、朝の冷気がすがすがしい。

結局管理人は回ってこなかったので、使用料を支払わないままチェックアウトすることになった。少し湿って重たいテントを撤収し、荷物を積み終わると出発した。

今日は知床半島を回ることにしているので、このまま天気が晴れていてほしいと願いつつ網走湖に沿って走った。天都山という標識に従って高台に登ってみたが、あいにく展望は開けなかった。途中に道の駅があったので、朝食でも食べようかと寄ってみたが、まだ7時なので誰もいなかった。

食べ物は売ってないかと探していると、車でやって来た観光客に「朝市はやってないんですか?」と尋ねられた。「さぁ?」と首をかしげながらも、駐車場を見渡すと「夕市」の看板が立っている。「夕市って書いてありますよ」と教えてあげると、泊まった旅館で朝市の優待券をもらったそうだ。

通りがかりの地元のおばさんに同じ事を尋ねると、「それは、きっと港の方でやってるものだ」と道順まで教えてくれた。私も行ってみることにした。港の近くまで行くと「感動朝市」と書かれたのぼりがたくさん立っていた。

それに従っていくと体育館のような建物があった。バイクを置いて中に入ると、ホッケを焼く良いにおいがしてきた。空きっ腹だったので1枚注文すると、奥でご飯とみそ汁を付けることができると教えてくれた。

焼き上がったばかりのホッケを皿に載せて持って行くと、奥は食堂になっており、ご飯とみそ汁を付けて600円也だった。他にもいろいろメニューはあったが、朝は焼き魚に限る。

おいしいホッケを食べながら、周りを見るとカニやサケを売る店が威勢の良いかけ声を挙げている。娘にカニを送るよう頼まれていたので、帰り際にのぞいてみると、毛ガニとタラバガニだ。娘に頼まれたのは花咲ガニなので、聞いてみると花咲ガニは根室でしか扱っていないという。

知床を回ってから根室にも行こうと思っていたので、じゃあ後で買おうかと立ち去ろうとすると、「おニイさん、ここのカニはゆでたてを送れるよ」と呼び止められた。

聞くと、女満別空港が近いので、冷凍ではなくゆでたてを直送しているという。カニはゆでたてがいちばん美味いので、値段を交渉してみると、家族で食べるなら、わけありがお得だという。毛ガニは1パイ2000円前後だが、脚が1本取れたものなら1200円だという。

しかし、娘には月曜日に届けてと頼まれているので、そのことを話すと、いつでもあるわけではないという。そこで、小樽でお世話になった先輩の家に3バイと、女房の実家に4ハイ送ることにした。先輩の家の分には、おまけと言ってタラバガニの脚も3本付けてくれた。

腹も満たされたので、地図を見ながらウトロを目ざして走り続ける。前方に知床半島が見えてきた。左側は海、右側は湖のようだ。地図で見ると濤沸湖だ。少し行ったところに小清水原生花園があった。


大学の先輩に小清水出身の人がいて、いつも原生花園を自慢していたので、寄ってみることにした。ちょうど開花の時期ということで可憐な花がたくさん咲いていた。エゾスカシユリというのが有名なので探したが見当たらなかった。


原生花園を後にして、R334号が知床につながるルートである。斜里岳を正面に見ながら走っていくと、地平線のかなたまでまっすぐな道だった。


知床は世界遺産に指定されてから有名になったが、私には遥かなる知床であった。大学1年生の時、4年生が動物学の生態調査で知床を選び、何度もフィールドワークに出かけていた。40年前の話だから飛行機などなく、ローカル列車で何日もかけてやっとたどり着く場所であった。

ヒグマの恐怖と背中合わせで、水域を回り昆虫を探すのだ。1年生は夏休みに実習を兼ねて付いて行くのだが、私は山岳部の山行を優先させたので都合が合わず行けなかった。

3年生の時、山岳部の先輩を中心に、知床連山の冬季縦走計画が立てられ、現役の部員は食糧補給を任されて宇土呂か羅臼から峠まで食料を運ぶ段取りになった。

ところが、その年は天候が悪く、危険が大きいということで縦走計画は中止になりとうとう1度も知床には行けずじまいだった。

だから今回バイクで北海道を走ろうと思った時、必ず知床を走ってみようと思った。天候に恵まれ、知床の山々を間近に見ることができるのは感動的だった。

世界遺産に指定されてから、観光客が押し寄せたものだから、有名なカムイワッカの滝まではシャトルバスでしか行けなくなった。途中の知床5湖まで行きそこでバスに乗り換えるのだ。


私は、知床5湖だけ見て戻ることにした。その5湖もヒグマが出没しているため2湖までしか行けないようだ。今年出来たという木道を使うと1湖と2湖は見られるそうなので、森林を歩くルートはやめて木道にした。


木道のすぐそばでエゾシカが見られたり、自然が豊富に残されていることはよくわかった。できれば、ヒグマも見たかったが、これは無理というものだ。



木道の往復には1時間くらいかかると書いてあったので、濡れたシュラフやテントをバイクに干して乾かすことにした。散歩が終わりバイクに戻ると、隣に停めた人が「やぁ、俺も干しておけばよかったなぁ」と私の様子を見て話しかけてきた。


その人は、これから岩尾別の温泉に入りに行くという。「よし、温泉に入る間干しておこう」と別れ際に言っていた。テント生活で濡れたシュラフに寝ることほど悲しいことはない。

そこから、知床峠まで一気に登り、樹間の気持ち良いルートを羅臼まで下った。羅臼には漁協直営食堂があったので、そこで昼食をとることにした。店に入って10分ほどしたら、ものすごい勢いで雨が降ってきた。

店の人は「通り雨ですよ」と平気そうだったが、せっかく乾かしたテントやシュラフを濡らしては大変なので、大慌てで荷物にレインカバーをかけた。今まで青空だったのに、こんなに天気が変わりやすいのかと驚いた。


食事の後、鮮魚売り場を見ていると、花咲ガニが置いてあった。そこの店員が気前が良くて、毛蟹やタラバガニをどんどんむいて食べ比べてみろと勧める。カニで腹いっぱいになったので、お礼に娘への土産を買うことにした。

花咲ガニを欲しいというと、特大を安くするから買えという。普通4000円くらいだが巨大な花咲ガニは6500円の値札がついていた。こんな大きいカニはあまり出ないから、6000円にするというので買った。

後日、届いたカニを家族で食べたら7人でも余るほど大きかった。

今日の宿泊地は然別湖と決めていたのだが、のんびりし過ぎて羅臼を出たのは3時近くになってしまった。然別湖までは200kmもある。とても無理だと思い、根室は諦めて釧路湿原にあるキャンプ場を探すことにした。

知床半島から海を見ると、すぐ近くに国後(クナシリ)島が見えた。直線距離で10kmほどだ。これが、北方領土か、とあまりの近さにビックリした。


釧路までは羅臼からミルクロードといわれるR272号線だ。両側に牧場が広がる大酪農地帯だが、走ってみると牛糞の臭いがモーレツだった。


ただ、信号もないまっすぐな道なので時間は稼げそうだが、昨日のことがあるので80kmに抑えてなるべく他の車の後ろを走ることにした。


標津(しべつ)の市街地を抜けると、後ろの車がやたら煽ってくることに気づいた。「何だ、こいつは?」と追い越させて運転手を見ると中年の男が2人乗っている。

この車についていけば、捕まることもないかな、と思い、後ろを走っていくと飛ばすは飛ばすは、150kmでもどんどん引き離される。どうして、こんな車が捕まらないの?と不思議に思いながらも、いいだけスロットルを開けて追いかけた。約50kmほど走ったところでわき道にそれたので、その後はまた慎重に走った。

おかげで予定より随分早く午後6時ごろ釧路の街に入り、釧路湿原という標識に従って行くと、市街地の外れにある山花公園キャンプ場に着いた。ここは動物園の隣にあるオートキャンプ場だが入浴施設もある。

管理棟に行き、料金を尋ねると1張り1000円で、他に入場料1人680円かかるという。高いなと思ったが、もう他のキャンプ場を探すゆとりもないので泊まることにした。

さすが、オートキャンプ場だけあって、洗面所やトイレの施設はホテル並だ。さっそくテントを張り、入浴施設である山花温泉リフレに行く。キャンプ利用者は100円引きにしてくれ500円だった。

温泉から戻ると、またコインランドリーで洗濯をした。午後11時までということなので、夕食のレトルトカレーを作りながら、乾かした。明日は、岩見沢の友人宅に泊めてもらうことにしてあるので、テント泊も今晩限りだ。

鏡沼、網走湖、山花公園と3泊だったが、昨年の能登ツーリング以来、久しぶりのテント泊は楽しかった。これで、もう少し天気が良ければ大自然の中で星空でも見られたのに、一晩も星が見えなかったのは残念至極だった。

メーターを見たら、自宅を出てから2000kmを過ぎていた。


本日の走行距離 348km(Total 2027km)。

最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
楽しかったツーリングが伝わってきます。 (たかぴい)
2010-08-15 08:58:20
どこまでもまっすぐな道…
ヒグマ注意、エゾシカに、花咲ガニとキムさん
の回想録を見させていただいています。

いつもの礼拝もきちんと行っていて、受け入れ
てくれる教会も懐が広いですね。

大学の先輩、同僚とのお付き合いが続いている
ということが何よりうらやましく感じました。

これらの、いろいろなエピソード
キムさん自身、しばらくはニヤニヤ楽しめそう
ですね。
返信する
私の備忘録 (キム@FZX)
2010-08-15 14:12:54
たかぴいさん、コメントをありがとうございます。

このブログは、単なる私のツーリング備忘録でして、あそこにはいつ行ったっけな、と後で思い返すために書いてるようなもんで、目にしていただけるだけで光栄です。

教会は、いつでもウェルカムなので、日曜日は私の教会にも新来者が結構来ます。同じ神様を礼拝するわけですから。

先輩と同僚は、男子寮でも同じ寮だったので特に親しいわけです。毎晩のようにコンパを開いて、サントリーのレッドを飲みながら人生を語り合ったものです。当時はバンカラだったので、女子寮との合コンはありませんでしたが(笑)。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。