
バイク旅行の本には、東京発でもう1つお勧めのルートが載っていた。山梨の桃源郷フルーツラインを走るルートである。山梨なら、日帰りできるじゃん、と思い読んでみると、石和温泉の「ほうとう小作」でお昼を食べてほったらかし温泉に入り、帰ってくるというお気楽コースである。
ほうとう小作には、何度も行っているが、記事にある「おざら」というメニューは知らなかった。これは食べてみなくては、と思った。たまたま、仕事が暇な時期だったので、天気が良ければいつでも行けるのにな、と思っていたら、4月3日に春の嵐がやって来た。
職場に朝出勤すると、「午後は荒れる予報で交通機関の混乱が予想されるので、各自有給を取って早目に帰宅するように」というお達しが出た。こんなことは滅多にない。仕事を片付け4時頃職場を出ると、風雨が強まり始め、5時頃には風速30mとなり、マンションの我が家ですら、風圧で建物が揺れるほどだった。
温帯低気圧にしては異常ともいえる960hPaにまで発達し、日本中を暴風雨圏に巻き込み、300人以上のけが人と死者も数人出た。しかし、スピードが台風と違って早いので、影響は1日ですんだ。
台風一過の晴天というが、この嵐の翌日はいい天気になるのでは!?と思い、天気予報を見ると、やはり翌日だけ晴れマークが出ている。これは千載一遇のチャンスと思い、ついでに翌日も有給を取り、ツーリングに行くことにした(笑)。
朝はまだ風が強かったのと、道路が濡れていたので、8時まで様子を見て家を出た。空は快晴である。気温は13度。少し肌寒い。道路は通勤時間帯なのに空いている。みんな大事をとっているのだろうか。
首都高速も全然渋滞していない。しかし、中央道に入ると猛烈な向かい風に襲われた。まるで風洞実験にさらされているような感じで、思いっきり前傾姿勢を取り、風防の陰に隠れるようにしてスピードを保った。
トンネルの中だけは風がなく、同じスロットルでぐんぐん加速していく。トンネルを抜けると急に抵抗が以前より大きくなりスピードがどんどん落ちてくる。まるでブレーキをかけたよう。
よく見るとハンドルカバーのベルトが緩んでおり、ハンドルカバーが風圧で押されて前ブレーキをかけているのだ。手でブレーキレバーを必死に押し返し、何とか談合坂SAにたどり着いた。
談合坂SAには9時半についた。何だか久しぶりに来たようで懐かしい。バイクなんか平日のせいか1台もいない。
最近、どこのSAもリニューアルし、以前の野暮ったさはなくなったが、価格までオシャレになって庶民には手が出なくなったのは嘆かわしい。
500円の予算で買えたのは、「談合坂ドック」とコーヒーだけ。
朝食を済ますと、再び風の中に飛び出した。雑誌のコースを忠実に走ることにする。一宮御坂ICで下り、R137号を河口湖方面に向かう。県34号との交差点で右折し、みさか桃源郷公園に行く。甲府盆地と南アルプスの眺めが良い。桜が1~2分咲きといったところ。
周りは一面の桃畑だが、どこもまだ咲いていない。残念ながら早過ぎたか。R20号に出て、石和温泉に入り、ほうとう小作を探すとすぐ見つかった。
平日の11時でも家族連れで混雑している。早速「おざら」を注文する。メニューには「冷やしほうとう」と注釈がある。
つけ汁は温かいが、冷たい麺を入れると、中途半端なぬるさになった。ほうとうとはまた違った味わいで美味しい。しかも700円というのは安い。
店を後にし、石和温泉駅の横で線路を渡り、R140号に出る。標識を見ると「雁坂トンネル」の文字が。そうか、140号というのは秩父に行く雁坂道のことだったのだ。
西関東道に入り、すぐフルーツラインに分岐する。フルーツラインは、果樹園の中を抜けているので、道も狭くきっとシーズンには農家の車が往来して走るには注意が必要だろうと思われた。しかし、甲府盆地の端なので、ぐんぐん高度が上がりみるみる展望が開けてくる。
富士山も頭を出している。フルーツラインの頂上には富士屋ホテルがあるのだが、ほったらかし温泉はさらにそのはるか上にある。舗装が切れるところまで上り、砂利道の駐車場を抜けると温泉だ。
ここに来るのは2回目で、前回は「あっちの湯」に入った。入浴料は700円だが、「あっちの湯」と「こっちの湯」のどちらかしか入れない。今回は「こっちの湯」にした。
「こっちの湯」は「あっちの湯」の半分ほどの広さだが、真正面に富士山が見える。「ぬる湯」と「あつ湯」、それに一段低い岩風呂があり、狭いが内風呂もある。
「あつ湯」に入ってみたが、40度くらいでちょうど良い湯加減だ。今日のような寒い日は「ぬる湯」では物足りない。
のんびり1時間ほどつかっていると、帰りたくないな~という思いにとらわれた(笑)。が、明日は絶対休めない。当たり前だ。帰るとしよう。雑誌では、武田神社を回って甲府昭和ICから中央道を戻ることになっている。
しかし、雁坂道の文字が目に入った以上行くしかない(笑)。雁坂トンネルはTMTCのツーリングで一度だけ行ったことがあるが、真夏にもかかわらずひんやりして気持ちよかった。雁坂トンネルを抜けると秩父路となる。するとR299号から花園ICというルートか。
雁坂峠が近づくと、「凍結注意」の電光掲示が現れた。えっ、ひょっとして雪が残っていたりして。。。まさかな、この気候だからもう解けているだろう。と自問自答を繰り返す。
トンネルの手前に蒟蒻館という土産物屋があったので立ち寄ると、日本全国の蒟蒻製品を展示販売していた。蒟蒻で作ったパスタとかうどんとか、くず餅?とか面白そうだったので、家族のお土産とする。
お店の人はとても愛想がよく、お茶を飲んでいってと勧めてくれる。先を急ぐので断ると、ぜひ蒟蒻を食べていってと、言われるので断りきれず椅子に腰掛けると蒟蒻をいろいろ試食させてくれた。
黄色いゆず風味の漬物?が美味しかった。
雁坂トンネルは、二輪車は560円と高い通行料だ。普通車だと710円である。
幸いなことに、凍結注意の表示は、トンネル内にもあったが凍結はしていなかった。
しかし、トンネルを抜けるとまだ路肩に雪が少し残っていた。気温は7度と寒い。
峠から下っていくと、ループ橋やダムなど景観が素晴らしかった。
秩父の象徴である武甲山が近くに見えてきた。よくもまあ、あれだけ削ったものだ。
秩父といえば、FZX友の会でオフ会をやった時「わらじカツ丼」が話題になっていた。私は参加できなかったので食べられなかったが、せっかく秩父まで来たのだから食べていこう。
ツーリングマップルで探すと、小鹿野の町にわらじカツ丼と書いてあるが、店の場所は書いてない。友の会では安田屋という食堂だったはずだ。
ともかく、少し遠回りにはなるが、小鹿野町に行こう。小鹿野はバイク博物館で有名になったが、採算が取れなかったのかすぐ閉館してしまった。少しずつ充実させて残して欲しかった。
小鹿野の町に入り、GSで給油しながら聞いてみると、安田屋の場所は教えてくれたが閉店時刻が早いという。ともかく行ってみる。
りそな銀行の裏だと聞いたが見つからない。しかし、通りにある店には「わらじカツ丼」ののぼりが立っている。その内の一軒の前で停まると、バイクの音を聞いてか店の人が出てきた。「わらじカツ丼は食べられますか?」と聞いてみると「やってます」とのこと。店の前にバイクを止め、中に入るとすごい数の色紙。
「昭和」という店名だったが、有名なのだろうか。主人が出てきて「あいにく休憩に入ったのでちょっと待って」といかにものどかなことを言われた。しばしテレビを見て待つ。壁に「この店には料理人が1人しかいませんので、調理に時間がかかります」という信じられない貼り紙もある(笑)。
20分ほどして、注文の「わらじカツ丼」が出てきた。ちゃんとわらじになっている!ご飯の量も多い。半足もあると聞いていたが、この店には「半足(お子様用)」という貼り紙が。逆にメニューには「大盛り」もある。
850円也を払って店を出ようとすると「バイクの人にはサービスです」と言って缶コーヒーを1缶くれた。小鹿野の人はいい人ばかりなんだとカンドーする。
地図を見て帰りのルートを探す。秩父市内を抜け、R140号で花園ICから関越道に入るのが普通だが、R299号で正丸トンネルを抜けて飯能に行き、狭山日高ICから圏央道~関越道というルートもある。
花園ICは何度も利用したことがあるが、正丸トンネルは通った記憶がない。というわけで正丸トンネルに向かった。日没後も満月に近い月で明るく感じられる。ダンプの後についてしまい、道が狭いので抜くに抜けず、延々と車がつながる。1時間近く走ってやっと信号で追い抜けた。
ICの1km手前でR299号と別れて左折する。コンビニでトイレを借り、小鹿野の店で貰った缶コーヒーを飲みながら小休止する。長時間走っていると、お尻が痛くてたまらない。走りながら姿勢を変えたり、立ち上がったりすると少し和らぐが長くは持たない。やはり、1時間に1回はバイクから降りたほうがよさそうだ。
狭山日高ICから鶴ヶ島JCまでは7km、その後関越道~外環道と70kmほど走り、無事午後9時に帰宅した。
本日の走行距離 420km。平均燃費22km/L。
私は減量中だったので1枚しか食べません
でしたが、2枚行けそうなうまさでした。
ほったらかし温泉も、昔のほったらかし
感がよかったのかもしれませんが、700
円ならすぐ下の近代的温泉に行けばよ
かったと若干思いました。
キムさんがツーリングしていたころ、
私は入学式やら学生後援会大会やらで
へろへろでした(笑)。
半足を頼むべきでした。
ほったらかし温泉は、開放感が好きです。露天は何軒も行きましたが、あの絶景は他にはないと思います。
お仕事大変そうですね。うちは来週から大忙しです。あっという間に夏が来そうです。
7日は会えないようなので残念です。また~
私は去年四万十市に単身赴任となってから通勤方法をウオーキングに変更した結果、ウエスト8CM減となり、現在はウエスト94cmのズボンがはけるようになりました。
1日1時間以上また1万歩以上をノルマとし、またジャンクフードを避けるようにすると意外と意識しないでやせてしまいました。
ところで餃子カレーは札幌市内でチェーン店を展開する「みよしの」で食べることができます。
キムさんが走破された片道約200kmは高知から走ると岡山県の湯原温泉(混浴が有名)までの距離とほぼ相当しますが、あの通行料金が高いことで有名な瀬戸大橋を走ることになるので、通行料金だけで1万円以上します。よほどのことがなければ海を渡ることはありません。
瀬戸大橋は高いんですね。高速1000円の時に行っておいて良かったです。
私は、以前ウェスト88cmのズボンを履いてましたが、現在は79cmで、3Lだった体格がLになりました。
おかげで、持っていた背広がダボダボになり、買い換えねばと思いつつも、背広は通勤時だけで職場ではジャージでいることが多いので、もったいないと思いまだ買ってません。
ここ数年はクールビズでネクタイもしなくていいことになり、服装についてはラフで助かります。
ライダースーツも同様で、みっともないです。
昨年やっと3シーズンの上下を買いましたので、今度はキツくならないよう頑張ります(笑)。
FIRESTORMさんは、本当に道内事情に詳しいですね。また北海道ツーに行きたいです。