まほろばジャーナル。

趣味と道楽のみちくさ話し

第67号:高峰→小谷→乗鞍、新春温泉旅行【2日目】

2007年01月10日 | ■旅行・温泉/長野県
2日目 高峰から小谷へ。



キラキラと朝陽の眩しい朝。今日も高峰の一日が始まります。朝食も夕食同様、薄めの味付けで上品な感じ。美味しくいただけます。



雪上車でアサマ2000パークまで降り、車に乗り換え今日の目的地である小谷の山田旅館を目指します。途中の車坂峠からは遥か遠くに富士山も望めます。



白馬へ続く鬼無里街道には戸隠も近いためいくつかのそば屋がありますが全て休業。結局飯にはありつけづ白馬のそば屋で食べることに。



山峡を縫うように走る鬼無里街道ですがトンネルを抜けると今まで全く見えなかった北アルプスの山並が大きく広がります。



小谷に近付くと日本海まであと○○キロと言った標識をいくつも目にします。宿に行くにはまだ早いしスノボをやるにはもう遅い。ということで少し足を延ばし日本海まで行ってみました。冬の日本海といえば凍えそうなカモメが飛び、荒れ狂う波を勝手に想像していましたが生まれて初めて見た日本海はいたって穏やかでした。



小谷の集落をぬけ山道をどんどん進んでいくと山田旅館に到着です。山田旅館は本館、別館、新館(健康館)の3棟からなり本館は江戸時代末期の建造物で有形文化財にも登録されています。ということで予約のおり本館希望で話をしたはずが通されたのは別館の部屋。仲居さんにその旨話すと「こっちのほうがきれいでいい部屋だから」と言われ、そんなにまで言われれば部屋を変えてくれとも言えず別館に落ち着くことに。後から本館の部屋を見に行ったら旅籠風情の非常に趣のある部屋でした。しかもがら空き。



帰り際に見学だけしたお隣の熱泉荘もそうでしたがこの辺のお宿は建物周り水を敷き屋根から落ちる雪が積もらないような工夫がされています。館内の床や柱などは磨きこまれなかなかいい味をだしてます。



左は洗面所。もちろんお湯などでません。歯を磨く時や顔を洗う時あまりの冷たさに手が痛くなりますが、逆に普段の生活の便利さにありがたみを感じます。右は談話室?と思われる部屋、変に取り繕って無い感じがなかなかいいです。



浴場への入り口。暖簾か掛かっているわけでもなく素通りしてしまいそうな感じ。



温泉は噂どおりのいい雰囲気といいお湯でした。雑誌等で何度も目にしてましたが上から滝のように落ちてくる温泉はかなり高い位置からで3メートル近くありそう。写真では見えませんが滝の後ろには析出物で出来た柱が鎮座している。これもかなりの迫力です。ちなみにこの温泉、明治時代にドイツで行われた温泉博覧会で、日本を代表する温泉の1つとして国から推薦され出品されたそうです。



壁と同化しているがコップも置かれ飲泉もできる。薄鉄味のまろやかな飲みくちで結構いける。石棺に見えなくもないが木製の枕が置かれ寝湯もできる。



健康館には露天もあると聞き行ってみることに。ところがこの健康館、どうもこの山峡に不釣り合いな不思議な建物でした。まずいきなりエレベーターに出くわします。隣り合わせの別館は大正時代の建築。100年近く使い込まれた床をみしみし言わせながら歩いてきたのが数秒前。いきなり文明の利器に出くわし少々たじろぎます。気を取り直してエレベーターに乗り込み地下に降りるとこれまたビツクリ。お客が少ない日だったということもあるのでしょうが電気が全部消えていて人の気配は全く無し。非常口を示す緑のライトだけが寂しく光ってます。薄明かりを頼りに歩みを進めるも温泉らしきものは全くナシ。廊下の突き当たりまで来てしまい続く階段を登るといきなり小学生くらいの少年が現れ思わずキャ~~~!っと叫びそうになった。少年も明らかに警戒心いっぱいに僕を見ている。かなり驚いたが平常心を装い大人の余裕を見せつつ「お風呂はどこ?」と聞くと「下です。」と少年、どうやら宿のお子さんらしい。来た道を戻り行ったり来たりウロウロしていると真っ暗な部屋の脇に暖簾を発見。やっと見つかりました。手探りでスイッチを探し電気をつけると昔懐かしい筋トレのマシーンがいくつも並んでました。っていうか温泉に来て筋トレしようって思う人がはたして何人いるのか。。



新館の内湯は本館の内湯ような情緒があるわけでもなくいたって普通のものでした。露天はというと温泉の投入は無く内湯との境の壁に開いた穴からお湯が流れ込むだけで温くて入れるものではなかったので見学だけで済ませることに。なんだか非常に複雑な思いで新館(健康館)を後にしました。



晩ご飯はいたって普通の旅館料理ですが小鍋のおでんには驚きました。結構いろんな旅館に泊まってきましたが夕食におでんがでたのは初めてです。初めて泊まった宿で余計なお世話かもしれませんが山田旅館が世間のニーズとは違った方向に進んで行っているような気がしてなりませんでした。なーんてことを考えながら小谷の夜は今日も更けていきます。

小谷温泉 大湯元 山田旅館
住所:長野県北安曇郡小谷村中土小谷温泉
電話:0261-85-1221
料金:1泊2食11,000円(部屋によって値段が変わります)
泉質:ナトリウム炭酸水素塩泉(重曹泉)
訪問:07.1月初旬

※ビール中瓶600円