恋愛ブログ

世にも不思議な物語。
出会いの数だけドラマがある。
一日一話愛の短編物語。
〜ショートストーリー〜

11.雨の時間

2012年07月01日 | 雨の物語
 喫茶店の窓際の席で、何気なく外を見ていた。  ゆっくりと雨が降り出して来た。  新聞紙を頭にかざし、雨をよけようとしているサラリーマン、折りたたみ傘を広げている禿げたおじさん、ハンカチを頭にあてて、雨に濡れないようにしている細い女性が足早に通っている。  まるで、四角い窓が映画のスクリーンのように鮮明に映し出されている。   私がその女性を思い出す時は、決まってこんな雨の夕暮れだった。  静かな . . . 本文を読む