私の同居している高齢の母親は、もう痴呆が始まってきているのか、困ったことばかりしています。
昔から人の言う事をまったく聞かない性格でしたが、夫である私の父親が亡くなったことで、ますます歯止めが効かなくなっています。
私も夫も家を空けてしまうと、その間に庭の植木を切り倒してしまい、すでに椿の木が一本と、さつきが二本、切り倒されて無くなってしまいました。
思い込みの執念はすごいもので、よくもまあ一人でこんなことが出来たものだと呆れています。
まだまだ目を離すと、何をしでかすか分からないので、注意して止めておくのが大変。
自分がやろうと思っていることは、それがどんなに常識的に困ることで私たちが「やらないで」と言っておいても、必ずやってしまうのです。
そういう性格ですから、信心深さなどというものとは無縁で、仏壇に毎朝お茶とお線香を上げるということも、やったことがありません。
毎朝、私がお茶を淹れて上げて、夫がお線香を上げるのがルーティーンになっている状態です。
私が、節目節目に仏花を買ってくると、必ず見咎めて怒ります。
無駄なことをしていると思っているのです。
私は慣れてしまっているので、相手にもしませんが、それでもいちいち文句を言われるとイラっとしますし、イラっとしなければならないのが判っていることに嫌気がさしています。
今年もお盆がもう終わりますが、いろいろありました。
地方によってやり方はいろいろだと思いますが、盆棚を組み立てて明かりの灯る提灯やら走馬灯やら飾りますよね。
母親はその明かりが気に入らない。
電気代がかかるからです。
で、私たちが目を離すと、コンセントからプラグを引っこ抜いてしまうんです。
ですから、盆棚を飾った奥座敷は真っ暗に。
怒っても耳の遠い母親は、何を言っているか分からないと言って知らんぷりです。
痴呆も始まっているようですから、自分が何をしでかしているのか、まったく理解していないのです。
14日には、もうお盆は終わりなのにどうして盆棚を片付けないんだと言って大騒ぎ。
まだお盆は2日目の14日だって言って、納得させるのが大変でした。
それでも、お盆の間、仏様に三度の食事をお供えすることに関しては、私が怯まず続けたので、文句を言わなくなりました。
我が家は8畳の奥座敷と10畳の客間という風に、和室が2部屋続いており、母親はこのところずっと客間の座卓のある場所で、草取りをしないときは横になってテレビを点けたまま寝てしまったりしています。
そこでいつも寝ぼけて、子どもたちをびっくりさせたりしているんです。
特に昨日は、寝ていたら誰かに背中を蹴られたと言って大騒ぎ。
子どもたちが見に行くと、泥棒でも入って来たのか、どこか空いてるのかと言われたらしく、ばーちゃんが変な事言ってると私に言いに来ました。
私は台所に居たのですが、またか、という感じで、そりゃじーちゃんに蹴られたんだろって笑ってやりました。
子どもたちも妙に納得していました(笑)
それで、今夜は父親の好物だったのを思い出して、うなぎの蒲焼をお供えすることにしました。
中国産は気持ちが悪いので、国産のを2尾買って来て、大人は鰻の蒲焼で、子どもたちは嫌いなのでポークソテーにしてあげました。
フライパンにオーブンペーパーを敷いて、切った蒲焼を乗せ、たれをちょっとかけて温めます。
炊き立てのごはんにもたれをかけて、温めた蒲焼を乗せて、さらにちょっとたれと山椒の粉をかけて出来上がり。
仏様には小さなお皿に盛って、お供えしてきました。
生きてる間にたくさん作ってあげられれば良かったのですがね、さすがに鰻は高くって、今でもこういう節目にでもなければ出せませんよ。
でもまあ、霊というものが存在しているのなら、父親も喜んでいるでしょう。
明日がまたお墓参りなので、高台の墓地へ仏様を送って行って、帰ったら盆棚を片付けるので、けっこう疲れる一日になりそうです。
暑いですからねえ。
母親はもう、高台までは歩けないので、知らんぷりで過ごすと思います。
最後に父親が説教しに出て来てくれないかな、なんて思うんですけどね。
無理か(笑)