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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 二次創作 48話

2017年03月27日 18時39分02秒 | 二次創作


※ 画像は公式サイトから引用しました


※ このシナリオは二次創作作品です。公式47話からの分岐を妄想して書きました

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48話


モビルアーマーを使役し、モビルスーツを駆逐するバエル。
もはやマクギリスの目はどこも見てはいなかった。

動揺するオルガにユージンが詰め寄る。
「何か知っているのか? 一体、何が起こってるんだ?」


回想シーン。


マクギリスの母艦にて。

「今こそ君に伝えよう。
 バエルに宿ったアグニカの魂とは何なのか。
 厄災戦の真実を――」

「その真実とやらが、俺たちを救ってくれるってのか」

「救うさ。我々は、な」

「どういう意味だ」

「おそらく我々以外の人間は全て、死ぬ」

「は? おいおい、そりゃどういう意味だ」

「安心したまえ。鉄華団、そして私の同胞は無事だ」

「話が見えねえぞ!」

「バエルには……モビルアーマーを制御する
 プログラムが組み込まれているのだ」

「おいっ……モビルアーマーって、あの」

「ああ。三日月オーガスが討ち取った、
 あのモビルアーマーだ」

「私もバエルに搭乗するまで知らなかったのだ。
 バエルに眠っていたアグニカの記憶が教えてくれた」


マクギリスは語る。
彼が信じた力の象徴、英雄アグニカ・カイエルの真実を。

アグニカこそ厄災戦を引き起こした張本人だという。

モビルアーマーを使役し、無慈悲な力を行使して
人類の滅亡を目論んだ。

厄災戦が始まった時にはモビルアーマーは
全て自動的に動いていると思われていたので
初代セブンスターズの当主たちは
「モビルアーマー殲滅」を掲げてアグニカに力を貸した。

だが黒幕がアグニカだと分かり、
彼はモビルスーツのコクピットで銃殺された。

アグニカの死亡と共にモビルアーマーのプログラムは停止。
『自動的に反撃する』という命令を除いて。

そして真実は闇に葬られ、厄災戦を終わらせた英雄として
セブンスターズは讃えられ、秩序の代名詞・ギャラルホルンを作り上げた。


マクギリスは笑う。

「何がおかしい」

「私が理想としていた英雄は、作り物だった。
 これを笑わずして何を笑う」

「……話を元に戻すぜ。
 アンタはモビルアーマーを使うつもりなのか」

「そうだ。火星には三日月オーガスが討ったハシュマル以外に、
 幾つものモビルアーマーが眠っている」

「あんなものが他にも……」

「私はそれを使い、アリアンロッドを殲滅する。
 これこそ逆転の一手だ。
 どうだ、悪い話ではないだろう?」

「……引っかかることがある。
 地球でバエルを起動させた時から分かってたんだろ。
 モビルアーマーを操れるって」

「ああ。だが地球にはモビルアーマーは残っていなかった。
 使おうと思っても、その手は使えなかったのだよ。
 それに……あんなものを使わずとも、
 セブンスターズは私に従ってくれるものと思っていたのでな」

「もしモビルアーマーを蘇らせたとして、本当に操れるのか?
 あんなのが幾つも暴れたら、止められねえぞ」

「大丈夫だ。私の理性が残っているうちは」

「どういう意味だ」

「……ふむ、三日月オーガスなら理解してくれただろう。
 アラヤシキを使ってガンダムの力を引き出すたび、
 パイロットはガンダムと一体化するのだよ。
 彼は目と腕を、その次は半身の感覚を失っただろう?」

「……! まさかアンタも……」

「そうだ。バエルの力を引き出すほどに、
 私もアグニカと同じようにシステムに呑まれていく。
 いいか、私の理性が残っているうちに全てを片付けられるかどうか。
 これはそういう戦いだ」

「もし、アンタがバエルに呑まれたら?」

マクギリスが笑う。

「その時は人類全ての終わりだよ」

「!!」


回想シーン終わり。

オルガは言う。こうなるまで、半信半疑だったと。

モビルアーマーを引き連れたバエルを見て、
マクギリスの言葉が嘘ではなかったと確信できた。

「いいかお前ら! 迂闊に近付くんじゃねえ!」

鎧袖一触、アリアンロッドの勢力を屠っていくモビルアーマー。

余りに強大な力に、巻き込まれて一般人にも死傷者が出る。


通信が入る。
「私についてこい、鉄華団。
 我らが……武を見せつけようぞ」

三日月がオルガの肩を叩く。

「行こうオルガ」

「ミカ……」

「あいつらは、ここに居ちゃいけない」

「……! ああ」


そうだ。
もしマクギリスがバエルに呑まれたら、その時は――。

「これこそが純粋な力!
 アグニカが手にした力の極北!
 感じるぞ、湧き上がる力を……!!」

今までのマクギリスではない。
既にもう変わり始めている。
後戻りはできないと、オルガは実感した。


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