ゆるふわ屋。 - 鏃キロク・若林浩太郎のブログ -

シナリオライター若林浩太郎のblogです

亀田興毅の世界戦について

2006年08月03日 21時06分27秒 | 雑記
昨日、亀田興毅の世界戦を見てました。

判定に疑問の声、だそうですね。
私は「かなり微妙だな」と思ったくらいで、
周りから聞こえる「あからさまに八百長」とまでは
思いませんでした。

もちろん、あれだけお金の絡んでるものなのだから、
そういった面があるかもしれないと思われるのは
避けられないでしょう。

スポンサーは以前からパチンコメーカーの
キョウラクですよね。

世界戦のトランクスには各社が競って
結局、コーヒーのBOSSになりましたし。

グローブは9月公開の「X-MEN 3(完結編)」でした。

ただ、私がここで一つ言いたいのは
「むしろ逆に負けの判定にした方が
 得だったんじゃないの?」ってコト。

亀田家はポッと出の成り上がり。
ビッグマウスのパフォーマンスでメディアには取り上げられやすい。
ふてぶてしい態度で目をひく映像。
KO勝利で人気獲得。
強さの秘訣を映像で編集すると「兄弟思い、父思いの好青年」になる。

で・も・ね?

勝ってるから、持ち上げられてるんだよね。
成り上がり者は、それを殊更に意識していなくては
ならなかったのではないか。

負ければ最後、あることないことを言われ
書かれるのは分かっていなければならなかった。

元々、私は亀田興毅にとって問題なのは
世界戦ではなく初防衛だと思ってました。

「親父の言ってる通りやってれば、世界は獲れるよ」

じゃあさ、世界チャンプになった後に
「親父のやり方」が通用することを証明し続けられるのか……?

目標を達成「してしまった」者の気持ちって、キツイもんですよ。

特に今回の判定で、私は亀田興毅が
多かれ少なかれ「後ろめたさ」を
背負ってしまったのではないかと思うんです。

朝ズバッ! に生出演してましたが、
なんとなくそういう「かげり」が見えました。

そんな気持ちを背負ったヤツが勝てるわけがない。
それこそ「次こそ負けられない」んだから。

払拭するには同じ相手……ランダエタを相手に
初防衛するしかないでしょう。
むしろアウェーでやるべきだ。

私は小学校の頃から人付き合いが得意ではなく、
中学・高校とエスカレータ式の男子校に行きました。
進学校でした。

しかし成績は芳しくなく、
高校3年になっても落ちこぼれのまま。
浪人しても志望校に全く届かず。

PSで発売された「FF7」に希望のようなものを見出し、
一念発起して専門学校に入学。

誰も自分を知らない新天地で快進撃を続けました。
3年目には老舗の有名ゲーム会社にプランナーとして
現役の内定を貰い、私に面と向かって「お前はダメなヤツだ」と
言う人間は居なくなりました。

そして私は単純なる「体力の不足」という理由により
退職することになり、専門学校時代にどれだけマイナスな
見方をされていたのかを知ることとなったのです。

付き合っていてウマミがなければ、
誰も成り上がり者なんかについてくるものかよ。

低迷しきったボクシング業界の活性化に一役買った
亀田一家が「八百長疑惑」めいたものを受けるなんて
本末転倒もいいところ。

夢の始まり、第一章?
3階級制覇が目標?
馬鹿なコト言ってんじゃねえ。

最短でいこうってんなら、それこそ
ベルトを返上して試合やり直した方がいい。
もちろん相手は今回と同じ。

もう、ゴールデンで試合が流れることも
ないだろうけどな。

昨日、亀田興毅は「親父の言う通りやってきた」のに
リングでは一人であるということを嫌という程
思い知らされたハズだ。

曲者と言われ、汚いヤツだと言われてもいい。
今度こそは、勝利という樹木を根元からねじり切り、
もぎ取ってくるのだ。それしかないのだから。

ゲド戦記(レビュー:映画 ゲド戦記 アニメ 宮崎吾郎)

2006年08月03日 20時24分46秒 | レビュー

本日、家の近くの映画館で観て参りました。

mixiでも書きましたちょいジョークを含めた批評から入ります。

なんだろな。

スタジオブゾリ ゲドウ戦記、って感じ?

アイン
「むっ、てめえはブゾリ!」

ブゾリ
「アインともあろうものが、  なんてザマだぁ~っ」

アイン
「……。おい、ブゾリ」

 ブゾリ
「ん……ぷわっ!?」

(ブゾリの頭を殴るアイン、そこが  陥没してブゾリ死亡)

アイン
「ごめんな。俺はやっぱり強ェよな。
  ってことは……あの男が強すぎるのか」

ってな感じで超ウロ覚えの 北斗の拳より引用。

まあ、ややマジメに書くと……。

夏の甲子園大会!
優勝本命高で 150km代のストレートを
投げるピッチャーが出た! みたいな。

しかし投げられる球はストレートのみ!
というわけでストレート投げました、
ってな具合の内容でしたでしょうか。

金払って観たので ボロクソに言うのは
ゼンゼンOKだと 思いますし、
むしろ皆さんが 酷評してたので救われた感じでした。

何よりも、先週の土曜日にテレビで
放送されてた特番を先に観ていたのが
大きかったと思いますね。

(敬称略)

 宮崎駿と息子で今作の監督である
宮崎吾郎との怒鳴りあいのケンカの話とか。

なぜ吾郎を担ぎ出したのかとか。
誰が吾郎を担ぎ出したのかとか。

ジブリの鈴木プロデューサーが
吾郎を担ぎ出したのですが、
その記者会見の時に「紅の豚」の劇中の
台詞を引用してたんですね。

鈴木P
「宮崎がね、紅の豚でイ~イこと
 言ってるんですねえ」

メカニックの娘
「ねえ、一つ教えて。
 いいメカニックに必要なのは経験?
 それともインスピレーション?」


「インスピレーション(閃き)さ」

鈴木P 「なのに、宮崎吾郎に監督をさせたいって
 言ったら、駿は言うんですよ。
 『経験がないじゃないか!』
 あのオッサン、嘘ばっかり言ってる!!」

これを見て兄弟して、大爆笑。

で、公開1ヶ月前の試写会で
駿が観に来て、上映中に
1回劇場を出て 暫くして戻ってきて。

その数日後、
人を介して監督である吾郎に
駿からの感想が届いたんだそうです。

その感想とは。

「素直な作りで、良かった」

この一言に尽きると思います。

原案:宮崎駿「シュナの旅」
これは嘘!
ゼンゼン違う。

なんも映像作品を作ったことのない
新人が作ったんです。

そう思って観て下さい。
むしろジブリだったから、
悪い印象を与えたんじゃないかなって
思うくらい。

冒頭に出てくる文章から
最後まで 言ってることは一貫してます。
 単純なこと。
シンプルすぎて分かりづらい。

アニメが好きで、映像作品もよく観てて、
同じ軸上で比べると全くもって ダメに
みえて仕方ないと思いますよ。

けど、そういう酷評があったので
「せっかく観る以上、ひとつ光るものを
 みつけて帰ろう」って思って観たから。
少し救われたんじゃないかな。

自分は音楽とかヒロインの歌とか
良かったと思いましたけど。

逆に兄貴は褒めてました。
まあ、本人はかなりの変わり者なので、
そこは気にしないでおいて……。


で、真面目にレビューいきましょうか。

監督である宮崎吾朗さんは、
あの宮崎駿の息子さんです。

元々は三鷹の森ジブリ美術館を竣工して
これを成功させた人なんだそうです。
くわしくはWikipediaでも見て下さい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E5%B4%8E%E5%90%BE%E6%9C%97

で、まあ新人監督なんですよ。
ジブリだけど。
話の練りこまれ具合とか演出とかを真正面から
見ると「最近観たアニメ映画の中で最もしょーもない」ですね。

脚本だけを読んだとしたら、
たとえばライトノベルで新人賞に送られてきた
何千とある応募者の中において
第一次選考で真っ先に落とされる感じ
だと思います。

しかしそれゆえに、洗練されておらず
まさにピュア、まっすぐ、捻りのない作りになっており
そこを評価できるとも言えます。

もし仮に、宮崎吾朗がジブリ以外で
映像を作ったらどうなるだろう? と思うと
興味は尽きません。

でも、もし本人がこれからも作り続けるのだとしたら
「ゲド」でデビューしたのはマイナスにしかならないと思います。

今回は宮崎駿監督のジブリ作品と比べられ、
外で作ればジブリと比べられる……これは
本人にとってプレッシャーでしかないかなと。

で、ここで「じゃあ、比べる意味ってあるのかな」
ってことになりますよね。

当初「ハウルの動く城」で監督に抜擢された
細田守監督は、ゲド戦記と時期が被ってしまいましたが
「時をかける少女」を作りました。

ハッキリ言って、ムダに目だけ肥えた私から見ても
相当にいい出来の作品だったと思います。

じゃあ「ハウル」は細田さん版のが観たかった?
もし駿が「ゲド」を作ってれば良かった?
そんなの比べる意味ないと私は思うんです。

質が全く違うものだと思うんですよ。

そして、同じ軸上に並べて比べる必要もないし、
比べることで映画を純粋に楽しむことを
阻害するというのならば、そんなことしなくていい。

もし「ジブリだから観に行こう」と思われるのでしたら、
ムリに混んでいる今の時期に映画館に行かなくても
いいかもしれません。

ただ、人の話を聞いただけで自分が観たような
批判するのは赦さんけどな。

くどいようですが、音楽は良かったです。
テルーの歌も心に響きました。
少なくとも一つ、光るものが私の心には残りました。