私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

恋愛するということ 44

2020-06-05 11:39:06 | 日記
アルバイトをしていた頃に飛びぬけて面白い男性がいた。
彼は某有名美術大学を卒業した後、著名な画家の弟子となった才能ある人物だった。
が、本人曰く『恋愛にのめり込んだ為破門』となったらしいが、あやしいもんだ。
というのも、彼の聞く話しはすべて、脚色してるんではないの?
と思うほど、出来事がドラマチックなのだ。
たとえば、渋谷の交差点を歩いている時、転んだ老人を助け住まいの横浜まで送ってあげたら、
とてつもない豪邸だったとか。後日、その老人に養子になってほしいと言われた話。エトセトラ・・・
不思議エピソードは語り尽くせない。
「おはよう!君今恋しているだろう」このセリフが彼との初対面だった。
更に「何故わかるかって?それは君の瞳がキラキラ輝いているからさ」
勝手に恋愛中にされた私は棒立ち状態。しかし彼の軽い皮肉と風刺のきいた言葉は皆を魅了した。
彼の回りはいつもユーモアの花が咲き、女性達は彼を追いかけた。
彼の交友関係にも驚かされた。某有名大学教授からホームレスのおじさんまでお友達なのだ。
幼稚園児から八十代までの友達。
老若男女、すべての人間達に公平に接している彼の生き方に私は、圧倒された。
時々彼はため息をついて言った。
「地球は生きるのがつらい」
飛びぬけて純粋な感性は多くの出来事や、人々によって深く傷ついていった。
彼の限りない純粋で無垢な魂を、当時の私は理解して保護してあげる器量がなかった。
彼は空を見上げ何度も言っていた。
「何故人間の欲望は強いのだろう。水と空気、それさえあれば幸せじゃないか」
彼は今どうしているのだろう。類まれなる才能は開花されたのだろうか。
昔、面白くてエキセントリックな魅力的な男性がいた。