私は地球で楽しく遊ぶために生きている

心はいつも鳥のように大空を飛び 空に吹く風のようにどこまでも自由に

尽くしすぎる女〜12〜

2016-12-18 18:10:33 | オムニバス恋愛小説
「重いってどういう意味?」
夏美の表情が益々険しくなる。
孝志は観念したように夏美への不満の口火を切った。
「もう僕中心で生活するのはやめて欲しい」
「孝志はそう思っていたの?ずっと」
「夏美が時々口にしていたあなたの為にという言葉が
重いんだ」
「だって私が料理を作ったり掃除をしてあげたりしたら
孝志喜んでいたじゃない。
私は孝志の為にがんばったのよ!色々」
「恋愛って頑張るものなの?」
「酷いこと言うのね。孝志が好きだから無理なことも頑張れたのに
今更どうしてそんなことを言うの?」
「僕の為、僕の為って必ずいうよね。それが重いんだよ。
何でそんなに頑張るの?どうして……どうして…」
孝志の表情が苦渋の表情になった。
「何?」
「どうして、僕から愛させてくれないんだ?
どうして僕から追いかけさせてくれないんだ?」
「どういう意味?」
夏美は、意味がわからず怪訝な表情で孝志を見た。

続く…