牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

2月20日(木) 「説教学入門」 チャールズ・スポルジョン著  いのちのことば社

2014-02-20 12:54:03 | 日記

 世界の説教の歴史において傑出した説教者がいたが、そのうちの一人がチャールズ・スポルジョン(バプテスト教会)である。彼は19世紀のロンドンで牧師をしていた人物である。

 神学者のティーリケが編集したものを、加藤常明師が訳したのが本書である。加藤師の仕事ぶりには驚かせられる。多くの本を書き、多くの本を訳している。それも神学書(実践神学)が中心である。牧師として働き、説教者として働き、神学校の教授として働きながら並行してこのような働きをするのだから凄い。

 スポルジョンは説教者としてずば抜けていた。彼は説教を語ることを通して、何よりも人々がイエス・キリストに出会い、イエス・キリストを信じることに焦点をあてていた。すなわち失われた魂を救うことに情熱を傾けていたのである。そのために、罪について、義について、来たるべき裁きについて語るべきことを強調する。罪が分からなければ救いの必要性が分からないからである。彼の説教の中心はいつもイエス・キリストである。

 祈りについて、聖霊の働きについて強調している。祈りによって神の近くに生きること、すなわち説教者の内面(心と霊的領域)に触れている。書斎での準備も大事だが、それよりも密室において祈ることの大切さを伝えようとしている。しかし、常に学ぶことを忘れてはならないとも言っている。また説教を語る上での具体的なアドバイスも参考になる。

 彼の言葉は「いのちのことば」として私の心に伝わる。説教者であるなら、この本は必読書ではないだろうか。これは入門書ではない(原題では入門という言葉は使われていない)、説教の本質について書かれている本である。私はスポルジョンが大好きであり、大がつくほど尊敬している。私の憧れである。説教者として少しでも彼のレベルへと近づきたいと心から願っている。しかし、その道は遠い、、、、、