牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

1月20日(日) 「ユニクロ VS しまむら②」 月泉博著

2013-01-20 08:34:27 | 日記

 昨日の内容をまとめるとこのようになる。 

 本からの引用。「「製」(生産機能) → 「配」(中間流通機能) → 「販」(小売機能)。 通常、商品は「製」(生産機能)、「配」(中間流通機能)、「販」(小売機能)という独立した機能(経路)を経て消費者のもとへ届く。ユニクロは「販」と「製」を直結させることによって「配」を不要にした。一方、「販」と「製」分離型のしまむらは「配」を内包した。、、、、ユニクロは完全SPA(製造小売アパレル)企業。対するしまむらは集荷型、つまりメーカーや問屋から商品を仕入れる品揃え型小売業である。」

 
 ここまでが総論で、ここからが各論である。本からの引用。「ユニクロのアイテム数は、色やサイズのバリエーションを別にすれば、ワンシーズン350~400と極端に絞り込まれている。これは通常のカジュアルショップに比べ3分の1から5分の1の水準だ。この大胆なアイテムの絞込みこそ、SPAの優位性を最大限に引き出す究極の手法なのである。、、、、一方のしまむら。こちらはメインターゲットである25~45歳の主婦が高頻度かつ値段への抵抗感を感じず、気軽に買えるデイリー衣料を広範囲に品揃えしている。しまむらの商品構成は、「多品種、多アイテム、少量品揃え」が基本だ。300~350坪の標準点ではユニクロの実に約100倍、4~5万アイテムが展開される。婦人服なら1アイテム当たりの数量は2着まで、というようにその方針が徹底されている。要はアイテムバリエーションを広げ、あえて売り筋を絞り込まず、追いかけないことでリスクの分散を図る。品切れしたら補充をしない代わりに、新商品を投入して売場鮮度を高める。それが結果として、多種・多様な小商圏ニーズに合致する、というのが同社の基本MDスタンスだ。つまり、ユニクロとは全く逆の考え方なのである。もちろんこうしたやり方が可能になるのは、しまむらがSPAではなく、集荷型の小売業だからだ。もっとも、独自の手法によるメリットを最大限に追求する姿勢はユニクロと共通している。」

 アイテム数を絞り込んでいるユニクロの戦略はセブンイレブンと共通している。アイテム数を絞り込む方が良いのか、アイテム数を多くするのかは難しい選択だと思う。今のところ私たちの直売では、基本路線はアイテムを絞り込もうと思っているが、消費者のニーズは分からないのでデータをもとに人気があるメジャーな生産物を仕入れて揃える必要があるだろう。とりあえず今年は、自分たちの得意な生産物を大量に揃える、売れるものを自分たちで少量に作る、売れ筋の生産物を仕入れて揃える、ということになるだろう。


 さっきは商品政策の比較だったが、次は店オペレーションの違いだ。ユニクロは店舗主導で、しまむらは本部主導だ。本からの引用。「ユニクロのように小アイテムでリピートオーダーが主体なら、現場の判断が重要だから、少なくともその面では店舗主導が有利だろう。逆に「売り切れ御免」のしまむらでは、次に展開する新商品が売れるかどうか、その判断ができるのは現場ではなくバイヤーだから、本部管理が不可欠ということになる。」

 物流に関しても違う。ユニクロは完全アウトソーシング、しまむらは100%自前主義である。しまむらは、バイヤーの仕入れた商品を徹底した数値管理のもと、店間移動や見切りなどを駆使し責任を持って売り切ることにより、同社は高回転と売り場の鮮度アップを実現しているようだ。

 私たちは今のところ家族経営なので全く規模が違うが、今年扱う直売所が多くなっているので(自分たち独自の直売所はまだ未定。ホームセンター内での直売所3箇所。他の直売所への参入2箇所)、店舗主導と本部主導のどちらがいいのかを考える必要があると思っている。まずは私たちの農場は大きく生産部と販売部で分けることができる。ただ小さいので皆が両方に関わる必要がある。生産についてはそれぞれの土地でそれぞれが生産する。直売に関しては、店舗主導でした方がいいのか、本部主導がいいのか。仕入れだけを考えると本部主導が良いように感じる。一括して仕入れをして、各直売所に置いて、店間移動などで確実に売り切っていく。ただ将来的に細かく見ていくためには、店舗主導がいいように感じる。

 埼玉の教会は教団に属している。私が牧会をしている時は、私は教団の責任役員の一人でいわゆる本部にも属していた。私たちの教団の考え方は本部主導というよりは、店舗主導というか各教会主導でやっていた。結局、本当に店舗(教会)のことが分かるのは、そこに属している教会であり、店長とも言える牧師だからである。ただ広い視点は大事なので教団からアドバイスをもらうことも大切だと思う。それは農業と直売にも言えて、本部が全体と各店舗を見て、状況判断をしていくことが大切なのではないだろうか。でも読んでいて本当に大事だと思ったのでは、ユニクロとしまむらはどちらも全く違うスタイルでやっているのに両方ともうまくいっているという点だ。それは自分たちが良いと考えたことを徹底してやっているからだろう。中途半端にするのが一番ダメなのかもしれない。