牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

3月5日(水) 「説教学入門②」 チャールズ・スポルジョン著

2014-03-05 07:39:19 | 日記

 昨日、札幌で開催されたきよめ派(ホーリネス系)主催の集会に参加した。なぜ参加したかというと、カナダトロントのピープルズ・チャーチの牧師の説教を聴けるからであった。ピープルズ・チャーチと言えば、創立者&初代牧師は、オズワルド・スミスだ。私は彼の書物に一番影響を受けた。20代の時に、彼の本を何回も繰り返して読んだ。一番読んだのは、『魂への情熱 リバイバルを求めて』である。この本を通して献身の思いを強めた。オズワルド・スミスは私にとって特別な存在だ。彼が創立した教会の今の牧師が来るということを知って、彼(チャールズ・プライス師)の説教を聴きたくて期待して出席した。集会そのものは、残念ながら活気がなかった。しかし、である。説教者が説教するために講壇に立ち、最初の一言を発した時に、霊的な雰囲気は変わった。さすがである。それから彼の語る説教に引き込まれていった。集会に活気が出て、いのちがあらわれてきたのである。非常に素晴らしい説教であった。講解的説教であり、モーセに焦点をあてた主題的説教であり、最後はキリストを説教した。遠かったがわざわざ行って良かったと思えるものであった。よけいなお世話かもしれないが、きよめ派はもう少し頑張らないといけないと感じた。なぜならもしあの説教者がいなければ、眠くて退屈な集会で終わってしまった可能性が大であったから。


 さてスポルジョンの説教論である。この本は素晴らしくて、役に立つ。実践的である。本からの引用。「推奨すべき説教の計画は、説教の主題についての材料を自分の心の中に蓄積して、それから、その場になっておのずから示される適当な言葉をもって、その自分自身の思想を語るということである。これは即席の説教というものではない。言葉は即席であろう。私はそうあるべきだと思っている。しかし、思想は探求、研究の結果である。ただ無思慮な人々だけが、これは容易なことだと思うであろう。しかし、これは最も骨の折れる、同時にまた最も効果のある説教の方法なのである。」

 このような説教はチャレンジであり、難しいものである。しかし、これが説教に自由を与えるのである。

 
 「私の兄弟たちよ、キリストを説教しなさい。いつでも、絶えずキリストを説きなさい。キリストこそ福音の全体である。キリストの人格、その務め、そのみわざは、われわれの唯一の、偉大にしてすべてを包括する主題でなければならない。世界は、その救い主について語られることを今なお必要としているのであり、その救い主に至る道を説かれることを必要としている。」

 昨日聴いた説教者はカナダのトロントで伝道牧会をしているが、出身はイギリスである。スポルジョンと同じだ。おそらくチャールズ・プライス師もチャールズ・スポルジョンの影響を受けているのではないだろうか。

 またチャールズ・プライス師の説教を昨日聴いて、トロントにあるピープルズ・チャーチが今なおオズワルド・スミス師の遺産が受け継がれているであろうことを感じることができ、とても嬉しい気持ちになって帰ってくることができた。同じ霊的ないのちが受け継がれて何代も続いていくことが理想である。

 チャールズ・スポルジョンのこの本は彼が自分の神学生たちに語ったものである。それから100年以上が経過しているが、スポルジョンがはじめたこの神学校は今でもイギリスで一番神学生が多いと言われている。嬉しい限りである。