牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

10月11日(金) 「渡辺善太全集6<聖書神学論②>」 渡辺善太著

2013-10-11 08:12:48 | 日記

 前回(第一章)で旧約聖書の解釈が、聖書神学建設の最も重要な問題であり、最も基礎的な条件であることが書かれていた。

 著者は続いて次の章(第二章の「聖書神学建設基礎条件の発見」という項目)のはじめで次のように記している。本からの引用。「しからばこの旧約聖書を聖書神学の「対象」たらしめるには、詳しく言えばこれを教会の正典として、そして「教会内の学」としての聖書神学の対象たらしめるには、どうしたら良いか、という問いが、我々の正面に立ちはだかってくる。これに対する答えはただ一つありうる。すなわち新約聖書中の著者らが、旧約聖書を再解釈している、という事実にかんがみ、彼らが「何ゆえに」これを再解釈したか、「いかに」再解釈したか、それが我々に「何を」教えるか、という三つの問いを問い続けることによって、旧約聖書は教会の正典となりうる、ということである。以上が本書第一章の「聖書神学建設基礎条件の探求」が、結論せしめた諸点である。」

 このように著者は「新約聖書における旧約聖書解釈」という問題の究明が、聖書神学建設に対する基礎的条件であると書いている。