a plastic clover -或いはノーマルな諸現象

my letters -ordinary but bright- from berkeley.

happiness: 幸福の経済学、かも。その1

2007-02-20 17:01:29 | on campus
さてつづき。

先日紹介したkahneman教授は、プロスペクト理論という人間の意思決定理論を提出して2002年にノーベル賞を受賞しています。

彼の功績だけでもかなり面白いんですが、割愛。また今度。


これまで経済学では、人は「合理的」に意思決定すると仮定されていました。なんでしょう「合理的」って。
要はその人にとってexpected utilityを最大化させるような行動をすることだそうです。

この理論においてハピネスに関する重要な仮定は
(1) 他人はカンケーない、自分のexpected "utility"のみが重要
(2) 過去や現在の状態はカンケーない、今後の"expected" utilityのみが重要
の2点。



・・・本当か!?

周りの友人に続々カワイイ彼女ができて悔しくて自分はハッピーじゃないんじゃないかと思って妥協してテキトーに付き合う。
今の仕事ってなんかフツウだなあと感じながらもちょっとやそっと良い条件や環境じゃあ転職しない。


ああ僕らってなんて「非合理的」なんでしょう(ちなみに上記例は僕とはカンケーありません)。kahneman先生はそういうフツウの僕らの意思決定・行動について、膨大な実験と考察で理論としてまとめあげたんです。



Rao教授の言うように人間はハピネス最大化がしたいんだとすると(これ自体検討の余地があると思いますが)、expected utility → happinessと置き直すことができて、その場合人間は合理的には活動してないってことになります。

むしろ人間は他者・現状や過去との比較(ロスかゲインか)、さらには「期待感」との比較から生じる「感覚」「考え」に基づいてハピネス度を判断し、行動してるってことになります。


最近読んだ哲学の本でも「幸福とは幸福感である」としていて、一致してます。

これはちょっと危険ですよね、なんか走っても走ってもハピネスじゃないかもしれない。(「アリスの女王の理論」:早く走っても同じ場所。どうすれば次の場所に行けるかって? 2倍早く走るのよ)



またつづく。

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