『音楽の友』4月号~特集 追悼小澤征爾~を読む。
特集には次の方々が寄稿している。
中では、山田治生氏の文章が主観を排し、小澤historyが事実を中
心にまとまっており、よかった(個人的意見です)。
・山田治生
衝撃の「世界デビュー」から後進の育成に捧げた晩年まで
・池田卓夫
小澤征爾の時代
・渡辺和
N響事件を考える
・佐々木喜久
小澤征爾とアメリカ
・山崎浩太郎
小澤征爾の21世紀
・城所宏吉
「マジック」の所在
『音楽の友』’24年4月号
小石忠男『世界の名指揮者』、福永陽一郎『私のレコード棚から』
の「小澤征爾」の項を改めて読み直す。
どちらも昭和40年代後期(小澤征爾38歳がボストン交響楽団音楽
監督に就任した頃)に書かれたものだ。
小澤征爾は、それからさらに高みに上って行った。
小石忠男『世界の名指揮者』(昭和49年12月)
福永陽一郎『私のレコード棚から』(昭和58年2月)
(--「小澤征爾」の初出は『音楽現代』昭和49年11月号、50
年1月号)
私が小澤征爾を聴いたのは昭和50年代の壮年期。少なくとも20
回は聴いていよう。
最後に聴いたのは、10年前の新日本フィル特別演奏会(→こちら)。
小澤征爾のブラームス交響曲第1番
左からボストン響(1977スタジオ録音)、サイトウ・キネン
(1990欧州スタジオ録音)、サイトウ・キネン(2010NYライ
ヴ)
録音の取り方やスタジオ録音、ライヴの差はあれ、基本的な解釈
というか、情熱ある「音楽」は変わらない。
NYライヴは小澤征爾75歳、身体が不自由で、病み上がりであるこ
とを度外視しても、気力あふれるすばらしい演奏だ。
サイトウ・キネンも見事だ(私はとうとう生を聴かなかったが)。
ベルリオーズ幻想交響曲(サイトウ・キネンとのNYライヴ2010)
若かりし小澤がサンフランシスコ交響楽団の定期で成功を収めた
曲。
ボストン交響楽団との初来日でも演奏している。
昭和53(1978)年3月の来日演奏会プログラム
--神奈川県民ホールで「幻想交響曲」を聴いた(3/12)。
当時、小澤征爾はボストン交響楽団音楽監督就任5年目だった。
小澤征爾が身体を痛める前、全身を使った、流れるような指揮ぶ
りが思い出される。
上記プログラム冊子より
・ボストン交響楽団 歴史とその活動 小石忠男
・なぜBSO/小澤なのか? 三浦淳史
・音程(ピッチ)は友情--中国と小澤征爾 萩元晴彦
・蜜月時代のオザワ=ボストン響 横溝亮一
・アメリカでの小澤さん 木村英二
・カメラで見た小澤さん 木之下晃
・ボストン・桐朋・合同演奏 関根俊郎
・ボストン響--名盤をたどる 出谷啓
・レコードでの小澤 BSOとのレコードをめぐって 福永陽一郎
(細かいことですが、「小沢」は「小澤」に統一しました。)
小澤征爾の音楽や、ともに音楽をやろうというフランクな人柄な
ど「人気」もあって、ボストン交響楽団は定期会員やスポンサー
などによる「収入」は増え、一種の黄金時代を迎えたといえるだ
ろう。
上記プログラムの広告欄
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