10月10日(月、祝)、スポーツの日。
津田沼の習志野文化ホールでワグネルOB合唱団の定期演奏会を
聴く。
習志野文化ホールは、私も初めてだ。
昔、船橋市、北習志野の新築社宅に住んでいたことがあるので、
津田沼は懐かしい。当時は東西線が延伸されておらず、津田沼
(新津田沼)で新京成に乗り換えていた。
同ホールは、我が家から door to door で片道1時間半以上。演奏
時間より往復の時間の方が長かった(笑)。
「ずいぶん遠くまできたものだ」--しかし、「その場、その時
間に行けば、それらの人たちがいて、ちゃんと演奏会が始まる」
とは不思議なものだ。
客席にはオンステしないワグネルOBや、他団の方のお顔も散見
される。
<プログラム>
慶應義塾塾歌
1.
(1)R.シューマン 「Widmung」(献呈)
(2)J.ブラームス 「Na(aウムラウト)nie」(哀悼歌)
指揮:吉川貴洋 オルガン:新山恵理 ピアノ:黒澤美雪
2.荻久保和明 『季節へのまなざし』
指揮:杉原佐登司 ピアノ:田中理史
--休憩--
3.木下先生没後40年、畑中先生没後10年&生誕100年メモリアル
(1)F.シューベルト「Sta(aウムラウト)ndchen(小夜曲)」
(2)信時潔 『沙羅』より「鴉」、「行々子」
(3)髙田三郎 『水のいのち』より「雨」
(4)R.ワーグナー 『タンホイザー』より
「大行進曲」、「巡礼の合唱」
指揮:佐藤正浩 独唱:福原寿美枝
ピアノ:前田勝則、永澤友衣
同ホールの capacity は1475席。入場数はほぼ半数?
以下、いつもながらつたないコメントを少々。
何人もから「どうでした?」と聞かれるが、ひと言では答えられ
ない(笑)。
〇慶應義塾塾歌
緞帳は使用されず。下手から続々と登場。多すぎて数えられない。
おそらく120人以上だろう。全員マスク姿。須田和宏さんの指揮。
これだけいると、パートとしてのTopテノールの最高音も無理な
く聴こえる。知らないうちに一緒に歌う「自分」がいた。
1.
(1)R.シューマン 「Widmung」(献呈)
(2)J.ブラームス 「Na(aウムラウト)nie」(哀悼歌)
そのまま「若手」のみ退場、ピアノが搬入される。パイプオルガ
ンは芸劇とは違い、上手(向かって右手)に設置されている。
黒澤さんと吉川さんが下手から、オルガンの新山さんが上手から
登場、拍手で迎えられる。
ブラームスの「Na(aウムラウト)nie」は、シラーの作詩。「美しき
者も滅びねばならぬ」という哀悼の歌。むろん「熱狂」する曲で
はない。木下先生没後40年、畑中先生没後10年にふさわしい。
3年前からじっくり温めて、今年7月OB六連で演奏した曲。ほと
んどの人が暗譜で、指揮も演奏もこなれている。マスク姿だった
が、OB六連の時よりも、ポリフォニックな表情というかニュア
ンスも深まった--のではないかしらん。
地味な、新古典主義のブラームスのイメージにほとんどピッタリ
だった。
吉川貴洋さんは控えめなステージマナーが好ましい。
ピアノは全開だったが、パイプオルガンがいささか「勝っ」てい
たかしらん。
(概算演奏時間:(1)2分10秒、(2)12分25秒)(オンステ79人?)
ここであらためてピアノの調律に3分ほど費やされる(珍しい!)。
オルガンと離れ、ピッチを調整したのかしらん。
2.荻久保和明 『季節へのまなざし』
全員が平成年間の卒業生。と言っても、20代後半から50代後半ま
で幅広い。働き盛りが仕事の合間に結集といったところかしらん。
杉原さん(H4年卒)の『季節のまなざし』は、彼が現役時代(31
年前)も生で聴いている。
この曲はいろいろな作曲技法を駆使した、なかなか難しい曲だ。
歌詩の並べ方も凝っている。ロマン派に多い、単なるホモフォニ
ーではない。
全員がマスクなし、暗譜のステージで「気合が入っ」ている?
前半からfで立派な、重厚な「声」を出す。fとp、デュナーミ
クのメリハリが徹底しており、美しい。
ア・カペラとして出現する部分にも惹きつけられる。時として、
「見えない」など言葉に念を押す表現が特徴的だ。
最後は大きなクレッシェンドに、終わるとすぐに拍手が来た。
難しい、田中さんのピアノ伴奏も合唱に負けず劣らず、見事なも
のだった。
演奏は4曲とも遅めのテンポ。合計の概算演奏時間:27分。
(50人?)
--休憩(20分)--
先輩のI上さんから
「オンステしなかったの?」
「そうおっしゃる先輩こそ(笑)」
(じっくり聴くのも勉強になる)。
その後、5分ほど「ご招待」のお客さまと談笑。
3.木下先生没後40年、畑中先生没後10年&生誕100年メモリアル
(1)F.シューベルト「Sta(aウムラウト)ndchen(小夜曲)」
どの曲も歌ったことがあり、知っているだけに、その分コメント
は厳しくなる?
登場した佐藤先生がマイクを握る(以下一部を抜粋)。
「・・・・・・」(マイクの電源が入らない)。
「失礼しました。単独では4年ぶりの演奏会。(70歳以上の)赤
いネクタイが目立ち、高齢化が進んでいます(笑)が、<比較的
に>若手のステージがありましたように、これから<若手>もと
もにけん引してくれるでしょう。
このシュテンチェンはかわいらしいもので、最後はこっそりと立
ち去っていきます(私も何回か歌ったが、「最後」は初めて知っ
た[笑]。
女声合唱版もあり、昨年亡くなったC.ルートヴィヒのソロで聴い
たことがある)。
メゾの福原さんは、今日この一曲だけのために、京都から来てい
ただきました」
私は初めて聴く福原さんはピンク系のワンピースドレスで登場。
譜面持ち。第一声が太く力強くすばらしい!前田さんのピアノの
キザミも見事だ。気持ち速めのテンポ。独語は安心して聴ける。
合唱の自然なdim.が美しい!!
「私が藝大1年の時、ワグネルの夏の演奏旅行で伴奏者として演
奏したのがこの曲でした」
(2)信時潔 『沙羅』より「鴉」、「行々子」
「『沙羅』はまだ私が手を付けられていない曲です。初演独唱さ
れた木下先生自らが編曲されたものでお送りします」
「鴉」の前奏にいきなり惹きつけられる。楽譜どおりにイン・テ
ンポで弾かれてはダイナシだ。「狂言風」も感じが出ていた。
「行々子」は故郷に寄せる「詩人の想い」がす~っと心に沁み込
み、男声合唱の一面をのぞかせる。
(3)髙田三郎 『水のいのち』より「雨」
「ここに畑中先生からお譲りいただいた楽譜があります。先生の
『水』への想いがスクラップされています」
佐藤先生は棒なしの指揮。速すぎず、遅すぎず、これしかないテ
ンポで流れていく。
ここでも、ガクガクっとならない、自然なdim.が美しい!(dim.
に意外性?)Sec.パートのソロもいい。「なお ふみ耐える根に」
で、思ったより大きなリタルダンドで表情を見せる。すぐにpに
移り、静かに消えていった。
(4)R.ワーグナー 『タンホイザー』より
「大行進曲」、「巡礼の合唱」
永澤さんが伴奏に加わり、前田さんの隣(高音部)に並ぶ(4手
の伴奏)。現役の4年生が加わる。彼らは初めての『タンホイザ
ー』だ。
『タンホイザー』はワグネルの「レパートリー」と言っていいだ
ろう。客席で聴くのも何年ぶりかしらん。
「大行進曲」は気持ち速めのテンポ。安心して聴いていられるが、
歌う方はペース配分がなかなか難しい。
終わると大きな拍手が来た。続けようとされた佐藤先生が振替っ
ておじぎ。
「巡礼の合唱」は、いい演奏で聴くとオペラの場面が自然と目に
浮かぶ(この日も然り)。ピッチが下がらず、後半がじわじわ盛
り上がる、感動的な演奏だった(この一曲だけでも聴く価値あり
?)。(現役4年18人を含め107人?)
タンホイザーのメンバーが退場。
大きな拍手で盛り上がる中、佐藤先生がマイクを持つ。
「え~、では、アンコールとして『恩師を讃える歌』を。木下先
生の楽壇生活30周年を記念して、昭和30年に作曲されました(大
谷智子作詩、團伊玖磨作曲)」
こちらは、ややゆっくりしたテンポ。「正しく、厳しかった」を
ややマルカート気味に歌わせる。デュナーミクがすばらしい。2番
の歌詩に、思わずグッと来た。
前田さんと永澤さんが拍手の中に退場。
「続いて、畑中先生がワグネルに来られた、ワグネル60周年の時
にできた『クラブ・ソング』を。藤浦洸さんの作詩をお読みにな
った畑中先生は『困ったな~』とおっしゃったとか」
こちらは、逆にやや速めのテンポ。佐藤先生は、中間部のBom Bm
でベース系を向いて、なるほどリズムをキッチリ刻む指揮。
なかなか聴けない、格調高い「クラブ・ソング」だった。
いずれも、また録音の価値があっただろう(録音が取り切れてい
ると嬉しいのだが)。
(第3ステージ:合計約45分)
45分間立ちっぱなしだった方々、お疲れさまでした。
いずれのステージも、発声、アンサンブル、音楽性のどれをとっ
ても、(控えめに言っても)一定の水準以上の演奏会だったので
は?
--オンステ人数が多かったこと、全ステージ(ほとんど)暗譜
も一因?
プログラム第3ステージの解説(藤川君S59)が整理されており、勉強になった。
プログラム(表紙)
チラシ
11:14 団地に紅葉が進む。
11:17
11:29 あざみ野
12:09 九段下着
12:14 東西線へ
12:34
12:36 浦安を通過。
12:38
12:43 西船橋着
12:44 JRへ
12:53 津田沼に到着。はるばる来たぜ、津田沼~。
12:56 「鉄道開業150年」
12:56 津田沼改札口
12:58 習志野文化ホールは南口
12:58 南口 小雨が降る。
12:59
13:00
13:02
13:03
13:03 習志野文化ホール入口
13:05
13:05
13:07
吉川前会長、澤口会長の出迎えを受ける(私のためではないが)。
13:07
13:08
13:08
13:09
13:10
13:11
13:11
13:20 開演10分前
13:25 開演5分前
13:58 第2ステージ前 ピアノを調律中
14:34 休憩中
14:36 同上
14:48 パイプオルガン
14:51 第3ステージ 並び方は天下一品!
15:17 このステージは全員マスク
15:38 お開き
15:39
15:39
15:41
15:43
15:43
15:43
15:44
15:45
15:45
15:46
15:55 西船橋着
15:55
15:56 東西線へ乗り換え
15:57 うっかり各停ホームで待つところ
16:01 快速ホームへ
16:02
16:07 快速中野行
16:37 九段下着
16:38
16:39
17:21
17:26 あざみ野着
17:28
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