人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

新日フィル第433回定期演奏会

2008-07-20 10:40:16 | 音楽
いつもこのブログをお読みいただき有難うございます。通常の「訪問者」は毎日70
人前後なのですが、昨日、7月19日(土)は過去最多の131人の方が訪問してくださ
いました。感謝です。

7月19日(土)午後3時開演。アルミンク指揮、新日フィル、すみだトリフォニー。
1.ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第2番 嬰ハ短調
 ソロ;崔 文ス(さんずい偏に朱) (チョイ・ムンス)
2.ウィリ 永劫(えいごう)~ホルンとオーケストラのための協奏曲(2007)
 (日本初演)  ソロ;シュテファン・ドール
3.ベートーヴェン 交響曲第2番

暑かった。東京は33.8℃を記録。梅雨明けも発表された。

2時半キッカリに指揮者アルミンクのプレトークが始まる。第2ステージ、ウィリ作
曲ホルン協奏曲の解説である。現代作品をプログラミングするとお客の入りが悪
く興行的には難しいが、それを補うものであろう。

プレトークが始まって5分ほどして、私の座席後方3、4列目で遅れてやってきた60
~70歳の婦人がいきなり隣の知り合い(女性)と大きな声で話し始めた。「こない
だはどうも。先日のお礼を言うのが遅くなっちゃって・・・・・・」。3、4分ほどして、
その前に座っている30~40歳の男性が切れて、後ろを振り向きざま「すみません、
後にしてもらえませんかっ」と声を出した。

いつの時代でも「最近の若者は・・・・・・」などという大人がいるものであるが、意外
や老人のマナーが悪い。はてはわがままな「暴走老人」である。
以前もオペラを観ていたら、前の座席の人(女性)が演奏中に動きすぎるといっ
て、後ろからプログラムか何かで思い切りその人の頭を殴った人(おじさん)がい
て、大騒ぎだった。
マナーの悪さは、年寄りのものか戦後の日本人のものか、人によって意見の分かれ
るところかもしれない。

そうこうしているうちに、アルミンクが「本日は大変暑い日(ターク)ですが、皆
様にとってすばらしい(ブンダバー)コンサートになりますように」(ドイツ語通
訳付き)と言ってプレトークが終わった。

聴衆の入りは90%くらいであったが、「人気席」の3階は満員であった。歌舞伎と
同じで上の階は、数多くの演奏会を毎週のように聴きに行く人で一杯なのである。
「成駒屋っ」(ブラーボッ)などの声はは3階からかかるのである。



さて、1.は新日フィルのコンサート・マスターとして定期演奏会にチョイチョイ出
演の崔(チョイ)さんがソリストである。この人、モスクワ音楽院を首席で卒業し
ている。曲はショスターコーヴィチ61歳の1967年作品である。

チェロとベースで始まる第1楽章の最初からして、ショスタコーヴィチの響きであ
る。いかにもネクラなのである。途中から天理教の太鼓のような合いの手が入る。
トムトムという楽器だそうである。

いつも思うのだが、ショスターコーヴィチは聴衆(ソ連人民)が深刻がって聴いて
いるのを面白がっているのかもしれない。革命か反革命か意味を考えるよりも天才
の作曲術(彼は管弦楽法の天才である。)を楽しむべきなのではないだろうか。嬰
ハ短調は♯4つであろうか。わざと難しい調性で作るところもショスタコらしい。
この曲自体即物的であるが、演奏もザッハリッヒのすばらしいものであった。(ブ
ラボーを2回叫んだ。)

演奏終了後、拍手に応えて何回か出入りを繰り返し、崔がヴァオイリンを構え、何
もいわずアンコールを弾き始めた。5分ほどの静寂の時間、崔のヴァイオリンだけ
が響き渡る、えもいわれぬ瞬間であった。バッハだったか?(後でバッハ無伴奏ソ
ナタ第1番「フーガ」だと知った。)


2.はベルリン・フィルの首席奏者をソリストに迎えたホルン協奏曲。曲はジャズあ
り、お囃子(はやし)あり、ホルンの、アルプスの響きあり。お囃子のところでは
アルミンクがわずかにステップを踏んでいた。これもアンコールを期待しての拍手
が多く、ドールが何回も呼び出されたが、ドールは最後に「ぼくにはぁ、アンコー
ルないんだよ」と両手を広げて引っ込んだ。


3.はベートーヴェンの交響曲の中では比較的演奏されるのが少ない。楽器編成もフ
ルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット
2など小さめである。ベースは4本であった。出だしからしてベートーヴェンのニ
長調和音!序奏の後は、リズムが生き生き、まさしくアレグロ・コン・ブリオであ
る。ベートーヴェンの中でもアルミンクに合っているのではないか。(おそらくラ
イヴCDも発売されるだろう。)(途中省略。)第4楽章アレグロ・モルトではア
ルミンクも音楽に乗った指揮でサイン中心、思わず聴いている背中が離れた。新日
フィルの木管群(オーボエ古部さん、フルート荒川さん、ファゴット河村さん
等々)の活躍がすばらしかった。
ベートーヴェンの中でもヘビー級ではなく、夏に合った選曲であった。(とはい
え、この曲の演奏時間は36分。第5番と同じなのである。)

(午後5時15分終演)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 佐藤真「大地讃頌(さんしょ... | トップ | 「ライフ・イズ・ビューティ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

音楽」カテゴリの最新記事