人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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栗本尊子「愛と祈り」(カメラータ)

2009-06-06 10:01:58 | 音楽
もうかれこれ10年近く前になる。音楽の友ホールで開催される、畑中良輔先生監修
の日本歌曲「特別ガラ・コンサート」で、三宅春恵さん、栗本尊子(たかこ)さん
を知った。当時、三宅さんは82歳、栗本さんは79歳くらいではなかったかしらん。
お二人の、なんという味わいのある歌唱だったろう。

目の前に現れた三宅さんは登場しただけで絵になる、真のスターだった。栗本さん
の驚異的なブレス、ゆったりとしたリタルダンドに惹き付けられた。お二人が活躍
されていた50年以上前だったら、「好キ好キ」とばかりオッカケになっていたこと
だろう。

「特別ガラ」では畑中先生とちょっとしたお話をされるのが楽しみであったが、お
二人に共通していたのは「音楽」に対する謙虚な気持ち、死ぬまで勉強する姿勢だ
った。三宅さんが江間章子の「花の街」を歌われた時、「今度初めて歌うにあたっ
て、歌詩を読みましたが、悲しい歌なんですネ」と言っておられたことが忘れられ
ない。

CD「愛と祈り」には栗本さんの日本歌曲15曲(No.15のみライヴ録音)が収めら
れている。日本人の財産である日本歌曲を勉強する人には一聴をおすすめしたい。

1.ばらの花に心をこめて
2.悲しくなったときは
3.さくら横丁
4.愛と祈り
5.赤とんぼ
6.霧と話した
7.みぞれに寄する愛の歌
8.おやすみなさい
9.さくらさくら
10.中国地方の子守歌
11.荒城の月
12.サルビア
13.からたちの花
14.この道
15.落葉松
栗本尊子(メゾ・ソプラノ)/塚田佳男(ピアノ)

「霧と話した」はこれに勝る歌唱は考えられない。CDで聴いても、身動きができ
なくなってしまう。ニュアンスに富んだ、この歌唱が聴ける私達はなんと幸せなこ
とだろう。「赤とんぼ」など聴き慣れた歌も新鮮に聴こえるのは不思議だ。

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