2010年9月12日
ブラジリアン柔術アジアオープン選手権大会2010
いよいよ闘いの日がやってきた。
今日も来ました東京武道館
ブラジリアン柔術の特徴を表す写真。どのマットも寝技が展開されています。
私が出場するクラスの招集時間は、4時30分ですが、同じパラエストラ愛媛の市川さんが、シニア1(36歳以上の部)レーヴィ級(76kg以下)に出場するので、朝から応援です。
市川さんも準々決勝、準決勝、決勝と接戦を制して勝ち上がり、優勝を決めました。
いつもスパーリングしている相原さん、市川さんと2人ともが優勝を決めて、私だけ負けて帰るわけにはいきません。
またまたプレッシャー。
しかし、それだけレベルの高い相手といつもスパーリングしているということなので自信を持つように自分に言い聞かせます。
私が出場するシニア2(41才以上)体重無差別の部が始まるのは、午後4時30分からの予定ですが、時間を過ぎても招集がありません。
羽田空港発、松山空港行きの午後7時15分の最終便の飛行機を予約(変更不可)していますが、最悪でも6時00分までには会場を出ないと間に合いません。
乗り遅れると飛行機代金、片道3万2千円と宿泊代金が余分に必要となります。
あらゆる面からストレスとプレッシャーが襲ってきます。
やっと招集がかかったのが、4時45分。
「ぜったい飛行機に間にあわんが・・・・。」
「お金のことは、もういい。勝つことだけに集中せい!」自分に言い聞かせます。
1回戦は、昨年対戦経験のある韓国の選手。
みんなから人望があるようで、「カンさん、がんばって!」とたくさんの人が声援を送っています。
マット上で向き合い、レフェリーの「コンバッチ!」の掛け声でぶつかりあいます。
組み手争いから、相手の引き込みに合わせて、相手を倒して、パスガード。
サイドポジション(横四方固め)から、腕をとって腰を切って、アームロック(腕がらみ)で絞り上げます。相手はタップ(まいったの合図)
2回戦は、日本人選手との対戦
組み手争いから支えつり込み足、相手の引き込みに合わせてパスガード。
横四方固めから上四方固めに移行。腕を掬って相手の柔術衣で前腕をくくります。
かなりの確率で腕挫十字固めにいける体勢ですが、ニーオン・ザ・ベリー(2点)でポイントを稼ぎます。
直近の練習で腕十字にいって、すっぽ抜けてスイープされた苦い経験があり、腕十字に踏み切れません。必死で逃れようとする相手の関節を極めようとして5分タイムアップ
判定勝ち
しかし、2回連続の試合で前腕の筋肉がパンプアップ(うっ血)して
、パンパンです。
握力が、もうありません。
「これは、ピンチです!」
審判の人が「決勝戦まで10分休憩しますね。」と言ってくれました。
「良かった~ぁ!」
自分で腕を揉んだり、振ったりしますが、治りません。
あと5分
あと3分
こんな時の10分は、あっという間です。
審判の人「はい! それでは決勝戦を行います。」
決勝戦の相手は、韓国の旗 が、柔術衣に縫い付けられているので、韓国の人のようです。
マット上で向き合い、視線が合うと。
「ナイス・トュー・ミィー・チュー!」と相手が一言。
悪意はないのでしょうが、なんかイヤな感じです。
「コンバッチ!」という審判の掛け声で試合開始。
組み手争いから、タックルや支えつり込み足を試みますが、決まらず、相手がクローズガードで絡みついてきます。
ガードをはずそうとしますが、相手の脚力が強いのと自分の手の力が入らないのとで、抜けられません。相手は下からあおって、スィープを狙ってきます。
※ スィープ=寝技状態の投げ技。中腰でもバランスを崩して尻餅をついて倒れると相手にポイントが入る。
そのまま、のし掛かって十字絞めに行きますが、相手にも襟を持たれてしまい、お互いの首の絞め合いになります。
スコアボードのポイントが、どちらに入っているのか、目が悪いので見えません。
時間切れまでに、何とかパスガードをしようと立ち上がって、肘で相手の内腿を圧迫しますが、ガードが切れません。
結局、膠着状態のまま、時間切れのブザー
レフェリーの判定に委ねられます。ポイントがどちらに入っているのかは、やはり、目が悪いのでスコアボードの得点が見えません。
レフェリーが両方の選手の手を持ち、どちらかの手を挙げるのですが。
「頼む!レフェリー、俺の手を挙げて!」
心の中で強く念じます。
「頼む!」
「お願い!」
「・・・・。」
私の手を頭上高く引き上げてくれました。
「ヨシ!」 と心の中で一声。
この瞬間のために練習を重ねてきたのです。
プレッシャーとストレスから解放され、達成感と安堵感に変わります。
アジア大会2連覇を達成
試合終了時間、5時25分
しかし、まだ、もう一つの心配事が・・・。
飛行機に間に合うのか?
表彰式開始が、5時35分
表彰式終了が、5時45分
優勝した後、恒例の中井祐樹先生(パラエストラ会長)との記念写真撮影も焦っていたので忘れてしまいました。
荷物を持って、綾瀬駅へ猛ダッシュ 5時55分
電車では、間に合わないのでタクシーで羽田空港へ向かうことにしました。
駅前に停まっていたタクシーの運転手さんに
「1万円あれば、羽田空港第2ビルまで行けますか?」と聞いてみると
「ちょっと、無理かなぁ~。」
「7時15分の飛行機に乗りたいんですけど」
「ちょっと、厳しいね~。」
「そんなこと言わんと間に合わなかったら、しゃあないけど。何とか頼みますよ~!」
「わかりました。乗ってください。」
高速道路を通って、6時45分に羽田空港第2ビルに到着
(料金1万2千円)
最終便の飛行機にも何とか間に合いました。本当にギリギリです。
極真カラテの故・大山倍達総裁が
「顔の大きい男は、強運なんだよ~!」
と言っていたそうですが、実に強運です。
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ブラジリアン柔術アジアオープン選手権大会2010
いよいよ闘いの日がやってきた。
今日も来ました東京武道館
ブラジリアン柔術の特徴を表す写真。どのマットも寝技が展開されています。
私が出場するクラスの招集時間は、4時30分ですが、同じパラエストラ愛媛の市川さんが、シニア1(36歳以上の部)レーヴィ級(76kg以下)に出場するので、朝から応援です。
市川さんも準々決勝、準決勝、決勝と接戦を制して勝ち上がり、優勝を決めました。
いつもスパーリングしている相原さん、市川さんと2人ともが優勝を決めて、私だけ負けて帰るわけにはいきません。
またまたプレッシャー。
しかし、それだけレベルの高い相手といつもスパーリングしているということなので自信を持つように自分に言い聞かせます。
私が出場するシニア2(41才以上)体重無差別の部が始まるのは、午後4時30分からの予定ですが、時間を過ぎても招集がありません。
羽田空港発、松山空港行きの午後7時15分の最終便の飛行機を予約(変更不可)していますが、最悪でも6時00分までには会場を出ないと間に合いません。
乗り遅れると飛行機代金、片道3万2千円と宿泊代金が余分に必要となります。
あらゆる面からストレスとプレッシャーが襲ってきます。
やっと招集がかかったのが、4時45分。
「ぜったい飛行機に間にあわんが・・・・。」
「お金のことは、もういい。勝つことだけに集中せい!」自分に言い聞かせます。
1回戦は、昨年対戦経験のある韓国の選手。
みんなから人望があるようで、「カンさん、がんばって!」とたくさんの人が声援を送っています。
マット上で向き合い、レフェリーの「コンバッチ!」の掛け声でぶつかりあいます。
組み手争いから、相手の引き込みに合わせて、相手を倒して、パスガード。
サイドポジション(横四方固め)から、腕をとって腰を切って、アームロック(腕がらみ)で絞り上げます。相手はタップ(まいったの合図)
2回戦は、日本人選手との対戦
組み手争いから支えつり込み足、相手の引き込みに合わせてパスガード。
横四方固めから上四方固めに移行。腕を掬って相手の柔術衣で前腕をくくります。
かなりの確率で腕挫十字固めにいける体勢ですが、ニーオン・ザ・ベリー(2点)でポイントを稼ぎます。
直近の練習で腕十字にいって、すっぽ抜けてスイープされた苦い経験があり、腕十字に踏み切れません。必死で逃れようとする相手の関節を極めようとして5分タイムアップ
判定勝ち
しかし、2回連続の試合で前腕の筋肉がパンプアップ(うっ血)して
、パンパンです。
握力が、もうありません。
「これは、ピンチです!」
審判の人が「決勝戦まで10分休憩しますね。」と言ってくれました。
「良かった~ぁ!」
自分で腕を揉んだり、振ったりしますが、治りません。
あと5分
あと3分
こんな時の10分は、あっという間です。
審判の人「はい! それでは決勝戦を行います。」
決勝戦の相手は、韓国の旗 が、柔術衣に縫い付けられているので、韓国の人のようです。
マット上で向き合い、視線が合うと。
「ナイス・トュー・ミィー・チュー!」と相手が一言。
悪意はないのでしょうが、なんかイヤな感じです。
「コンバッチ!」という審判の掛け声で試合開始。
組み手争いから、タックルや支えつり込み足を試みますが、決まらず、相手がクローズガードで絡みついてきます。
ガードをはずそうとしますが、相手の脚力が強いのと自分の手の力が入らないのとで、抜けられません。相手は下からあおって、スィープを狙ってきます。
※ スィープ=寝技状態の投げ技。中腰でもバランスを崩して尻餅をついて倒れると相手にポイントが入る。
そのまま、のし掛かって十字絞めに行きますが、相手にも襟を持たれてしまい、お互いの首の絞め合いになります。
スコアボードのポイントが、どちらに入っているのか、目が悪いので見えません。
時間切れまでに、何とかパスガードをしようと立ち上がって、肘で相手の内腿を圧迫しますが、ガードが切れません。
結局、膠着状態のまま、時間切れのブザー
レフェリーの判定に委ねられます。ポイントがどちらに入っているのかは、やはり、目が悪いのでスコアボードの得点が見えません。
レフェリーが両方の選手の手を持ち、どちらかの手を挙げるのですが。
「頼む!レフェリー、俺の手を挙げて!」
心の中で強く念じます。
「頼む!」
「お願い!」
「・・・・。」
私の手を頭上高く引き上げてくれました。
「ヨシ!」 と心の中で一声。
この瞬間のために練習を重ねてきたのです。
プレッシャーとストレスから解放され、達成感と安堵感に変わります。
アジア大会2連覇を達成
試合終了時間、5時25分
しかし、まだ、もう一つの心配事が・・・。
飛行機に間に合うのか?
表彰式開始が、5時35分
表彰式終了が、5時45分
優勝した後、恒例の中井祐樹先生(パラエストラ会長)との記念写真撮影も焦っていたので忘れてしまいました。
荷物を持って、綾瀬駅へ猛ダッシュ 5時55分
電車では、間に合わないのでタクシーで羽田空港へ向かうことにしました。
駅前に停まっていたタクシーの運転手さんに
「1万円あれば、羽田空港第2ビルまで行けますか?」と聞いてみると
「ちょっと、無理かなぁ~。」
「7時15分の飛行機に乗りたいんですけど」
「ちょっと、厳しいね~。」
「そんなこと言わんと間に合わなかったら、しゃあないけど。何とか頼みますよ~!」
「わかりました。乗ってください。」
高速道路を通って、6時45分に羽田空港第2ビルに到着
(料金1万2千円)
最終便の飛行機にも何とか間に合いました。本当にギリギリです。
極真カラテの故・大山倍達総裁が
「顔の大きい男は、強運なんだよ~!」
と言っていたそうですが、実に強運です。
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