軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 6月17日(木) ちなみに 054

2010-06-17 23:59:47 | 日記

 今日は終日、塩尻の総合教育センターで校長マネジメント研修がありました。
 隣市の松本の最高気温は32℃まで上がったとか。とにかく暑い一日でした。

 今日の研修は、一言で言えば「大いに勉強になった」「充実した一日だった」ということに尽きます。
 午前中は、心の支援室の町田室長の講義、横川主任指導主事のワークショップ、そして事例発表の3部構成でしたが、そのどれもが今後の学校運営に大変参考になるものでした。
 午後は、政策研究大学院の岡本薫教授が「スクールマネジメント」について、休憩を挟んで2時間45分という長い講義をしてくれました。
 長い講義ではありましたが、時間が過ぎるのはあっという間。
 ご本人が何度も「教育のプロ」という言葉を使っていましたが、まさに「話のプロ」です。
 「歯に衣着せぬ」という表現がありますが、歯に衣着せぬどころか歯茎丸出しくらいの勢いで話をされる方で、終始爆笑の渦、それでいてうなずく場面やメモを取る内容が随所にあり、ここしばらくないくらいの刺激的な講義でした。
 著作を読んでみたいということも強く思いました。

 ご本人は、5年前、「人づくり」に直接携わりたいと、文部科学省の課長を退官、7割が外国人で残り3割はほぼ全員が自治体職員という現在の大学で教鞭をとり、「この大学の学生は日本一勉強しています。国や地方自治体からお金を出してもらっているのですから、大学で『すごい人』になって帰らないと何を言われるかわからないからです」と言っていました。
 テレビドラマ『新参者』(原作は東野圭吾さん)で阿部寛さん演じる刑事と同じく「ちなみに」が口癖で、とても早口で話をされる方なのですが、見ていて、その早いしゃべくりでさえ、頭の中にはついていけていないのではないかと思うくらい、頭の回転がきっと速いんだろうな、と感じるような方でした。
 何人かの校長さんが「誰かに似ていると思ったら、内堀さんにそっくり」などと言われ、どの部分をそう言っているのかわからないので喜んでいいのかどうなのか、とりあえずその都度「褒めてますよね?」と確認しました。

 今日はきっちりスケジュールが組まれた研修会なので、そんなに多くの校長さんと話す機会も時間もありませんでしたし、実際に話したわけでもありません。
 それでも、5人くらいの校長さんから「校長ブログを見ているよ」と言われました。
 口には出さなくとも、きっと、ほかにもこのブログを読んでくれている校長さんがいることでしょう。
 このブログの存在は、校内の教職員・生徒、PTA・同窓会関係者、校外の中学校関係者などには話しましたし、本校のホームページとともに、これからもその存在を宣伝していくつもりです。
 そういう人々にはブログの存在を話す「必要性」があるからで、一方、県内の高校教育関係の「同業者」には、意図的に一切話していません。
 それは、その「必要性」がないからで、それでも、聞こえてくる話では、既に読んでくれている高校の校長、教員、県教委関係者も結構いるのではないか、と思っています。
 こちらは、今後も「自然の広がり」で行きたいと思っています。

 夜は、少し遅い時間から高校の体育の先生の集まりに呼んでいただきました。
 気のおけないメンバーで、途中からは英語の先生も加わり、楽しい時間はあっという間に過ぎました。
 他校の先生と話をするのもとてもいいものです。

 6月16日(水) KaruiZawa 053

2010-06-16 23:04:14 | 日記

 6月4日(金)の日記に、「軽井沢」は「かるいざわ」と発音するのか、それとも「かるいさわ」か、と書きました。

 軽井沢高校の歴史を見ると、昭和23年に「高等女学校」から新制「高等学校」になっています。
 翌昭和24年には町立から県立に移管し、現在の場所に校地を移転しました。
 『軽井沢高等学校 四十年の歩み』によると、当時の施設は不十分極まりなく、それでも、生徒・教職員・保護者・地域住民が一丸となって、毎日グランドやテニスコートなどの整地を行いました。
 当時も「自分たちの学校は自分たちで築く」という熱意や意気込みに溢れていて、私が4月以来「みんなでいい学校を創りましょう」と、ことあるごとにお願いしているのも、まさにこういうことなのです。
 現存する浅間焼石の正門も手作りだそうですが、当時の写真を見ると、何もない原っぱに、正門だけが立っています。
 同誌によると、門標(校名プレート)のデザインをしたのは図画担当の秋永教諭、とあります。
 両サイドにある門標のうち、左側のローマ字表記のものが写真です。
 木陰で暗い上に、年季が入っていて見づらいのですが、"KARUIZAWA UPPER SECONDARY SCHOOL"と書かれています。
 "SECONDARY SCHOOL"とは中等教育の学校のこと、"UPPER SECONDARY SCHOOL"は後期中等教育学校、つまり高等学校のことで、今は"(SENIOR) HIGH SCHOOL"の方が一般的でしょうか。

 長々と難しい話をしたのは、この時点で、学校名のローマ字表記が"KARUIZAWA"と濁っていたということを伝えたかったのです。
 地元の人たちは、「軽井沢」をずっと「かるいさわ」と、濁らずに発音してきたと思います。
 生まれ故郷の御代田でもそうでしたし、軽井沢の人に聞いても間違いありません。
 現在でも、昔から地元に住んでいる人は、多くが濁らずに発音すると思います。
 その一方で、町名や駅名の正式なローマ字表記は"Karuizawa"と濁りますし、本校もローマ字では濁って表記しています。
 これは、明治時代に軽井沢を別荘地として世界に紹介した、カナダ人宣教師のA.C.ショウ以来、 "KaruiSawa"と澄んで発音するのが欧米人は苦手なため、次第に濁った表記と発音になった、というのが通説のようです。

 今日は職員会議。
 「新しい学校創り」に向けて熱心な議論が行われました。
 まとまった所から徐々に公表していきたいと思います。

 その後、小諸西支部PTA。
 芦原中学校の区域ですので、自分の地元でもあります。
 19:00から1時間50分程の会でしたが、職員会議の後、どうしても外せない用事が学校であって、1時間遅れて参加しました。
 どこでもお母さんは元気です。
 いいこと、いいこと。

 6月15日(火) グアム・国体・てんこ盛り 052

2010-06-15 21:24:41 | 日記

 今日は盛りだくさんの一日でした。

 朝、校門に立っていたら、グアム生を乗せたホストファミリーの方の車が次々と入って来ました。
 毎年の恒例行事で、今日から4日間、グアムから5人の生徒(今年は偶然全員女子です)が来校し、6時間すべての授業に参加するなど、本校生と交流をします。
 駐車場からわざわざ校門まで来て挨拶をしてくださったのは干川(ほしかわ)さん。
 いただいた名刺を見て「ひょっとして・・・」と思ったらやはりそうでした。
 平成11年3月に自分の学年の生徒をグアムへ引率した時、同行した方で、宿泊の部屋も一緒だったと思います。
 この7月から軽井沢ロータリークラブの会長さんに就任されると伺いました。
 もう一人来てくださったのは、国際奉仕委員長、佐藤さんの奥さん。
 奥さんは私の「中学・高校とも同じ学校の2年先輩」だそうです。
 今日は職員朝会があったので、盛り上がりつつある話を途中で切り上げ、教務室に向かいました。

 1時間目は、校長室で、グアム生とのオリエンテーション(トーキングタイム)。
 田澤教頭さんも加わって、主として英語で、若干日本語も交えていろいろなことを話しました。
 5人は別々の学校から「選抜」されて日本に来ているんですね。
 ゴルフでラウンド73を出す子がいたり、沖縄の国際テニス大会で3位になった子がいたり、楽器演奏が堪能な子がいたり・・・。
 ある程度日本語ができる方が選抜に有利なようなことも言っていました。
 5人中4人がこの秋から3年生、1人はこの夏に卒業して大学に進学するそうです。
 5人に掲載許可を得ましたので、この時間やほかの時間の様子はトップページでご覧いただけます。
 「せっかくだから日本語もどんどん使おう」と、教頭さんに日本語で質問する場面を作ったのですが、それにしても、「好きな音楽は何ですか?」という質問に対する教頭さんの答えが、まさかの「演歌」とは。
 "What is ENKA?"と聞かれ、教頭さんが「津軽海峡冬景色」のサワリの部分を歌い出したものですから、仕方なく私も一緒にコブシをきかせて歌いました。
 まあ、そんなこんなで、笑いの絶えない50分でした。

 この後、午前中は先生方といろいろな打ち合わせ。
 その間に、スクールカウンセラーの剱持先生に初めて会ってご挨拶をしました。

 昼休みには、2年生の齋藤和也君が担任の須澤先生と一緒に校長室に来ました。
 齋藤君は、昨今のゴルフブームの中でレベルが高くなっている県大会の激戦を見事勝ち抜いて、今年、3年連続で国体ゴルフ競技の県代表選手に選ばれたのです。
 写真の指定証を本人に手渡し、激励をしました。
 北信越5県の大会で3位以内に入らないと本国体には出場できないらしいのですが、齋藤君によると「経験のある選手がここ3年間で最も揃った」そうなので、長野県チームに大いに期待したいと思います。

 昼食後は、「総合芸術」の外部講師、軽井沢彫の彫師、飛田和さんが、授業の前に校長室に寄ってくれました。
 今年来ていただく予定の5回のうち、これが2回目の来校なのですが、この前は私が不在でお会いできなかったのです。
 飛田和さんは、前回私が軽高に赴任した年の2学年にいた本校OBで、久々の再会を果たしました。
 実は、飛田和さんが勤務する大坂屋家具店の娘さん、恵美さんは、私が担任していたクラスの生徒で、「ご両親と本人によろしくお伝えください」「帰省したら学校に顔を出すように伝えてください」と伝言をしました。

 その後は、県教委の事業で派遣していただく就職活動支援員の高畑さんがご挨拶に見え、教頭先生、進路の勝見先生にも同席していただいて、今後の就職支援について話をしました。

 6時間目は保健体育の教育実習生、佐藤君の研究授業があったので、急いで新体育館に向かいました。
 女子のバレーボールの講座でしたが、技術も高く、何よりとても雰囲気のいい講座で、感心しました。

 放課後は営繕美化の係長、音楽の吉澤先生の指導のもと、営繕美化委員と有志が校地内各所に花を植えてくれていました。
 町の「花いっぱい運動」への参加です。
 特に、整備された中庭は、天気のいい日に昼食をとる生徒がいたりして、憩いの場所になっているのですが、そこにきっとすぐにきれいな花を添えてくれることでしょう。

 最後は、18:30から同窓会館で軽井沢西部支部PTA。
 1時間20分ほどの会議でしたが、保護者の皆さんからも率直な意見や質問が出てよかったと思います。
 夕方の忙しい時間にせっかくお見えになっているんですからね。

 今日のブログは、また以前のように、というか以前より、長くなってしまいましたが、これだけいろいろあれば仕方ないですよね。
 今日のところはご容赦ください。

 6月14日(月) 「忙」とは心を亡くすことなり 051

2010-06-14 20:10:12 | 日記

 開いたら写真を載せます、と言っていた校長室のサボテンの花が開きました。
 前回、11日(金)の写真からは、土、日をはさんでいるのですが、ブログとしては連続して掲載することになりました。
 直径15cm以上の、ひまわりのように迫力のある、大きくてきれいな花です。
 70~80cmの丈のサボテンに同じくらいの大きさの花が4つ付いています。
 たぶん、「サボテンハウス」とかなんとかいう、サボテンを展示した自然園のような所に行ってサボテンの花を見たような記憶はあるのですが、こんなにマジマジと毎日繰り返しサボテンの花を見るのは生まれて初めてだと思います。

 あまり植物は詳しくないのですが、庭をいじること自体は結構好きで、自宅の狭い庭にいろいろなものを植えたりはしています。
 そして、本校のように植物を丁寧に育てている学校では、今回のサボテンに限らず、家とは比べものにならない程たくさんの種類の植物を観賞することができます。
 これまではあまり校地内の植物のことを考えて時間を過ごしたことはなかったのですが、今回の勤務ではそういうことも楽しみの一つに加わりました。
 時間を見つけて花を愛でたいと思っています。

 今日は、長野吉田高校の渡辺校長先生に用事があり、朝から出かけました。
 吉田高校は授業公開日で、授業も見させてもらいました。
 地区の中学校が大会の振替休日とかで、中学生や先生・保護者と思しき人たちが大勢来ていました。
 授業の一覧表をいただいたので、自分で適当に見て回ろうと思っていたら、「今日は予定がないので、ご案内しますよ」と、2時間目と3時間目の授業(それぞれ65分)を案内しながら一緒に回ってくれました。
 渡辺先生は、北信の校長会長で、県の副会長をされています。
 「予定がない」はずはないですし、本当に予定がなかったとしても、そういう日は珍しいはずで、そういう日こそ、やりたいこと、やらなければならないことがあったはずです。
 にもかかわらず、なんのてらいも気負いもなく「予定がない」と言って、数時間の貴重な時間を割いてくれる、その人柄に、あらためて浮かんだのは「敬服」の2文字。
 自分も見習いたいものだと感じました。

 明日からグアムの高校生が5名本校に来ます。
 本校生とどんな交流をしてくれるのか、そこから双方がどんなことを学ぶのか。
 とても楽しみです。

 6月11日(金) サボテンの花 050

2010-06-11 23:43:12 | 日記

 写真は校長室の窓際にあるサボテンの花です。
 校用技師さんや事務室の皆さんが毎日気にかけて育ててくれています。
 大きなサボテンに大きな赤い花がいくつも付いています。
 まだ開花してはいませんが、開いたらまた写真を載せたいと思います。

 「サボテンの花」はチューリップというバンドの曲でもあります。
 高校に入学してすぐだった思いますが、同じチューリップの「心の旅」という曲が昼の放送で繰り返し流れていて、初めてチューリップというバンドを知りました。
 出だしの歌詞が♪「あー だから今夜だけはー 君を抱いていたいー」というもので、「抱いていたい」なんていう歌詞の曲を昼の放送で堂々と流してしまうなんて、高校というところはなんていう所なんだと、曲が流れるたびに、純真な当時の私は、何か後ろめたいような、ちょっと怖いような気持ちになったことを、当時のオンボロの木造校舎や教室の情景とともに今でも思い出します。
 チューリップは、一躍人気バンドとなり、当時のテレビの歌番組でもしょっちゅう見かけるようになりました。
 次の年には「銀の指環」や「青春の影」というようなヒット曲を次々と出しました。
 「サボテンの花」はその後くらいに出た曲でしたが、当時ヒットしたというより、後になって『ひとつ屋根の下』というドラマ(江口洋介、福山雅治、酒井法子などが主演。江口さん演じる「あんちゃん」の「そこに愛はあるのかい?」というセリフが流行しました)の主題歌として使われ、「みんな観ている」と言っても過言ではないくらいの、ドラマの爆発的な人気とともにヒットしたんじゃないかと思います。
 ちなみに「サボテンの花」や「青春の影」は、私のカラオケの十八番でもあり、「サボテンの花」が校長室にあるのは、そういう意味でも嬉しく思っています。

 今日は、午後に、今井県議さんと佐久地区の教育関係の方2人がお見えになりました。
 地域に「軽高はしっかりとした教育をしている」という評価がある一方で、現在の普通科・国際文化科の募集の仕方に課題はないかというご指摘も受けました。
 昨日のブログに書いたとおり、今年度末に「くくり募集」を実施することとその趣旨について説明し、「大変ありがたい」という言葉をいただきました。
 こちらからは「軽高もがんばっているので、ぜひたくさんの生徒を軽高に送ってください」というお願いもしました。

 14日(月)昼の12:20頃からFM軽井沢で、本校の「総合芸術」の軽井沢彫のことが流れるそうです。
 軽井沢彫の授業を音だけでどう報道するのか。
 昼休みの方が多いと思いますので、地元の方限定ですが、77.5MHzをぜひお聞きください。