軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 5月31日(月) ♪それは先生 041

2010-05-31 22:43:06 | 日記

 今日は、代休日で学校は休みでしたが、今日から教育実習が始まるということで、田澤教頭さんから「校長先生、月曜日は教育実習生が来ますから、朝一番にご挨拶をお願いします」と頼まれていましたので、小諸駅から電車に乗り、中軽井沢駅に向かいました。
 飲み会続きで、車が学校に置き放しになっていたんですね。

 加藤事務長さんが以前「小諸駅から乙女駅くらいまでは、小海線としなの鉄道が並行して走っていますよね」と言っていた言葉を思い出し、どの辺まで並行して走っているのだろうと、あらためてチェックしながら電車に乗っていました。
 事務長さんが言うとおり、小海線乙女駅(かつてはこの名前で、幸福駅とともに全国から女性客が押し寄せたものです。個人的にはまだまだ「イケてる」駅名だと思うんですが)くらいまでは二つの線路が並行して走っていました。

 今年、軽高には、卒業生2人が教育実習に来ます。
 体育の佐藤君はカーリングが専門、商業の土屋君はアイスホッケーのキーパーです。
 校長室で、教頭さんにも同席してもらってプリントを使って話をしたのですが、まず最初に、教育実習は学校の完全なサービスだと、敢えて二人に言いました。
 うちに限らずどこの学校も教育実習を引き受ける「義務」はない、と。
 当然、職員への負担や生徒への影響もある、と。
 でも、本校の卒業生だし、将来ある若者のために受け入れるのだから、ぜひがんばってほしいと。
 若かりしこの頃の自分を思い出すと、「教育実習はやれて当り前」、断られることは想定していませんでしたし、「学校にお世話になる」という意識はあったものの、職員や生徒の都合よりも、自分がどうやるかということばかり考えていたように思います。
 二人がそうだとは言いませんし、思いもしませんが、そういう当時の自分を思い出して、実習生がどういう状況であれ、まずそこから話を始めようと思いました。
 基本的には、ここ以外の話はあまり硬くならないように、将来につながるようなことも含めて話したつもりですが、どう受け止めてくれたか。
 二人には、実習期間はもちろん、その後の長い人生も、ぜひがんばってほしいと思っています。

 今日は、軽井沢町の教育長さんに朝のうちに電話をすることになっていました。
 6月25日・26日の2日間、軽井沢プリンスホテルで行われる、地域高校協会の総会に講師として来ていただくことが決まり、そのお願いをあらためてすることになっていたからです。

 こんなようなことを朝からしているうちに、校長会の管理運営委員会が開かれる松本蟻ヶ崎高校に出かける時間になり、急いで学校を飛び出しました。
 管理運営委員会は、極めて元気で前向きでした。
 今、学校には次々と新しい制度が入って来たり、これまで学校でやってきた「当然」のことが時代の流れの中で無理が生じてきたりしていて、「管理運営」ということに関して言えば、考えなきゃいけないことが山ほどあるのが実態です。
 高校の校長さんたちもそのことはよく分かっています。
 その上で、敢えて前向きに元気を出して、みんなで知恵を出して乗り越えていこう、というような先輩諸氏の姿に、「いいね、いいね」「学校はまだまだ大丈夫、がんばれるぞ」と思ったのでした。

 確か「やるっきゃない」は、今最も注目を集めている政党の、かつての党首が言った言葉でしたよね。
 基本的には、グチグチ言っていないでやるっきゃない、と不肖の私も思っています。

 5月29日(土) 土用丑の日 040

2010-05-29 23:54:29 | 日記

 今日は土曜日。
 土曜日ですが、授業日ですので、ブログを書いています。

 午前中は、公開授業でした。
 「公開授業」などと謳っても、見に来る人があまりいないという話をあちこちでよく聞きますが、本校生の保護者、中学生、中学生の保護者など、約30人が授業を見に来てくれたようです。
 天気はよくなかったし、寒かったし、何人くらい来るのだろうと心配していましたが、今日はまずこれが嬉しいことでした。
 授業の様子やアンケートへの回答などは、トップページの「軽井沢高校ニュース 5月号その2」をご覧ください。

 昼をはさんで午後からは、体育文化クラブ後援会総会・PTA総会、続いて学年PTA・クラスPTAがありました。
 総会に出席した保護者には、昨日のこの日記に書いた、洗足学園音楽大学の夏のコンサートを紹介し、希望する方にはパンフレットと招待券をお配りしました。
 大賀ホールでのコンサートとなると、興味を示す方が何人もいて、結構喜んでもらえたので、思いつきにしては我ながらいい企画だったと思いました。
 行事をやる以上は一人でも多くの方に来校してもらいたいので、この日の午後のスケジュールは結構きついのですが、それでも、来年に向けては、講演会とかミニコンサートとか、そういったことも考えてみようと、教頭さんや担当の小宮山先生とは話しました。
 PTAの最後は懇親会。
 笑い声が絶えない和やかな会で、懇親が深められたのではないでしょうか。

 この日、実は、高校の同級会がプリンスホテル・ウェストで以前から予定に入っていました。
 「軽井沢でやるんだし、内堀のお祝いの意味もあるから必ず出ろよ」と何人もから声がかかっていたので、PTAの懇親会がお開きになるのを待って、すぐにタクシーを呼び、開宴に少し遅れて参加しました。
 同級会は毎年欠かさずやっていて、その割には出席率がいいのですが、この日もクラスの約半数が顔を揃えていました。
 県内の遠くから、あるいは東京や横浜から来たのもいました。
 軽井沢開催ということで泊まるのを楽しみに来たのもたくさんいて、会はエンドレスの様相を呈していましたが、アイスホッケー部の保護者会にも出席することになっていましたので、途中で同級会を抜け出し、またまたタクシーで塩沢の「シャレー」に馳せ参じました。
 アイスホッケー部の団結は強く、県外から来ている生徒の保護者は泊りがけでこの会に参加していました。 夫婦で出席している人もいました。
 子どもやアイスホッケー、そして学校にかける熱い思いをひしひしと感じました。
 プリンスホテルの鈴木さんがアイスホッケー部のコーチをしてくれているということは知っていましたが、この日タクシーに乗る直前に、ホテルのロビーで仕事をされている鈴木さんと初めてお会いして挨拶をし、この会でも向かいに座って話しました。
 こういうのもかなりの偶然ですよね。

 そんな訳で今日は飲み会の3連チャン。
 内臓を鍛える日々が続きます。
 この日、つくづく感じたのは、人と人とのつながりです。
 例えば、「シャレー」のマスターが、この日の同級会の幹事、土屋君のお兄さんだということを知りましたし、私が顧問をしていたテニス部の北信越大会壮行会をこの「シャレー」を会場にやっていただいたことを、店に行ってみて思い出しました。
 こんなふうに、誰と誰が親戚だとか、同級生だとか、同じ職場だとか、同じ高校だとか、「えー?」とか「そうなのー?」というような情報を、この3つの宴席で、覚え切れないくらい聞きました。
 結構な数の親御さんが「校長ブログ見てますよ」と言ってくれたのもちょっとビックリでしたね。

 ビックリの連続の中で、特に印象に残ったのは、アイスホッケー部の保護者の依田さんの話です。
 依田さんは、軽高のOBで、高校時代、男子硬式テニス部に所属し、毎朝離山までの往復ランニングなどのハードトレーニングに耐えて、本校始まって以来初めてインターハイに出場したそうです。
 今は、さいたま市に単身赴任で勤めているのですが、仕事の合間を縫って、今年の入学式に出席したと。
 そこで私が話した「プラスワン」という話を痛く気に入ってくれたようで、職場に戻って、とりまとめている職員100数十人に「プラスワン」という話をし、「パソコンの待ち受け画面に『プラスワン』と書いておくように」という指示を出したと。
 こういう話でした。
 正直驚きました。
 そりゃあ、人前で話をする時にはちゃんと準備をして一生懸命話をします。
 しますが、「いい話でした」というようなコメントはいただくことはあっても、なかなかここまでの話をお聞きすることはありません。
 こういうのを「教師冥利に尽きる」とでも言うのでしょうか。

 とにかく、いろんなことがあった長い一日でした。
 一体何回挨拶をし、何人の人と話したことか。
 よく思い出して整理しておかないと、という気持ちはありますが、何せ飲んでしまっていたので・・・。
 いろいろとすみません。 

 5月28日(金) 1人でも救急救命士 039

2010-05-28 20:33:36 | 日記

 今日は、上田駅のすぐそばの「しなの鉄道」本社に用事があり、朝9時に佐藤同窓会長さんと二人で伺いました。

 用事を済ませて学校に行くと、朝のうちに洗足学園音楽大学の石坂演奏部長さんをはじめ4人の方が軽高にお見えになったとのこと。
 洗足学園音楽大学は、昨年から軽井沢町の大賀ホールでコンサートを開いていて、今年も7月30日(金)~8月1日(日)までの3日間、演奏会を開催するそうで、ついては、「地元の高校に」ということで生徒数分のパンフレットと、枚数限定ではありますが、招待券を持ってきてくれたということでした。
 聞くところによると、去年もそういった配慮をしてくれたそうで、こういう話も大賀ホールのある軽井沢でなければありえないことだと思い、さっそく大学にお礼の電話を入れました。

 今年、一般公募で本校の学校評議員になっていただいた美術家の宗田光一さんからは、個展の案内状が届きました。
 東御市の「ギャラリーすみれ」で、6月19日~30日まで。
 毎日午後1時過ぎには展示会場にいらっしゃるようですので、せっかくだから私もお邪魔しようかな、なんて思っています。

 午後は、本校を会場に生徒会の「互交会」という会が開かれました。
 互交会というのは、文字どおり、6区(小諸・佐久地区)にある公私立高校全12校が一堂に会して、文化祭や生徒会活動などについて、情報交換・意見交換をし、「互いに交流」する会だそうです。
 生徒会係主任の秋山先生から、この会の挨拶をしてほしいという依頼を受けた時、「ごこうかい」という音だけを耳から聞いたので、頭には「5校会」の文字が浮かびました。
 「あとの4校はどこですか?」と尋ねると、秋山先生は、怪訝そうな、あるいは困ったような顔をして、「あのー、そうですね、うちも入れるともうちょっと集まるんですが…」との答え。
 「12校でもごこうかい(互交会)とはこれいかに?」「1人でもきゅうきゅうきゅうめいし(救急救命士)と言うが如し」って感じですかね。
 もっとも「1本でもにんじん(人参)」でも「1つでもまんじゅう(饅頭)」でも「1人でもせんにん(仙人)」でもなんでもいいのですが。

 本校生徒会の正副会長が事前にあらためて挨拶の依頼に来てくれました。
 当日の今日も、他の執行部のメンバーも含めてしっかり会を運営してくれていて、日に日に成長しているなと感じました。
 会自体は、とてもいい雰囲気で、生徒にとっても顧問にとっても意義があるので、今後も大事にして継続していってほしいと思いました。

 写真は、今日、華道部が「ちょっと小さいんですけど」と持ってきてくれた花です。
 いえいえ、その大きな気持ちが嬉しいんです。
 明日の午前中の授業は、一般の方にも公開していますので、ぜひお出かけください。
 詳細はトップページの「お知らせ」をご覧ください。

 5月27日(木) 足柄山の金太郎 038

2010-05-27 23:54:14 | 日記

 今日は一転してまたいい天気になりました。
 写真を撮って載せようかとも思いましたが、トップページの「フォトニュース」に軽井沢の清々しさが伝わる、快晴の時の本校の写真がたくさん掲載されていますので、今回はそちらをご覧ください。

 4月30日の日記で、ピッキオに関連して、「今年の『科学技術映像祭』で文部科学大臣賞を受賞した『平成熊あらし』という作品に本校生徒が出演しており、近々NHK教育テレビで放送される」という話をしましたが、その放送日があさって5月29日(土)午後2:00~だとピッキオの田中さんから連絡をいただいていました。
 本校でも授業で活用できるかもしれない、ということで、理科の渋谷先生が録画のスタンバイをしています。
 当日は、午前中が公開授業、午後にはクラブ後援会とPTAの総会が行われることになっていて、リアルタイムで観ることは出来ないと思いますが、どんな形で本校OBが出演しているのか興味があるので、またあとで観てみたいと思っています。

 今日は午前中、軽井沢町観光協会の藤巻会長さんが本校を訪ねてくださり、いくつかお話をしたりお願いなどもしたりしました。

 夕方からは、軽井沢町の小・中・高のPTA連合会の第1回理事会が行われ、町内にある全5校(小学校3校、中学校1校、高校1校)の旧年度と新年度の、PTA正副会長と校長・教頭が湯河原荘という旅館に集まりました。
 集会は年間4回。
 高校というところは、特別に意識して動かない限り、地元の中学校や、ましてや小学校との接点はあまり多くないものです。
 こういう場が設定されていて、校種を超えて親しくなり、意見交換ができるというのは、町村にある高校のよさですので、大切にしないといけないと思っています。
 「あとの会」も含めて、小・中学校の校長さん、教頭さん、PTA役員の方々と、いろんな話をしっかりすることができました。

 結果的には、昨日に続いて今日も終電。
 睡眠不足ぎみです。
 「いやあ、眠いの眠くないの」「一体どっちなんだよ」っていうのが落語にありましたね。

 5月26日(水) ♪めくるめくるよ 037

2010-05-26 23:49:21 | 日記
 
 一昨日は雨、昨日は晴れ、昨日の夜から今朝まで雨、その後一瞬晴れてまた雨と、ここ数日、まるで日めくりのカレンダーのようにめまぐるしく天気が変わっています。

 日めくりカレンダーと言えば、ここ十年来愛用している我が家の日めくりがトイレにあるのですが、毎日繰り返しめくっては読み、めくっては読みしていると、たとえば、「進歩とは反省のきびしさに正比例する」(本田宗一郎)とか「旅は私にとって精神の若返りの泉だ」(アンデルセン)とか、書かれている言葉が、記憶力が衰えつつある私の頭の中にもだんだん定着してくるもので、やっぱり「継続」とか「繰り返し」って大事だなと思いますね。

 今日と明日は中間テスト。学校には静かな時間が流れています。

 今日は午前中に、軽井沢ガイドサービスの永島さんが、自転車に乗って颯爽とお見えになり、英語科の草間先生、遅れて教頭先生にも同席してもらいました。
 永島さんは「通訳案内士」という国家資格をお持ちで、軽井沢町で、ツアーの英語ガイドやホテルの通訳、社員の語学教育のほか、翻訳なども手掛けておられます。
 通訳ガイドをして報酬を得るためには、この「通訳案内士」という資格がないと違法になるのだそうです。
 永島さんは、翻訳家を目指す本校生を3か月の長きに渡って「職場体験」という形で受け入れてくださったり(その生徒はその体験を生かして見事大学に合格したそうです)、英語ガイドツアーや英語キャンプの講師をしてくださったり、様々な形で本校に協力をいただいている方です。
 そのきっかけとなったのが、なんと、2006年の国際くま会議。
 そうです、「ピッキオ」の方がお見えになった時に話題になった会議で、そこでボランティアをしていた本校生、本校職員と初めて出会ったそうです。
 また、新しいつながりの発見。世間は広いようで狭いものです。

 それで、今日は、『軽井沢発 基本の接客英会話』という本を5月1日に出版され、「お役に立てば」ということで、本校に、なんと30冊も寄贈しに来てくれたのです。
 「いろんな所で研修の講師をする際に使ったテキストをまとめたものです」とおっしゃるとおり、内容をみると、きわめて実践的。ホテル従業員の研修はもちろん、高校の授業でもすぐに使えそうなテキストに仕上がっていて、草間先生と「すぐに授業に使えるね」と話しました。
 いろいろなことをお話ししたのですが、たとえば、2008年に軽井沢町に宿泊した外国人客の数が前年2007年のなんと約2倍に増えているという事実があったり、あるいは、ホテルやペンションの従業員が外国語、特に英語が使えないために、外国人の予約を「取り逃がしてしまう」などということも起きがちだそうで、軽井沢町のホテルや娯楽施設、商業店舗などでは、英語や中国語の「需要」が日に日に増しているそうです。

 昨日書いたことの繰り返しになりますが、軽井沢にある高校という、かなり大きな特色を生かしたカリキュラムとしてどんなものが考えられるのか、さらに追及していく必要があると思っています。