軽井沢高校 校長日記 『つれづれ軽井沢だより~乞う「ちょうどええ」』

学校の様子を校長の視点から伝えたいと思い、校長日記を書くことにしました。授業日毎日更新を目指します。ご愛読ください。

 6月23日(水) 財津一郎さん 059

2010-06-23 23:22:05 | 日記

 夜中にポツポツ言い出した雨が、今朝はまだ降り続いていました。

 朝から電話があったり、先生と相談があったりして、時計を見ると、もうすぐ始業という時刻。
 「今朝は校門に立てないな。残念」と思いつつ、山極先生と話をするため、生徒指導室へ向かいました。
 廊下ですれ違う生徒たちに挨拶をしながら、部屋の前に来ると、向こうに見える生徒昇降口で、おっ、やってる、やってる。
 雨の朝の恒例行事、数学の吉澤先生が、気合いを入れてモップで床の水気を拭き取りながら「おはよう」「テスト勉強してるか」などと生徒に声をかけています。

 今日のブログは、長くなりそうです。
 と言うのも、コメディアンの財津一郎さんのギャグ「ヒジョーニ悲シー」の正反対で、これ以外にも「非常に嬉しい」ことがいくつもあったからです。
 でも、中身はちゃんとあると思いますので、長くてもお付き合いくださいね。

 まず1つ目です。
 実は、6月17日(木)のブログへの掲載について、その翌々日くらいに、政策研究大学院大学の岡本薫先生にお礼のメールをしました。
 講演の休憩時間に名刺交換をしていましたので、アドレスはわかっていました。
 するとすぐに丁重な返信をいただいたのです。
 国内にいないことも多かったりして、ハンパでないくらい忙しい方だと聞いていますが、にもかかわらず、一校長に対してもこういう機敏で丁寧な対応をされることに感動しましたので、今日再度メールをしました。

 2つ目は、今日の職員会議で、秋頃に全校で「いのちの学習」をしようということになりました。
 「いのちの学習」というのは、現在松本市の教育委員長をされている斉藤金司先生が、県の教育長時代に提唱されたことです。
 「いのち」は何より大切なのだから、1年に1度くらいは、全部の教員が子どもたちと一緒に「いのち」について考え、学ぶ機会をつくろうじゃないか。
 教員も「いのち」について「教える」のではなくて、子どもと一緒に「学ぶ」のだ。
 だから、いのちの「教育」ではなくて、いのちの「学習」なのだ、といった内容だと理解しています。

 中野立志館高校の教頭時代にも、先生方と相談して「いのちの学習」を実施しました。
 軽井沢でもできないかなあ、と思っていたのですが、今日、人権平和係長の長谷川先生から提案があったのです。
 「いのちの学習」を実施するに当たり、せっかくだから斉藤先生ご本人を軽井沢にお招きして職員研修ができないか、もちろん、相手の都合があることだから聞いてみないとわからないけど、お願いしてみよう、ということになりました。
 職員会議が終わって早速電話をしたところ、市議会が今日最終日で遅くまでやっていたようで、すぐにはつながらなかったのですが、折り返しお電話をくださり、「秋なら都合がつくかもしれない。また、相談しよう」と言ってくださいました。

 もう1つは、学校視察の話です。
 軽高の先生方には、校内外の研修や学校視察をどんどんやってください、とお願いしています。
 学校の「教育力」の向上のためには、一人一人の教員が資質を高め、見識や視野を広げることが何よりも大切だからです。
 そして、そうやって身に付けたものは、異動をした先々の学校でも、教員をやっている限り(もしかすると教員を辞めても)、必ず生きるからです。
 昨年の夏、文部科学省主催の管理主事研修というのに参加させてもらった時、全国の教育委員会から集まった管理業務担当の皆さんと一緒に、昼間は超ハードな研修をし、夜はこの上なく意欲的に交流を深めました。
 その中に、京都市教委の辰巳さんという行政の方がいて「京都市って言えば、堀川高校、その校長さんの荒瀬先生、そして市教委の改革路線が有名だよね」と話した時、「ぜひ京都市に来てください。機会があれば、荒瀬校長先生にも話をしておきます」と言ってくれました。
 京都市の行政や京都市立の学校にすごく興味があるので、行ってみたいなあ、と思っていました。
 すると、この3月に電話がかかってきて「いい知らせです。大分時間がかかりましたが、荒瀬校長さんに話ができましたので、一度電話をしてみてください。電話番号は・・・」と言ってくれたのです。
 いい人でしょ。

 堀川高校と言えば、2002年3月に、卒業生240名中、国公立大学現役合格者数106名(前年度6名、100名増)京都大学現役合格者6名(前年度0)としたことで注目を浴び、教育関係者の間では全国的に知らない人はいない学校です。
 昨年度末の数字をホームページで見ると、東京大現役8、浪人1、京都大現役30、浪人15となっていました。
 そして、その校長を今年で8年連続で勤める荒瀬克己校長は、『奇跡と呼ばれた学校』という著書や中央教育審議会委員として、さらにはNHKの『プロフェッショナル~仕事の流儀』への出演や数々の対談、専門誌への著作などで知られる、超有名人です。
 今月に入って荒瀬校長さんと辰巳さんに思い切って電話を差し上げたところ、とんとん拍子で話が進み、今のところ、堀川高校に荒瀬校長さんを訪ねること、京都市の教育長さんや高校担当係長さんとお話できること、堀川高校のほかにいくつか京都市立の高校を視察させていただけそうなことが決まりつつあります。
 もちろん、それは、辰巳さんが間を取り持ってくれているからで、その辰巳さんとの再会もとても楽しみです。
 ほんと、中央研修の時は毎晩何時間も話しましたからね。
 行くからには、改革途上にある軽高の校長として、しっかり学んで来たいと思っているところです。

 人と人との繋がりから生まれる「ヒジョーニウレシー」話、そのどれもが「恵まれている」としか言いようのないものだと思っています。