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CLASSMATE/HERO 12

2011-06-01 15:46:06 | 小説
さって!



毎週水曜日は




たとえ望まれてなくてもこれを更新しますよ



そりゃ 毎日何かあるわけないですしね



こーいうのでたまには埋めないと、本当にネタがなくなってしまう。



さて12話


何時もどおりちょっと長いですが、お付き合いください。




普通の人間なら10回半は死んでるという診断を受けた。ありえない方向に曲がった腕もすでに治り始めているという、ここまで来ると目の前の人物が一体何なのかが不安になってくるほどだ。
だが、その超人的な肉体を所持する人物も、年相応の少女のようなあどけない表情になっていた。それほどこの戦いでの負けが効いたのだろう。
これに懲りて少しはおとなしくなってくれるとうれしかった、正直最近の暴走気味には少し付いていけないと思った。
どうやらこの意見には水口も賛成らしく、これからはおとなしくするようにと釘を刺してくれた。いつもなら毒づいて抵抗をするのだが、今回はやけにしおらしい、少し気の毒にも思えた。
「ご・・・ごめん」
糸江は珍しく謝った、それも薄っすら涙を浮かべている。
「私、この力をみんなのために使いたかった・・・だけなの」
「あ・・ああ、それは分かってるよ」
多少強引ながらも、地道な活動を手伝わされていた身だから分かる。自分の力を過信しすぎず、むしろ大勢の役に立ちたいと言う意思は嘘ではない。
糸江は珍しく自分のことを語った、父はヒーロー協会の役員で過保護で、どんな小さな危機からでも自分の身を守るらしい。
だが、自分の大きな力は守られる物ではなく、むしろ他を守る為の物だと自覚をしていた。だから少しでも早くその仕事につきたい、それに父を尊敬してるからこそ、早く父の役に立ちたいと。涙ぐみながら語った。
流石の糸江も泣き疲れたのだろう、話が完全に終わる前に寝てしまった。
「今回の事は少し気の毒だが、良い薬だったかもしれないな」
俺の台詞に皆が沈黙をする、だが水口だけが声を出した。
「そうです、やはり犯罪者を一般人が捕まえると言うのは危険です。これからは少し大人しく行動しましょう」
いつも穏便に済まそうとする水口が畳み掛けるように言葉を放つ、もしかしたら水口は最初からこれが狙いだったのかもしれない、いつか事件に巻き込まれて、手に負えないと解らせて、この覚醒者の集まりを解散させようと思っていたのかもしれない。
「とりあえず・・・、帰るか。岡部も早く傷を治せよ」
偶然同じ病院に入院していた岡部が病室に顔を見せに来ていた。
「あ、うん。僕の方は結構大丈夫そうだ」
岡部は軽症だったので病院内であれば歩いても良いと言われた。糸江は数箇所の骨折、流石に歩き回る元気が無かった。
その後、数日は平穏な時間が続いた。
今までの出来事など、無かったかのように。ただ1日が終わりを告げていた。俺と白川が2人で帰路に着き、水口とはあまり口を利くことがなくなっていた。
「ただいま~」
「あら、おかえり~。最近は早いわね、お友達と遊んで無いの?」
「ん~、ちょっと怪我しててな、ソイツが帰ってくるまで早いと思う」
俺は親の問いに適当に返事をしてテレビの方向に顔を向けた、時間は4時頃、夕方のニュースがやっていた。そこにはまたあの事件の事が語られている”新たに犠牲者 今度もヒーロー”と見出しが映し出された。
見覚えのある顔に俺は一瞬息を呑んだ、はっきりとカポエラマンと書かれている。
携帯電話を取り出して電話帳を開く、ま行で登録されている人間は数人しか居ないので直ぐに見つかった。
「・・・もしもし!水口か、ニュースは見たか?」
『ええ』
「くそっ・・・まさか、こんな事になるなんて・・・」
『落ち着いてください、貴方が興奮しても事態は変わりません』
「そんな事言っても・・・、糸江だって心配だし」
『大丈夫です、彼女は保護されている、だから貴方はこれ以上この件には首を突っ込まない方が・・・』
冷静すぎる水口の対応に対して、俺は感情をあらわにしてしまった。
「なんでお前はそうやって冷静なんだ! 仲間じゃないのか!?」
半分は八つ当たりなのはわかっている、だが声を荒げてしまう。
俺は本当は気づいていた、水口は俺達の仲間として一緒にいたわけではない、恐らく監視と行動の抑止が目的なのだと。あの強硬派の糸江を簡単には押さえつける事は出来ない、なら内部に入り込みコントロールしようと考えたのかもしれない。
だが、紛れも無く数日間、一緒に過ごしたはずだ。多少ぐらいは何か感情が沸きあがっても良いだろう。と、俺はそう思った。
『・・・・・・』
水口の言葉は正しい、俺達一般人が首を突っ込んでも糸江の二の舞である、それどころか死ぬ可能性もある。本物のヒーローですら、犠牲者になっているぐらいなのだから。
「悪かった・・・水口、つい感情的になっちまった」
『いえ、私も・・・、言葉が足りなかったかもしれない。私は皆が心配だから言ってるんです、何かあってからでは遅いんです・・・』
水口は良い奴だ、それはここ数日の付き合いでもなんとなく分かる。俺はこの水口の言葉を信じてみようと思った。
その後の沈黙の後電話を切った、先ほどまでの水口との会話がグルグルと頭の中をかき回す。
だが俺は覚悟を決めていた。
「白川、いるか?」
多分、居るのはわかっていた。だがあえて聞いてみた。
「・・・・居るよ」
白川は俺の言いたい事をなんとなくわかっているようだ、糸江の敵討ちに行く、もちろんカポエラマンの分もだ。これは決定事項である。
正義などの類ではない、友人を1人傷つけられた。その怒りだった。
「ったく・・・昔から感情的になると後先考えないからな」
俺は親に気づかれないように部屋を出ようとした、もう夕飯に近い時間である。
「おい、どこに行くんだ」
兄貴が俺の行動に気づいたようである、この兄貴は一般人だが俺の行動を予測してるように先々に現れる時がある。特に俺がキレてる時に。
「ちょっとな・・・友達を助けに行くんだ」
「そうか、夕飯はどうする?」
あえて話を追わない、何時もなら俺がココで引き下がるのだが。今度はそうもいかなかった。
「後でレンジで温めて食べるよ」俺は兄貴の顔を見ずに逃げるように走った。
対策などは無い、出たとこ勝負。3人ともの能力を聞いたが勝ち目などは無い、俺は死にに行くようなものである。しかし、そういう問題でもなかった、自分の中でモヤモヤがあるのを解決しないまま放って置けない、たったそれだけの問題だった。
俺は玄関から出て、一直線に糸江のいる病院に向かう。次にそこが襲われるという情報があるわけではなかった、だが何か直感的なものが俺を動かした。
「西崎君・・・、待ってくれないか」
俺の後ろからやや息の切れた声が聞こえる、その声の主は水口だった。
「なんだ?止めても無駄だぜ」
「無駄でも止めます!」
口調は荒々しかった、本当にどんな手を使っても止めると言う感じだ。
「止められる理由がねえ、俺はただあっちの方向に向かいたいだけだ、それ以外の理由が無いんだよ」
「・・・・冷静ではない状態ですね。自分が能力者だから、立ち向かえるなどと考えているんですか?」
「そんなつもりじゃねえよ」
「他人の為になぜそこまで動けるんですか!」
俺は少し動きが止まった、昔一度だけ言われた事がある台詞。まさか、今この状況で聞くとは思っていなかった。
「3年前の事を・・・思い出させるんじゃねえよ」
俺はそういうと冷たく突き飛ばした。
この言葉のせいで、俺の覚悟が一瞬揺らぎそうにもなった。
「何か気に障ったなら謝ります、私はこの場で貴方が行っても無力だと言いたいんです」
3年前の事・・・・、それは語りたくも無い。当然誰にも探られたくない、俺が覚醒者という事を隠している原因でもある事件。
水口は気になるが、あえて掘り返すような事はせず、黙って俺を見ていた。
「・・・・・わかりました、じゃあ私も協力しましょう」
突如手のひらを返したように態度を変えた。
「勘違いをしないでください、これは・・・貴方達2人に死んで欲しくないから言うんです。当然危ないと思ったら逃げてください」
水口はそういいポケットから紙切れを数枚取り出した。




次回予告


西崎「これから盛り上がるって所で終わったな、ようやく連載物っぽくなった気がする」

白川「うん、そうだね」

西崎「そういや、最近はあまりしゃべらないな」

白川「うん、そうだね」

西崎「もしかして・・・・怒ってるのか?」

白川「うん、そうだね」

西崎「何かやった!? 俺何か気に障ることでもっ!?」

白川「ううん?西崎君がじゃなくてね、作者さんがねぇ~~???」

西崎「ああぁ・・・(台詞減らされたの根に持ってるのか・・・)」

白川「今後、いっぱい活躍があるといいなぁ?」

西崎「次回は・・・少しだけ、俺達が活躍したりしなかったり?」

白川「でも、結局・・・・」

西崎「ネタバレは止そうな!?」






キャラ紹介


岡部 栄一 (おかべ えいいち)


基本的には一般人、能力も戦闘向きとは言えないが、オーソドックスで様々な応用力があるのが特徴。

ポジション的には目立たないけど、時々主人公をサポートしてくれるような感じになると良いなと思ったりしてます。


今の所一切活躍してないけど。


能力の変化は いわゆるオーソドックスなタイプ。

派生も多くあり、もっとも発見されてる能力のタイプの1つ。

基本的に変化は自分の姿を変えるだけだが、岡部は何故か服装まできっちり変化可能。あまり疲れないのもメリットの一つ、ただ・・・。
変化を使い肉体の筋力量を変化させたりなどの、戦闘に向いてる部分はからっきし。
逆に言えば、まだ伸ばしてないだけなので、これから伸ばせば伸びてくる。

しっかり糸江や縁をサポートして欲しいなと思ってます。


確実に普通な男子、少し惚れやすい。

身長は縁より小さい166cm。 やや痩せ型。

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