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『涙スイッチ』

2006-04-13 | 真実の世界
今日は仕事がお休みだったので、京都まで芝居を見に行ってきました。
休みなのに行くところはヤッパリ京都、、、。休みの日くらい離れてもいいのに、と思いつつもどうしても見たかった芝居が京都でしかやっていなかったので仕方ありません。劇団四季の『南十字星』という芝居を見てきました。

映画を見るのはあまり好きではないけれど、芝居を見るのは大好きです。
生の舞台の熱気が伝わる感じが好きで、一ヶ月に一度くらいの割合で行きたいなぁとは思っています。映画は何回見ても変わらないけれど、芝居は役者さんの調子で出来不出来があってそれが面白いと思っています。同じ演目、同じキャストでも50点の時もあるけれど200点の時もある。それが楽しい。何回も同じものを見に行くと、そんなことを思えるんだけど劇団四季はお高いので流石に1回でイッパイイッパイです。四季はクオリティが高いので、イマイチだなぁと思って帰ることはあんまりないんですが。
芝居は基本的に1人で見に行くことが多いです。たまに友達も誘っていくんだけど、映画より値段が高かったり個性的なものが多かったりするので、なかなか誘い難い。それにね、私芝居を見ているときに泣くスイッチが入るときがあるんですね。目がウルウルする程度の可愛いものではなくて、ポロポロ泣いてタオルが離せなくなるくらい泣きます。周りに知っている人がいると何となく芝居にのめりこめないような気がして、誘い難かったりもします。

今回の芝居は戦争三部作と呼ばれているものの三作目。ちなみに一作目は李香蘭、二作目は異国の丘です。今回の南十字星で三部作制覇!と密かに喜んでいます。一作目、二作目にはそれぞれモデルがいるのですが、今回は名もない学徒兵が主人公。話のテイストとしては『私は貝になりたい』に似ている感じ。インドネシアが舞台で、戦後冤罪で捕えられた学徒兵が絞首刑になる話・・・と端的に言えばそんな感じです。
戦争3部作、一つ一つの話に平和を願う気持ちがイッパイ歌われているなぁと思いながら見てきました。今回の話は名もない兵隊が主人公で、こんな風にBC級戦犯として裁かれた人が1000人弱もいたらしいのだけど、この主人公が死ぬことがたまらなく悲しく思えてしまいました。多分、年が同じくらいだから余計に思うのかもしれないけれど。恋人もいるし、待っている家族もいるし、帰国したらやりたいこともあるだろうに、それでも死を宣告された気分ってどんな感じだろうか、と。未来の日本のために死ぬ役割を果たす、という主人公に、私のために生きてほしいと言う恋人の気持ちはどんな感じかな、とか、そんなことを思いながら見ていました。
後半に入って日本が敗けてからのシーンは本当に何が悲しいのか、ずっと泣いていたような気がします。まさに涙スイッチオン。主人公が遺言の中で未来の若者に平和を願うシーンとか、恋人との別れのシーンとか、泣きまくってしまった。私が涙もろいだけかもしれないけど。李香蘭の時は舞台が始まった時から泣いてたし、異国の丘も真ん中ら辺で泣いてたし。まぁ、決して泣くために芝居を見に行っているわけではないんだけど。

平和って何かなぁって戦争ものの芝居を見ると思います。
戦争がなかったら平和なんかな。でも目に見えなくても争っている時もあるし。ただ、今回の主人公みたいに自分の意志を違えて強制されて人を傷つけたり傷つけられたりするのは嫌だ、と思います。数千人っていう数で言われたらあんまり意識しない人の命を大切に出来るそんな自分でありたいと思うし、そんな世の中は少しは平和なんじゃないかななんて思ったりしています。